
『受け継がれる東洋の至宝 曜変・油滴天目 -茶道具名品展-』
静嘉堂文庫美術館 サイト
※3月24日(日)まで
久しぶりの訪問。
なので、ちゃんと予習していこうかなと、珍しく(?)考えた。
前日、以前録画した曜変の制作に挑む現代作家2人(長江惣吉さん、林恭助さん)にスポットをあげた番組を観た。
(2003年に放送された番組を昨秋にアーカイブ放送)
2007年の新聞記事(切り抜き)を読み返し、『静嘉堂の茶道具』も一通り読み~。
でも、訪れたら、展示リストと供に展示品を解説したリーフレットも配布してくれて。
(それに飽き足らず? 300円で鑑賞の手引きも購入しちゃった)
そういった予備知識を念頭に入れつつ、国宝曜変天目の前に立つ。
もう何度目だろう。
美術館としても、見せ方は毎回工夫していて、
外光の中で鑑賞できるようにしたり、尼ケ崎台に載せたり、台を少し高くしていたり…。
「今度はどんな角度で鑑賞できるかしら~」と思ったりもする。
今回はわりとオーソドックス。
少し低い高さで、なるべく上から茶碗の内側が拝見できるようにしている。
青い光、わかる、わかる。
屈んで、外側も観る。
昨秋、藤田美術館で曜変天目を解説付で鑑賞した時、外側にもライトをあてて光るところを見せてもらった。
ふむふむ。
こちらも光りそうな感じ。
テレビで見た曜変の技術は二度焼きだったな~。
なんて思い出しつつ、また眺める。
火の温度もさりながら、火を止めるタイミングも難しいらしい。
兎毫盞(とごうさん=禾目)天目が特異反応したものでもあったっけ。
油滴天目も素晴らしいけど、大きすぎるから、少し苦手。
そして、展示物以上に驚かされたのが、新たな曜変天目の発見。
中国の杭州(=南宋の都)で陶片が出土したという。
2009年に発見されながら、公開された2012年って。。。
4分の1程度の欠損はありつつも、曜変の輝きは日本に残っているもの以上?
昨年暮れに読んだ↓を思い出した。→こちら
やはり、不吉なものとして処分されたものの一碗なのか。
と、すっかり曜変に夢中になっていたんだけど、
今回は文庫創設120周年と美術館開館20周年を兼ねた展覧会だけに、
見どころは曜変のみにあらず。
他のものもすばらしい。
唐物だけでも、先にあげた兎毫盞、灰被、玳皮盞、青磁人形手と代表的な唐物茶碗が見られるし、
砧青磁の花入、水指、飛び青磁も一堂に鑑賞できる。
高麗ものも井戸、堅手、御所丸、御本雲鶴とテキストを見るような充実ぶり。
国焼も楽茶碗も主だった歴代の作品が観られる。
(図録によればなぜか了入だけが収集されてないようだ)
紙屋黒は長次郎の中でも来歴がはっきりしたものという。←カセてるねぇ
個人的には左入が気になる。←どうやら、今年のツボみたい。
縁に切り込みを入れて、わざと互い違いにしている工夫が面白いなぁと思った。
茶入も充実。
藤重親子が復元した付藻茄子と松本茄子。
復元後に茶席で使われたことはあったのだろうか?
たぶん、江戸時代以降は観賞用として生きてきたのではなかろうか。
茶道具は使われてこそのもののなのに、なんだか残念な気がする。
(かといって、修復ものを使うのはやはり気がとがめるが)
名称(木葉猿)に併せて挽家を納める箱を猿の蒔絵にした茄子茶入。
トータルコーディネートが面白い。
(以前も見た時はよく理解できなかったけど、今回はツボにはまった)
瀬戸の茶入が見分けつかなかったんだけど、これまた一通り並んでいてビックリ。
古瀬戸、破風、金華山、真中古。
やっぱり、違いがよくわかんないなぁ。
高取の大海茶入は好きだなぁ。(渦の糸切の挽家もよかった)
そして、仁清の数茶入18口揃え。
昨年11月も泉屋博古館で19口揃えを見たばかり。
こちらの方が形が繊細なような気がする。
もう一つ、どこかにあるらしい。
どこだろう? 見たいなぁ。
仁清は他にも呉器の茶碗と梅の茶壺が出ていて、やはり綺麗だなぁと思った。
茶釜は2つ。
うち1つは大好きな浄清。
相変わらずフォルムがステキ。
棗は原羊遊斎。
表から観れば豪華な菊。でも、裏から見れば記三だか盛阿弥の利休形を写した黒の真塗り。
しぶい。
中興名物の瀬戸芋子茶入「雨宿」の竹の挽家の蓋部分を写した竹香合は中山胡民作。やはり「雨宿」
そういえば、瀬戸肩衝茶入「白露」(金華山手)の近くに引き物の形を写した肩衝茶入があった。
あればなんだったのだろう。
というわけで、なんのかんのと楽しみ、
また展示解説の日をねらって訪れたので、しっかりそちらも聴いて勉強した半日だった。
(人数多すぎて、展示会場ではなく下の会議室でスライドを見せてもらいながら聴いた)
ちなみに、展覧会の入場料は800円だが、リピートしたら200円引きになる特典あり。
また新年度(2013年度)は静嘉堂文庫の蔵書コレクション(資料?)を紹介する展示が多く、
茶道具ではないけど、そちらも興味深い内容。
しばらく二子玉から目が離せなくなりそうだ。
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致しマス
※静嘉堂文庫美術館バックナンバーリスト
2011年4月 『日本陶磁名品展』
2010年2月 茶道具名品展『国宝・曜変天目と付藻茄子』
2008.12月 『岩崎家の古伊万里-華麗なる色絵磁器の世界』
2008年2月『茶碗の美-国宝 曜変天目と名物茶碗-』
静嘉堂文庫美術館 サイト
※3月24日(日)まで
久しぶりの訪問。
なので、ちゃんと予習していこうかなと、珍しく(?)考えた。
前日、以前録画した曜変の制作に挑む現代作家2人(長江惣吉さん、林恭助さん)にスポットをあげた番組を観た。
(2003年に放送された番組を昨秋にアーカイブ放送)
2007年の新聞記事(切り抜き)を読み返し、『静嘉堂の茶道具』も一通り読み~。
でも、訪れたら、展示リストと供に展示品を解説したリーフレットも配布してくれて。
(それに飽き足らず? 300円で鑑賞の手引きも購入しちゃった)
そういった予備知識を念頭に入れつつ、国宝曜変天目の前に立つ。
もう何度目だろう。
美術館としても、見せ方は毎回工夫していて、
外光の中で鑑賞できるようにしたり、尼ケ崎台に載せたり、台を少し高くしていたり…。
「今度はどんな角度で鑑賞できるかしら~」と思ったりもする。
今回はわりとオーソドックス。
少し低い高さで、なるべく上から茶碗の内側が拝見できるようにしている。
青い光、わかる、わかる。
屈んで、外側も観る。
昨秋、藤田美術館で曜変天目を解説付で鑑賞した時、外側にもライトをあてて光るところを見せてもらった。
ふむふむ。
こちらも光りそうな感じ。
テレビで見た曜変の技術は二度焼きだったな~。
なんて思い出しつつ、また眺める。
火の温度もさりながら、火を止めるタイミングも難しいらしい。
兎毫盞(とごうさん=禾目)天目が特異反応したものでもあったっけ。
油滴天目も素晴らしいけど、大きすぎるから、少し苦手。
そして、展示物以上に驚かされたのが、新たな曜変天目の発見。
中国の杭州(=南宋の都)で陶片が出土したという。
2009年に発見されながら、公開された2012年って。。。
4分の1程度の欠損はありつつも、曜変の輝きは日本に残っているもの以上?
昨年暮れに読んだ↓を思い出した。→こちら
![]() | 『中国と 茶碗と 日本と』 |
彭丹著 | |
小学館 2012年刊 |
やはり、不吉なものとして処分されたものの一碗なのか。
と、すっかり曜変に夢中になっていたんだけど、
今回は文庫創設120周年と美術館開館20周年を兼ねた展覧会だけに、
見どころは曜変のみにあらず。
他のものもすばらしい。
唐物だけでも、先にあげた兎毫盞、灰被、玳皮盞、青磁人形手と代表的な唐物茶碗が見られるし、
砧青磁の花入、水指、飛び青磁も一堂に鑑賞できる。
高麗ものも井戸、堅手、御所丸、御本雲鶴とテキストを見るような充実ぶり。
国焼も楽茶碗も主だった歴代の作品が観られる。
(図録によればなぜか了入だけが収集されてないようだ)
紙屋黒は長次郎の中でも来歴がはっきりしたものという。←カセてるねぇ
個人的には左入が気になる。←どうやら、今年のツボみたい。
縁に切り込みを入れて、わざと互い違いにしている工夫が面白いなぁと思った。
茶入も充実。
藤重親子が復元した付藻茄子と松本茄子。
復元後に茶席で使われたことはあったのだろうか?
たぶん、江戸時代以降は観賞用として生きてきたのではなかろうか。
茶道具は使われてこそのもののなのに、なんだか残念な気がする。
(かといって、修復ものを使うのはやはり気がとがめるが)
名称(木葉猿)に併せて挽家を納める箱を猿の蒔絵にした茄子茶入。
トータルコーディネートが面白い。
(以前も見た時はよく理解できなかったけど、今回はツボにはまった)
瀬戸の茶入が見分けつかなかったんだけど、これまた一通り並んでいてビックリ。
古瀬戸、破風、金華山、真中古。
やっぱり、違いがよくわかんないなぁ。
高取の大海茶入は好きだなぁ。(渦の糸切の挽家もよかった)
そして、仁清の数茶入18口揃え。
昨年11月も泉屋博古館で19口揃えを見たばかり。
こちらの方が形が繊細なような気がする。
もう一つ、どこかにあるらしい。
どこだろう? 見たいなぁ。
仁清は他にも呉器の茶碗と梅の茶壺が出ていて、やはり綺麗だなぁと思った。
茶釜は2つ。
うち1つは大好きな浄清。
相変わらずフォルムがステキ。
棗は原羊遊斎。
表から観れば豪華な菊。でも、裏から見れば記三だか盛阿弥の利休形を写した黒の真塗り。
しぶい。
中興名物の瀬戸芋子茶入「雨宿」の竹の挽家の蓋部分を写した竹香合は中山胡民作。やはり「雨宿」
そういえば、瀬戸肩衝茶入「白露」(金華山手)の近くに引き物の形を写した肩衝茶入があった。
あればなんだったのだろう。
というわけで、なんのかんのと楽しみ、
また展示解説の日をねらって訪れたので、しっかりそちらも聴いて勉強した半日だった。
(人数多すぎて、展示会場ではなく下の会議室でスライドを見せてもらいながら聴いた)
ちなみに、展覧会の入場料は800円だが、リピートしたら200円引きになる特典あり。
また新年度(2013年度)は静嘉堂文庫の蔵書コレクション(資料?)を紹介する展示が多く、
茶道具ではないけど、そちらも興味深い内容。
しばらく二子玉から目が離せなくなりそうだ。



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2011年4月 『日本陶磁名品展』
2010年2月 茶道具名品展『国宝・曜変天目と付藻茄子』
2008.12月 『岩崎家の古伊万里-華麗なる色絵磁器の世界』
2008年2月『茶碗の美-国宝 曜変天目と名物茶碗-』