Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

遠州・不昧と大名家の茶

2021年05月30日 12時14分04秒 | 美術館・博物館etc.

 ★中之島香雪美術館 サイト
『遠州・不昧と大名家の茶』 ※6月13日(日)まで

香雪美術館での展覧会から何度もコレクションは鑑賞しているけど、
やっぱり好きだし、休館していなかったので行ってきた。
(美術館に関しては東京と大阪では扱いが違うのがありがたい)

大名家の茶道~略して「大名茶」ということで、まずは織部と遠州。

織部が削った茶杓、利休が死の間際に細川忠興に贈った茶杓「ゆがみ」と似てる?という印象。
同じく利休から織部に贈られた茶杓「泪」とは全く違うというところが意外でおもしろい。というか。

瀬戸黒茶碗「宗潮黒」とか織部黒茶碗「玉箒」。
たぶん、以前も見ているはずだけど、場所が違うとまた別物を見るよう。

「織部」関連でまとめて展示されているところが、香雪美術館の道具別の展示とは異なっていて
人物と絡めて理解ができてよかった。

続いて、遠州。や
こちらは2つの竹花入に注目。
まずは唐竹花入。肉厚?というのか、際がとにかく太い。
対して一重切花入「江川筒」(添え状も展示)は細身。伊豆・韮山の竹で作ったらしい。
(韮山の竹で作ったといえば、利休作の園城寺を思い浮かべるけど、全然違う)

大海茶入「唐大海」に吉州窯の梅花天目、景徳鎮の染付茶碗、高取の鮟鱇茶入「腰蓑」に広口茶入「かるかや」。
朝日焼の灰釉茶碗。
遠州が好み、そして指導して焼かせた、もしくは焼かせたらしい茶入や茶碗。
漠然と織部とは違う江戸初期の寛永文化の香りが感じられた。

松花堂昭乗や遠州による長闇堂像も興味深かった。
遠州は書状も多く遺っているなぁ。

さらに片桐石州と金森宗和へと続く。
利休丸壺がここに展示されていたのだけど、これは石州ゆかり? それとも宗和ゆかり?
宗和は、金森宗和というよりは野々村仁清の茶陶。
色絵忍草文茶碗も色絵唐草文鱗形香合はもうお馴染みのお道具。
亀蒔絵盥形水指は(仁清作としては)ちょっと異色な作品なので、いつも初めて見るような気持にさせられる。

そして、瓢箪が複雑に結ばれた?花入。初めて見る? 人為的にこういう風に巻き付けたのかなぁ。

後半は不昧。
今年は出光でも不昧関係の展覧会観たなぁ。
割高台茶碗(長束割高台)、久しぶりに見た。

朝鮮茶碗は他にも伊羅保茶碗「対馬」に蕎麦色替茶碗(←ラッパの形)

松花堂昭乗の二重切花入「六幽」と不昧公が写した二重切花入「六幽」。S字形がセクシー。

瀬戸の小川手茶入「ふる郷」。好きだなぁ。

存星柚子香合。やはりわかりづらい。

原羊遊斎作の菊蒔絵大棗。不昧公が30個作らせたものの一つ。
他の美術館でも同様に所蔵されているので、よく”兄弟”にはお目にかかる。
だけど、本歌は北村美術館が所蔵しているとのこと。初めて知った。
観たことあったかなぁ。

初代小島漆壺斎作の桐蒔絵茶桶。小さくて控え目だけど、いつ見てもそこがいい。

最後は伊達綱村と溝口直諒という数寄大名の収集品。
だけど、よく知らないから印象にも残らず。

御影に比べると、ゆったりした気分で鑑賞できるのが中之島のよいところ。
次はいつ訪問できるのかなぁ。

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