Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

鳥獣戯画、また観ちゃった~

2021年04月23日 13時56分25秒 | 美術館・博物館etc.

★東京国立博物館 展覧会サイト
特別展『国宝鳥獣戯画のすべて』 ※5月30日(日)まで 事前予約制

鳥獣戯画の存在は歴史の教科書で見て知っていた。
「実際に拝見できるもの」として存在を意識したのは2004年5月に高山寺を訪れた時だったかしら。
(その時は鳥獣戯画をどこが所蔵しているかは考えもしなかったけど)

初めて本物を拝見したのは2007年の暮れ、サントリー美術館の移転記念の展覧会にて。→こちら

その後、修復作業が行われ、それが終わった後の展覧会へも行った。
(最初は2014年に京博で開催されたけど、2時間待ち!ということに畏れをなして行かなかった)

その翌年、つまり2005年の春にトーハクに巡回した時は意を決して行ったよ。→こちら
このときは閉館1時間前に到着し、87分待って鑑賞はたったの3分。(しかも甲巻だけ)
おこぼれの開館延長があって、それから40分待って他の3巻を大急ぎで鑑賞して、
追い立てまくられるにして会場を後にした。
そして87分待ったのに、甲巻は前半部分のみ。
だから、展示替えで後半部分を観に再訪したよ~

2019年の3月にも中之島香雪美術館で観たなぁ。→こちら
もちろん、一部ではあったけど。

なので、こういうご時勢だし、今更~という気がしないではなかったけど、
事前予約だから、混み混みの押し競まんじゅう状態で観ずに済むし~
ということで、行ってきた。

観てよかった!

甲巻のみ設置された「動く歩道」のおかげで、間近で誰にも邪魔されることなく
じっくり鑑賞できた。(もう少し動きが遅ければ尚よかったけど)

やはり、絵巻は右から左へとじっくり流しながら鑑賞するものだなぁと改めて思った。

その面白味を知ってしまったことから、乙巻は動く歩道でもないし、行列は義務でもなかったけど、
並んで待って、端からケースぎりぎりに寄って見た。

思えば、6年前は時間に追われてサクサクと観ただけで、甲巻のインパクトが強くて、
「乙、丙、丁は絵も雑だし、大したことないや」という感想を持ってしまった。

ごめん、乙巻、丙巻、丁巻。
そんなことはない。きみたちもやはり甲巻に負けず劣らず素晴らしかった。

まず、乙巻。
動物の動きが勢いがあって、描写がいい。
目元の表情をじっと観ていて、甲巻との共通性に気づいた。
「あれ、甲巻と同じ人が描いた?」
勝手に「別人だ」と思い込んでいたけど、解説に「同一人物によって描かれたと考えられる」とあり、ものすごく納得した。

ということは甲巻と乙巻の成立時期はとても近いことになる。
時代は平安末期の12世紀。1101~1200年の間に描かれた。
ということは院政期。璋ちゃんや鳥羽ちゃんが生きた時代かぁ。
へぇ~、と感心したり。

丙巻と丁巻は鎌倉時代の作。14世紀くらい。
丙巻の市井の人々による遊びの数々。6年前の修復作業にきれいになった部分。
やはり表情がゆたか。
後半の蛙や猿、兎などに混じって人も繰り広げるおかしな世界は甲巻とは違う楽しさが感じられる。

最後に蛇がにょろっと出てきて、お開き。

ん? ワタシ、ずっと鳥獣戯画のラストは蛇だという印象があったけど、
さっき観た甲巻の末尾に蛇はいなかった。丙巻のラストかぁ。
(ちなみに、実は甲巻の末尾も蛇の登場だったという説があるらしい)

丁巻は流鏑馬の描写が鎌倉時代らしくていい。似せ絵の描写も。

4巻とも、こんなに面白かったなんて!

と、帰宅してから2005年のサントリー美術館の展覧会で購入した図録をまじまじと見直した。A5横版で鳥獣戯画全巻や断簡なども掲載されていて、誠にいい図録。
今回の展覧会図録は拡大しすぎて、逆に見づらい。重いし~と買わなかった。

国宝の鳥獣戯画以外も断簡の展示もあり、後の時代によって描かれた模写の展示もよかった。

狩野探幽の縮図も全体像を把握する上でよかった。

これらの材料を総合して、本当はこうだったんじゃないかと並べ替えた巻物の展示。
複雑で把握がめちゃわかりづらい。

これはそれこそ冊子かなんかで見比べながら、じっくりパズルをするように鑑賞したかった。

最後は明恵上人の世界。これはおまけだな。

最後にグッズを物色。

クリアファイル、面白いのが買えた。
それから、大きめのタオルハンカチと眼鏡やスマホをふきふきするクロスと。
(写真撮ってこなかったから、後で追加しときます)

チケット2,000円の価値あったわ~

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