裏山赤太郎~ゲイでエイズで、でも生きてくよ!~

ゲイとして生きて、50代でエイズを発症したけど、自分らしく生きていくことには変わりないないんだよってブログ。

眠レナイ夜

2015-10-05 14:30:08 | 日記
久しぶりに眠れない夜を過ごし、
夜明けを迎えました。

昨夜は0時頃に布団に入り、
いつものように程なく眠りに落ちました。

ふと目が覚めたのは2時半頃。
それからなぜか、
再び眠りの沼に沈むことはありませんでした。

このところ寒暖の差が大きいためか、
いまひとつ体調がすっきりせず、
ダルくて眠たかったり、
下痢気味だったりと免疫の具合が心配でした。

二日前くらいに下痢は収まり、
ダルさも少し回復したかなぁと思っていたら
今度は眠れない夜を迎えるなんて!
なんて自分の体と脳は勝手なんでしょう。
数日前まで眠くて仕方なかったのに。

まあ、眠れないからといって、
イライラしても仕方ありません。
そのまま横になって、
静かにしてることにしました。

すると頭に浮かんでくるのは、
昨日の午後に都庁横のベンチで見た夕日だったり、
カラカラと舞う落ち葉だったり。
近い記憶から、
浮かんでは消えるのでした。

次に浮かんだのは、
最近気になっている人たち。
私はいつでも誰かに恋をしているのです。
恋といっても様々で、
幾度か会っていて良いなあって思う人もいれば、
遠い昔に想いを寄せた人、
ふと立ち寄ったカフェのお兄さんまで、
密度も様々なのですが。

その次に浮かんだのは、
老いた母の心配そうな顔と声。
ごめんね、いい歳して心配かけて。
早く安心させてあげなきゃ。

そして次に浮かんだのは
ちょうど今の自分の年齢で亡くなった父の顔。
父を思い出す時は、
いつも笑顔しか思い出せないのです。
見守っていてね。
まだまだ頑張るから。

最後に頭に浮かんだのは病室でした。
ちょうど約一年前、
自分はこの病気が判明して、
体も精神もボロボロでした。
入院した部屋は内科病棟の6人部屋。
部屋にはたくさんの点滴や計測器に繋がれた瀕死のお年寄りがいて、
夜中でも頻繁にアラームが鳴っていました。
また他にも、イビキのうるさい人、
昼夜逆転して夜中に何かゴソゴソ食べる人など、
結構騒々しくて眠れませんでした。

それでも自分は仕事のストレスで疲れきった精神と、
病いで衰弱しきった体をただただ休める時間を
カーテンで仕切られた薄暗い闇の中で静かに見つめていました。

もう大丈夫。
きっとよくなるから。
そしてもう一度、生き直そう。
自分らしく、自分を大切に生きよう。

病院のベッドで、
ただそれだけを考えていたのを思い出したのです。

眠レナイ夜。

なぜか初心にかえったように、
清々しい夜明けを迎えた気分でいるのてした。