機材は増える一方だった。もちろんそれなりに利益を頂いていたということになる。
でも、最初はなんにも無かったのだから仕方がないし、いわば「便利屋」カメラマンだから、頼まれた
仕事は断ったことがない。ストロボ関係だけでも4~5百万は使った。ライトバンクを5つ程増やしただけで
70万位になるので、ともかく業務用は利用する人が限らてているので何でこんなにするのかよーと
言うぐらい高いのだ。ストロボの電源も増やした。ある時一気に。業務用ストロボの電源も高いが
そこにつないで発光させるストロボヘッドがこれまたひとつで8万位するのだ。
一気に増やしたのには理由があって、最初に買ったストロボセット+発光部と買い足していくヘッドとで
使用回数が異なるために、発色に微妙な差が生じる為というのがその理由だ。
今のテレビでもロケ番組などで見かける照明さんがもつ照明に青いLEEフィルターをかけているが、
これは、タングステンライトをディライトに変換する為の色温度調整フィルターなのだ。
色の偏りとして現れるのは0.25(フィルターの補正の目安)に行くか行かないか程度ではあるが、
最初の3灯と追加した3灯さらに追加した8灯は、ポジではなるべく混在しない事が必要だった。
また、ディフューズした光と、グリッドを通した生のヘッドの発光が混在する時は、生の光のほうが
色温度が高くなるので、こういうときはLEEのフィルターをかけたりと色々していた。
写真の事に興味が無い人は何がなんだか分からないと思うが、それでいいのである。
こんなのは枝葉といえば枝葉のことだから。
20代の前半でこれだけ買いまくった馬鹿はそうそういないと思う。ストロボメーカーの所長とも当然
仲良くなり(それはそうだろうねぇ)担当者もいろいろと無理を聞いてくれて長い付き合いになったし
型物の撮影の時期には予備の電源を2つ永遠貸出しにしてくれた。
こういう人達の中で「先生」と私を呼ぶ人がいたが、私はそれが一番嫌いでそういう業者は出入り禁止
にした。ただ、或る時このストロボメーカーの担当者がぼそっといった「ここに来るのが楽しみなんです
沢山のスタジオを担当しているけれど、いつも本当にいろいろと努力しているから・・・。」という言葉は
とても嬉しく感じた。ニコンのレンズ20mmから600mmまで全てF値が明るいレンズを揃えたのも
この頃だし(ってどの頃だよー)富士のGXー680を一気買いしたのもこの頃だと思う。
つまらないね でも続くのさ