極限まで鍛えあげた両力士がまともにぶつかると、その衝撃は2トン以上にも達するという。桟敷席まで届くガツン、という大きな音。迫力ある立ち合いは見る者を引きつける大相撲の華と言える。
すっかり桜は散り、新緑の葉が茂る季節になっても、白鵬のあの相撲が頭から離れない。勝てば優勝、の春場所千秋楽結びの一番。左にひらりと変わった注文相撲で日馬富士との横綱対決を制した。
「金を返せ」「それでうれしいのか」。痛切なヤジを浴びせた浪速の相撲ファンの多くが表彰式を見ずに次々と会場を後にした。お客さんがなぜ怒ったのか、今一度かみしめてほしい。
たびたび議論となる立ち合い変化の是非。ルール違反ではない。しかし、変化せず、あえて真っ向からぶつかり合うところに横綱の高い精神性が映し出される。
白鵬は手っ取り早く勝ちたかったのだろうか。最高位に立つ者は他の力士の手本になる。地位によって求められる相撲は当然違ってくる。横綱とは古来から日本人が武士道の中に求めてきた高潔さを土俵上で示す表現者でなければいけない。
勝ち負けだけにこだわるようになると、その場所のチャンピオンを決めるだけのスポーツになってしまうではないか。
世を騒がせているタックスヘイブン(租税回避地)。何か相撲と通じるものがある。一国の首脳が納税を免れる策を講じるようになれば、国家の根幹は崩れてしまう。法とモラルのはざまで、その人間の生きざまが問われている。
白鵬の心のうちには葛藤があるのだろう。優勝インタビューでは涙を浮かべ「ああいう変化で決まるとは思わなかったので、本当に申し訳ないと思います」などと釈明していたが、あまり多くを語ってほしくない。言いたいことをぐっとこらえたときに男は成長する。
白鵬が敬愛する双葉山(元横綱)。何とかして倒そうと、相手が最初の仕切りから突っ込んできた奇襲を堂々と受け止め、何事もなかったかのようにねじ伏せた。
制限時間いっぱいで向かって来る相手に対して「そんな構えじゃ力を十分に出せないだろう。もう一度仕切り直してこいよ」という意味の待ったをしたとも言われている。
前人未到の69連勝を成し遂げ「相撲の神様」と称された双葉山から引退後に「実は右目が見えなかったんです」と打ち明けられた当時の理事長は言葉を失い、ただただ手を握り締めて号泣したという。
すっかり桜は散り、新緑の葉が茂る季節になっても、白鵬のあの相撲が頭から離れない。勝てば優勝、の春場所千秋楽結びの一番。左にひらりと変わった注文相撲で日馬富士との横綱対決を制した。
「金を返せ」「それでうれしいのか」。痛切なヤジを浴びせた浪速の相撲ファンの多くが表彰式を見ずに次々と会場を後にした。お客さんがなぜ怒ったのか、今一度かみしめてほしい。
たびたび議論となる立ち合い変化の是非。ルール違反ではない。しかし、変化せず、あえて真っ向からぶつかり合うところに横綱の高い精神性が映し出される。
白鵬は手っ取り早く勝ちたかったのだろうか。最高位に立つ者は他の力士の手本になる。地位によって求められる相撲は当然違ってくる。横綱とは古来から日本人が武士道の中に求めてきた高潔さを土俵上で示す表現者でなければいけない。
勝ち負けだけにこだわるようになると、その場所のチャンピオンを決めるだけのスポーツになってしまうではないか。
世を騒がせているタックスヘイブン(租税回避地)。何か相撲と通じるものがある。一国の首脳が納税を免れる策を講じるようになれば、国家の根幹は崩れてしまう。法とモラルのはざまで、その人間の生きざまが問われている。
白鵬の心のうちには葛藤があるのだろう。優勝インタビューでは涙を浮かべ「ああいう変化で決まるとは思わなかったので、本当に申し訳ないと思います」などと釈明していたが、あまり多くを語ってほしくない。言いたいことをぐっとこらえたときに男は成長する。
白鵬が敬愛する双葉山(元横綱)。何とかして倒そうと、相手が最初の仕切りから突っ込んできた奇襲を堂々と受け止め、何事もなかったかのようにねじ伏せた。
制限時間いっぱいで向かって来る相手に対して「そんな構えじゃ力を十分に出せないだろう。もう一度仕切り直してこいよ」という意味の待ったをしたとも言われている。
前人未到の69連勝を成し遂げ「相撲の神様」と称された双葉山から引退後に「実は右目が見えなかったんです」と打ち明けられた当時の理事長は言葉を失い、ただただ手を握り締めて号泣したという。