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アガサとお茶を

ウィンザー城の近くにあるちっちゃな村から、イギリスの何気ない毎日をお届けします。

外国で死ぬということ

2011年07月23日 | ちょっとシリアスな話
今日はかなりシリアスなお話を。。。

数年前のことですが、仲の良かった友達が不慮の事故で亡くなりました。
その数日前に電話で話したばかりで来週あたり新しくできた彼を紹介するねーと嬉しそうにはしゃいでいた彼女。。。

知らせを受けて病院に駆けつけた時にはもう既に施す術はなく、日本からいらっしゃるご家族の到着を待つ間人工救命装置に繋がれている状態でした。
こちらで出会い彼女との付き合いは10年ほどでしたが、もちろんご家族の方との面識はありません。
悲しみに打ちひしがれたご家族を前に病院や航空会社との間に入って事務的な手続きの確認をしなけれればならなかったのですが、娘さんの死を目の当たりにした直後に、会ったこともない他人から聞かれる数々の質問に答えなくてはならないご家族の心痛を思うと、本当にいたたまれなかったです。

手続きの中にはもちろん非常にデリケートな問題も含まれます。
葬儀は現地で済ませるのか。火葬にするのか、土葬にするのか。病院からの臓器移植 に対するリクエストを承諾するかどうか。。。
次々と聞きにくい質問を尋ねながら、私自身に同じことが起こったらどうするのだろうと頭の片隅で考えずにはいられませんでした。

今でも頭の中から消えない一場面があります。航空会社から、娘さんのご遺体はキャビン内では預れないため、貨物と同じ場所に保管されますというメッセージを受け取ったときのご家族の反応。キャビン中の席を買い占めるから、どうか娘をキャビン内に乗せてくれと泣きながら懇願するお父様の姿を思い出すと今でも目頭が熱くなります。。。

外国で暮らしていくということは、こんなリスクも背負うことになるのだと痛感しました。
もし私に何か起きたら日本語を話せないダンナさんはどうやって私の家族に連絡をするのでしょう。。。
その日早速家に帰ると同時に、ダンナさんが連絡できる人たちの一覧を作り、数名にはメールを出して状況を伝え、それでもまだ足りずに、既にベッドに入っていたダンナさんをたたき起して、細部に渡るインストラクションを伝えた私なのでした。。。

ハーグ条約

2011年06月05日 | ちょっとシリアスな話
今日はちょっとシリアスなお話。

ご存知の方も多いかと思いますが、東北大震災が起こるちょっと前、アメリカのABC放送で国際結婚をした日本人女性が一方的に子供を日本に連れ帰るケースが報道されました。

スタジオには妻と子どもに取り残されたアメリカ人男性が椅子を並べ、女性レポーターからの質問に悲壮感あふれる顔で答えます。中には涙を流していらっしゃる方も。。。(You tubeで英語バージョンが見られます。→ http://www.youtube.com/watch?v=kaIY3KT6MtQ)

子どもと引き離された彼らの辛さを否定するつもりはありません。でも、ABCニュースのあまりにも一方的な報道に憤慨を感じずにはいられませんでした。
子供を連れ帰った日本人女性を誘拐犯扱いし、リポーターのAbbie Boudreau(←呼び捨てしちゃいますよ、怒ってるからね)は日本に行ってFBIの指名手配リストを配り出す始末。。。Jurisdiction(司法権)を知っているはずなのに、まったくもって茶番です。

連日オンエアされたリポートは主に取り残された父親たちのみにフォーカスが当てられ、日本人女性たちがなぜそうせざるを得なかったのか、経緯や理由は全く無視でした。私も何人か似たような状況を経験した友人を知っていますが、そこにはいつも家庭内暴力や、経済自立をしない父親の無責任さなどが介在しています。そういった背景を無視した、故意に反日感情を煽るような報道の仕方には心底怒りを感じました。

反対に、あまりにも無責任に聞こえてしまう日本人女性のインタビューに『この人、大丈夫かな。。。』と心配してしまう場面も。。。
拙い英語で、自分の子どものパスポートを偽名で申請して取得したと公言しちゃう母親。彼女自身もアメリカの裁判所からの命令を無視して日本に帰国したそうです。ホントに、大丈夫なんかいね、この人。。。

パートナーの同意なしに勝手に子どもを連れ帰ってしまい、それが誘拐と見なされて逮捕状が出ている場合などにも、今までは日本がこの国際的取り決めに加盟していないという理由で治外法権のような形になり、日本にいる分には逮捕される心配もなかったようですが、近々日本もこの条約に加盟する模様。。。その場合、このお母さんのような人はどうなるんだろう、、、と心配になってしまいます。

私だって他人事じゃありません。もしうちのダンナさんとの結婚生活が破綻して、子どもの親権を争うようなことになったら、どうするんだろう。。。
あまり考えたくないトピックですが、こんな報道を見た後では無視できません。女性の母国で暮らしているカップルよりも、男性の母国で暮らしいているカップルのほうが離婚率が高いと聞いたことがありますが、なんか、感覚的に納得、、、です。

自分の気持ちをうまく伝えるだけの言語力がなく、それだけでもストレスなのに、そんな自分の状況を理解してくれないパートナーにイライラしたり、パートナーのヘルプがないとちょっとした事さえ出来ない自分自身にまたイライラしたり。。。相手への依存度が高いと、それが原因で関係が悪くなっちゃう場合があるんですよね。。。私にも覚えがあります。

そんな状況に陥るのを防ぐためには、いざというときに自分を支えられるだけの自立心を持つこと、でしょうか。そしてやはりいざという時には自力で事態を切り抜けられる語学力を身につけること。
でも、、、自分で書いていて耳に痛い言葉です。。。
『こんなに長くて難しい書類、読むの面倒~。ねえ、ねえ、代わりに読んであとで教えて~』なんて、ダンナさんに甘えてる場合じゃないですね。。。

みなさん、お互いに頑張りましょう!