ブラジャーだけで下半身は何も着けていない莉莎子が
立ったままピザにかぶりついていた。
セクシーというか、かなりエッチな構図だ。
このころの彼女の立ち振る舞いは全く遠慮がなくなっていた。
彼女が休みのこの日、昼間から新宿のラブホテルに入り、
キスをし服を脱がせたものの、会社から借りた携帯が鳴った。
仕方なく、電話に出ていると、彼女は「お腹がすいた」と
ベッドからおり、私が新宿の伊勢丹で買ってきたピザにかぶりついたのだ。
1999年9月、2年強の福岡の単身赴任生活から戻って初のデート。
ルーブルで出会ってあっという間の3年だった。
電話が終わり、彼女に近づいていった。
お茶を口に含むと、口移しで彼女に飲ませた。
どこかで気分を盛り上げなければならないと思っていた。
彼女がゴクリと飲み込むのを見計らって
再び唇を合わせる、
というより大きく開いた口を舌でかき回した。
今食べたばかりのピザの味がする。
彼女の手を取ると、ベッドへと誘った。
小粒な乳首を軽くかむ。
ただ、彼女の乳首の感度はそれほどでもなく、
感じるのは首筋、とその周囲。
愛撫はどうしても、顔の周囲が中心となる。
ヴァギナに指を入れると、しっかり潤っている。
正常位でペニスは何の障害もなく、吸い込まれていった。
3月の出張帰りの新宿ラブホお泊まりデートに加え、
その後は出張が増え、ほぼ月1回のペースで会っていた。
6月にも、莉莎子は1泊2日で福岡にやってきた。
そのころには、9月1日付で東京本社異動が早々と決まった。
そして9月、東京に戻り着いてしばらくして、彼女に会った。
待ち合わせは新宿伊勢丹の前。夕食は今回も伊勢丹のイタリアンだった。
ラブホデートを重ねたことで、セックスの回数もすでに10回ほどになっており、
この日のセックスも「普段通り」という雰囲気だった。
前世紀のこの頃、連絡方法はまだ昭和だった。彼女は携帯電話は持っておらず、
こちらも必要に応じて会社の携帯を借りるだけのことだった。
彼女はパソコンも持っていないのメールの連絡もできない。
だから連絡はいわゆる家電(いえでん)。
といっても自宅や会社からかけるわけにもいかないので、
夜、公衆電話で彼女の自宅に電話していた。
彼女は高円寺のアパートで一人暮らしだった。
それは連絡を取るのにまったくの好都合。実家暮らしならそうもいかない。
そして、彼女のことを徐々に知り始めた。
酒も飲めず、木曜と日曜が休みというやや変則な生活。
最近になってピアノを習い始めたというのだ。
子どもの時はまったく経験がなく、大人になった今、
習い始めたという話を聞き、ちょっと驚き、というより少しひいた。
子どものように発表会があるという話を聞いたとき、
大人がどういう顔してみんなの前でピアノをひくのかと思った。
歯科技工士という手先の器用さを利用して、
当時流行していたティファニーのオープンハートぐらいなら
平気で作ってしまうような女だった。
それも、金歯をつくったときの金の残りを集めて。