鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

with・EVE-イヴ-「第八話」

2021-05-31 12:02:00 | オリジナル作品
云うだけの事はある。
リリスは私とゼロに格闘技を仕掛けながら、バクテリオ・マジックを繰り出す。
だが、此方も負けてはいない。
ワンとツーによるコンビネーションアタック、私とゼロによるコンビネーションアタックのフォーメーション。
上下左右、斜めと幾つものパターンを組み合わせた。
僅か五分くらいの戦闘で一ヶ月くらいの景色に早変わりした。
ボロボロの建物、所々、大地がむき出しで、抉れた舗装の地面。
勿論、結界の外からは観る事は出来ない。

「……これ、結界が解けた時、人間はどう思うんだ?」と頭に過るほどだった。
今は、それを考えても仕方ない。
リリスを倒さなければ、いや、倒せなければ到底、サマエルなど倒せやしない。
闘いに集中した。

が、しかしリリスの反撃は凄まじいものがあった。
此方の動きと何処へ回避すれば良いのかを読み取られていた。
リリスの繰り出すバクテリオ・マジックが炸裂する。
何時しか私たちは避ける、後退するを余儀なくされていた。



「バイオプロテクト・フィールド!!」

ゼロはバイオプロテクト・フィールドを唱え、リリスから繰り出されるバクテリオ・マジックを防いだ。

「おお。ヤツのバクテリオ・マジックが中和されてる!」はしゃぐようにツーが云った。

「バイオプロテクト・フィールドを展開したわ。」
「これで一定時間、リリスのすべての攻撃は防げるわ。」

「流石はゼロ。やる~。」

「但し、此方もバクテリオ・マジックは使えない!」
「フィールドから出ない限り、使えないのよ。」

「……真面か。」

「何時まで耐えれる?」

「地球時間にして30分かな!?」

「かな!?」
私はゼロに聞き直した。

「そうよ。相手の繰り出すバクテリオ・マジックの量によって異なるかるからね。
「今のところ、リリスのバクテリオ・マジック程度でなら、30分と云ったところよ。」

「……なるほど。」

そんな会話の中、雨、霰(あられ)と繰り出されたリリスのバクテリオ・マジックが止んだ。
 

バクテリオ・マジック
バクテリオ・マジックはフィールド場、全ての空間に漂うバクテリア(菌)の集合体である。
異なるバクテリア(菌)は普段は、互いに干渉しあわない。
それは"生存"を互いに邪魔しない為である。
確かに複数のバクテリア(菌)を保有する生物は存在するが、各々(それぞれ)のバクテリア(菌は)互いを干渉しない。
それは例えヒトや動物、植物にとって害あるもの同士でも、基本的に"種の保存"が優先されるからである。
バクテリオ・マジックは、これらを逆手に取り、異なるバクテリアを一時的に集約、収束させ、反発が生まれる瞬間のエネルギーが最大値に足した時、反発するように飛び出し、標的(物)に付着、原子レベルで破壊する。
この時、複数の微粒子電解質が発光する為、光弾のように見える。
また、バイオプロテクト・フィールドはこれらを応用した中和やワクチン効果の存在する空間。
自身又は自身がカバー出来る範囲に一時的に中和させる効果を産みだす抗生物質原子や抗体原子を増殖、蔓延させる"感染力"が強いウイルスで出来ているフィールドである。
がしかし、デメリットとして、フィールド内からもバクテリオ・マジックを使用出来ない。


「みんな!ヤツをリリスを倒すにはバラバラに闘っていたのでは駄目かもって事で、一つ閃(ひらめ)いた事があるわ。」
「おそらく、デス・シャドウやサマエル戦でも効果が、あると思う作戦をね。」
ゼロはこう告げて来た。

「どんな作戦?」
いち早くワンが尋ねた。

「幸い、バイオプロテクト・フィールドを張り巡らせた事で、リリスはバクテリオ・マジックを控えたわ。」
「リリスも精神力と体力が消耗している証拠ね。」
「私たちは、ゆっくりとこのまま間合いを詰めるの。」
「ワンとツーはレールガンを連射出来るようにチャージして。」
「イヴ。イヴは私たちが間合いを詰める速さで、後退しながらシャトルに行って。」
「私が合図するまで貴女のドローンで待機して。」
「待機しながらレールガンの出力を最大でチャージ、私の合図でヤツをリリスを狙撃して。」
「ワンは私の合図で縦方向に乱射、ツーは左右には乱射、弾幕を張って。」
「私はサポートするから。」

「なるほど!」
「イブの狙撃でリリスを倒すわけね!」ツーは目を輝かせて云った。

「そうよ。」

「て云う事で、5秒後に開始よ!」

「5.4.3.2.1.今ッ!!」

私はゼロの発案通りに、ゆっくりと後退、シャトルに近づき、ドローンで待機した。
間合いは詰まるが、リリスは不適に笑みを浮かべるだけだった。



「間合いを詰めて、至近距離からバクテリオ・マジックを繰り出すつもりか。」
「笑止!」

「こうやってる間にアタシは精神力も攻撃力も回復しているのだよ。」

「フッハッハッハッ!」

「貴様らがフィールドを解除したその瞬間、THE.END。」
「公開交尾の刑だよ。」

「フッハッハッハッ!」



「フィールド解除ッ!!」
「ワン、ツー今よ!!」

「イブ、聞こえて?」

「感度OKよ!」

「チャージ出来てる?」

「何時でOKよ!!」

ワンとツーによるレールガンの乱射が始まった。
同時にリリスもまた、バクテリオ・マジックを乱発、巧みにレールガンの光弾を交わしながらゼロたちに光弾攻撃を仕掛けていた。

爆炎と土ぼこり、飛び散る建物の破片が狂乱したかのように、辺り一面に舞い上がった。
ゼロの読みは当たり、目眩まし状態の正に幕が張られた。

「イブ!ヤツをリリスを捉えてるわね!?」

「バッチリよ!」

「今がチャンス!!」

私は何の躊躇いもなく、最大値までチャージされたレールガンのトリガーを引いた。

一筋の閃光と断末魔の叫びがクロスする。
ゼロの描(えが)いた通りに勝利したかに誰しもが、思った。

だが・・・

私たちの頭上に直径1メートルほどのエアトンネルが、数キロに渡り形成された。

「悪いがリリスは還して貰う。

同時に響き渡る機械混じりの声。

光が差し込み、辺りが通常の景色を取り戻した。
そんな中、全身を黒い甲冑で固めた人型生命体が現れた。



【四天王:暗黒騎士デス・シャドウ】

「………。」
「お前はデス・シャドウ!」ゼロは驚いた顔を覗かせながら口を開いた・・・


第九話へ
つづく。

この物語りは架空のフィクションです。
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
挿し絵的画像はイメージです。

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