鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

機動戦士ガンダム外伝◇傀儡たちの青い薔薇◇第十四話

2021-02-11 21:54:00 | 機動戦士ガンダム外伝




「艦長。あと一時間で、作戦開始宙域に到達します。」

「うむ。」
「通信オペレーター。全艦に通達!」
「第一種戦闘配置!」
「モビルスーツパイロットは発艦準備!」
「各部、索敵を厳とせよ!」

「了解!」

グラーフ・ツッペリンをはじめガランシュール級二隻も、慌ただしく動きはじめる。


一方、ヴァルキュリーもまた、連邦軍グラーフ・ツッペリン艦隊をキャッチ、第一種戦闘配置へシフトした。
ワタシも出撃に備え、あの特殊パイロットスーツに着替えた。
まだ、コックピットに乗ってもいないのに「ワクワク」が溢れて来る。
アドレナリンが刺激されているのか興奮する感覚が早い。
ユシキが頭に想い浮かぶと同時に「ドクン。」と身体に電気のようなものが走った。
機体のチェックがはじまった。
ワタシ、自分でもユシキに包まれてから急激に二つのワタシが、交差してると感じていた。


それがティターンズに居た頃に受けた強化実験時の薬の副作用なのか?
はたまた違う何かの副作用なのか?
解らない。
でも、この特殊パイロットスーツに身を包むと身体は疼き「ワクワク感」は増してゆく・・・
もう一人のワタシ、モロフォも何処か「ワクワク」している様子を伺わせていた。

「ロゼズ。今日も「ワクワク」だね。」
「ニカッ。」と笑顔を覗かせた。
ワタシも笑顔を返した。

「総帥。敵戦力が判明!」
「此方がデブリに紛れ込ませた監視衛星が捉えた15分前の映像です!」
「ラーカイラム級戦艦:1/ガランシュール級:2!」
「ラーカイラム級とガランシュール級が確認出来る事から、今回はモビルスーツも複数、存在すると思われます!」

「うむ。」
「私のクシャトリアも、何時でも出撃出来るようにしておいてくれ。」

「了解。」


20分くらいして、ワタシとモロフォはガンダム・ブルーローズに搭乗し、待機した。
あとは牽引ワイヤーが外されるのを待つのみと成った。
それから三分も経たずして、アラームがけたたましく鳴り響いた。
だが、ブルーローズはまだ牽引されたままだった。
同時に艦砲射撃が開始された。
ワタシのゴーグルにリアルタイムで映し出される映像。
鮮やかな蛍光ブルーや蛍光ピンクの光、時折観せる大輪の光。
僅かな揺れ、爆発音の中、ワタシは出撃を待った。
ブルーローズが小刻みに揺れた時だった、漸く牽引ワイヤーが外され、ブリッジから出撃命令が出された。
ワタシはゆっくりとコロニーの真下に移動した。
艦砲射撃が一瞬、止んだ。

「来る!」
同時に艦砲射撃が再び開始された。
真下から複数の小さな光の点が見え隠れしながら、近づいて来るのが解った。

「モロフォ。行くよ。」

「うん。」

「ゆけっ!ワタシのファンネルたち!」
勢いよく6基のファンネルたちが射出され、ワタシの思い描いた通りに舞った。

「先ずはお前からだ!」
「墜ちろッ!」



最初にロゼズの犠牲に成ったのは、ガランシュール二番隊機のモビルスーツ:リゼルだった。

「……なっ!何ッ!?」
「二番機がやられた!」

「奴らヴァルキュリーは、下から攻める事を予測してやがッたのか……。」

「でも、アカギ大尉。何処から?」

「機体はまだ確認出来ていないが、12秒前の画像解析から、ファンネルと思われるものが捉えられている!」

「くっ!」
いきなりニュータイプのお出ましかッ!!」

「みんな固まるな!散らばれ!」

「遅いわねッ!」アカギ大尉が指示を飛ばすと同時にアカギ大尉のリゼルの眼前には、ブルーローズが現れていた。
有無を云わせる暇も無く、アカギ機はブルーローズのビームサーベルの餌食に散った。
アカギ機の胸部から悲鳴と火花が確認されたところで、ブルーローズは離脱した。

「……た、隊長……。」

「哀しむ暇は無いぞ!」
「幸い、真下は奴、一機だけだ!」アカギ機の爆沈を目の当たりにしたマルガリータが告げた。

「何とか格闘戦に持ち込めれば……。」
「上は上で大荒れだな。」


「旧式のポンコツと思ってなめんなよ!」
「ラス少尉!コムサイを射出、Iフィールドを展開させよ!

「了解!」

「中身も旧式だと思うなよ。」
「各駆動部にはマグネット・コーティングを施し、コムサイにはIフィールドユニットを装備してあるんだよ。」
「レーダーもセンサーも最新式だ。」

「沈むのはお前らだ!連邦のクズどもッ!」
「メガ粒子砲、連射開始ッ!!」

こうして戦端が開かれ、有利と思われた連邦軍ヴァルキュリー討伐隊は、思わぬ苦戦を強いられていた。
そんな中、一番隊母艦ガランシュール級が沈む一報が、マルガリータ少佐の耳に入った。

「……何だって!一番隊の母艦が沈んだたと……。」
「解った。」

「全モビルスーツ隊へ!!」
「私に続けッ!!」
「ミラー一枚だけでも破壊してやる!」

ビームライフルを乱射し、弾幕を張り、一番手前のミラーを目指したマルガリータ少佐率いるモビルスーツ隊。
ミラーを貫き、破片は乱舞した。
four・roses隊三番機が犠牲に成った。
乱舞する破片を避け、爆沈する量産型シナンジュ三番機を横目に駆け抜けるマルガリータ少佐率いるモビルスーツ隊。
一番隊の母艦が沈んだ事で、作戦の立て直しを余儀ぎくされたマルガリータは一度、戦闘宙域から撤退を決めた。


第十五話へ
つづく。

この物語りは【機動戦士ガンダム】の外伝です。
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

機動戦士ガンダム外伝◇傀儡たちの青い薔薇◇第十三話

2021-02-11 01:47:00 | 機動戦士ガンダム外伝

◆ラー・カイラム級グラーフ・ツッペリン:戦闘ブリッジ・ブリーフィングルーム

艦長マルガリータ・不知火は作戦通達の為、各艦長とパイロットキャプテン(編隊長)を呼び、通達した。
この時代ならオンライン通信なのが通常なのだが、相手とするヴァルキュリーの使用している機体が、全てアナハイム社で再開発され、"横流し"されたのではとの思いから、わざわざ旗艦のブリーフィングルームに呼集したのだ。
アナハイム社側は奪取されたとしているが、確かにブルーローズと名付けられたノイエ・ジールⅡ改良型ガンダムと訓練艦ムサイ級ジャンヌダルクは奪取されたのだが、量産型シナンジュ4機とニュータイプ専用機クシャトリア、キュベレイの3機、開発機であるフルオート・セイバーフィッシュ2機、そして旗艦とするレウルーラ級戦艦、これだけを意図も簡単に奪取されたは、首をかしげざる得ない。
それと、艦長であるが、エースパイロットでもあるマルガリータの機体ガンダム・スパイダーの実戦データ収集の為に乗艦しているアナハイム社員がスパイとも限らない事から、敢えてブリーフィングによる通達を選んだのだ。

量産型シナンジュもガンダム・スパイダーもどちらもサイコ・フレームを採用している機体だが、両機ともインコムユニットシステムを採用している。
ガンダム・スパイダーに関しては、ν(ニュー)ガンダムの量産型というコンセプトとのもと、開発された機体でファンネルユニットシステムと選択が可能に成っている。
ガンダムの量産型は試作機の一機のみが完成していたが、量産化は見送られていた。
しかし、アナハイム社ではシナンジュの量産化に伴い、量産型νガンダムの再量産化を極秘に進めていた。
極秘とはいえ、連邦軍は黙認していたに過ぎない。
今回、マルガリータ少佐に貸与された量産型νガンダムは、その初期ロットの中の一機である。
また、スパイダーの名はインコムユニットシステムによる有線式オールレンジ攻撃が蜘蛛の糸に似ている事からマルガリータが名付けた。

「此方の戦力は現在、私のガンダム・スパイダーを入れて、リゼル15機のモビルスーツが計16機、旗艦グラーフ・ツッペリンそしてガランシュール級2隻。」
「数では此方が上だが、生憎、ニュータイプは居ない。」
「が、しかし、エースパイロットが私を含め4人も居る。」
「また、戦艦の火力は此方が上だ。」
「そこで、奴らヴァルキュリーが利用している太陽を味方に付ける。

「太陽をって?」ガランシュール一番隊隊長ヒストア・ホズミが質問した。

「太陽の光をバックに攻撃を仕掛ける。」
「奴らヴァルキュリーが使用しているソーラーレーザーに必要なミラーパネルは元々、コロニーのミラーだ。この大型ミラーが攻撃目標の第一段だ。」
「太陽を背に艦砲射撃を行い、ミラーを破壊する。」
「我々、モビルスーツ隊は艦砲射撃前に発艦、艦隊とは別ルートから侵攻する。」
「即ち、真下からだ。」
「艦砲射撃にて、ヴァルキュリーの攻撃を引き付け、機動力のあるモビルスーツ隊で真下から奇襲を仕掛ける。」
「地球から上がって来る援軍が来る前に仕留める。」

「ニュータイプも居るんだよな!?」
「トントン拍子に行くか?」今度は二番隊隊長アカギ・マコトが口を開いた。

「アカギ大尉。エースの名が泣くよ。」
「何のための可変モビルスーツなの?」
「押して駄目なら退いてみな。次が見えてくるから。」諭すようにマルガリータは云った。

「力押しだけじゃ勝てないって事よ。援軍が来れば、数でも上回るわ。

「ま、まぁな。」苦笑いを覗かせるアカギ。

「て、事で、アナハイム社の社員には好きなだけデータを取らせるが、動きが怪しければ拘束する。」

「目標宙域まであと二時間。各個に休息を取らせ、作戦に備えよ。」
「以上。質問は?」

「無いようだから、解散。」

「ブリッジ。私だ、マルガリータだ。」
「副長。あと少し、ブリッジを頼む。私はスパイダーの調整をするから。」

「了解。」


【量産型ν(ニュー)ガンダム:ガンダム・スパイダー(マルガリータ・不知火搭乗機)】

「さて、この子(スパイダー)をちょっと弄っておくかね。」
「時間が足らなくて試作品だけど、これを組み込んでと。」
マルガリータは元カレに造って貰った回路システムをインコムユニットシステムに仕込んだ。
本人曰く対ニュータイプ用に開発、試作したシステム回路で、元はジオン軍モビルアーマー:ヴァル・ヴァロに採用されたプラズマリーダーを改良したシステム回路だ。
パイロット時代から自分には無いサイコウェーブを人工的に造り出す事は出来ないかと、模索しながら何度も、試作を繰り返していた。
そんなある日、サイコ・フレームの素材を知り、何とか利用出来ないものかと当時、恋仲だったアナハイム社の研究者に依頼、研究者はジオン兵器の解析をしていた事からプラズマリーダーに応用する事を思いつき開発、サイコ・フレームの素材を利用し、プラズマリーダーユニットに、この回路を組み込んで完成させた。
サイコ・ドロイドの要領でA.Iチップに人工的に偽サイコ・ウェーブを発生させ、プラズマ波を形成、捕らえた目標に逆流させる。
「サイコ・プラズマウェーブ・リーダー」試作的に完成させた。
マルガリータは、このA.Iチップ回路を組み込んだのだ。

「これでよし。」
「あとは実戦で成功する事を祈るしかない。」


ガンダム・スパイダー(量産型νガンダム)

スペック 量産型モビルスーツ 型式番号RX-94

頭頂高21.2m 本体重量25.6t 全備重量58.0t(インコムバックパック装備時)64.5t(フィン・ファンネル装備時)

主動力熱核融合炉 ジェネレーター出力2,500kw スラスター総推力87,000kg 装甲材質ガンダリウム合金 センサー有効半径19,400m

開発組織アナハイム・エレクトロニクス社所属地球連邦軍

パイロット:マルガリータ・不知火少佐


ラー・カイラム級 グラーフ・ツッペリン

所属地球連邦軍 ヴァルキュリー討伐隊旗艦

全長487m 全幅165m

武装 連装メガ粒子砲×5(前方3基、後方2基  UC.0096年時点) 艦首ミサイル発射管×6 艦尾ミサイルランチャー×1 対空機銃×22

乗員390名(最大640名)

艦長:マルガリータ・不知火少佐

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つづく。

この物語りは【機動戦士ガンダム】の外伝です。
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。