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ACID JAZZ FREAK

一時のブームとして流されがちなアシッドジャズ。その作品群を取り上げ、思うところを書いていく、時代に逆行したブログです

Modern Day Jazz Stories / COURTNEY PINE

2010年11月11日 | INSTRUMENTAL

アシッドジャズのギターを代表するのが Ronny Jordan だとするなら、サックスの代表格は Courtney Pine だ。

『Modern day jazz stories』は1996年の作品。この作品の前にもいくつかアルバムをリリースしており、スタイルとしては
ドラム・ベース・キーボード等をプログラミングした無機質なトラックの上に、自身のサックスを乗せてインプロビゼーションを展開する。
ターンテーブルやサンプリングなども他の生楽器と同等に扱い、HIP HOP、Techno的なテクスチャーを持たせている。
いわゆる伝統的なジャズとは異なるアプローチをし続けてきた。

そんな彼が、『私の考えるジャズ』
(←本作に一時つけられていた邦題……ひどいなこのセンス)を提示したのが、
この『Modern day jazz stories』なのである。



ジャケットデザイン違い。曲目は同じ。右下にTalkin' Loudレーベルのロゴが入っている



アシッドジャズはUKで起こったムーブメントであり、彼はUKのミュージシャン。
この作品では、かなり伝統的なジャズを意識しているように思える。

彼の活動は、ジャズミュージシャンとして決してイロモノ、キワモノでは無かった。
それはこの作品のクレジットが証明している。

まずベースに Charnette Moffett。
ジャズファンなら知らぬ者はない、オーネット・コールマンのバンドでドラムを叩いていた父Charles Mofett の息子だ。
このアルバムでもウッドベースを縦横無尽に弾いている。

そしてピアノ/オルガンに Geri Allen。トランペットは Eddie Henderson。ギターは Mark Whitfield。
これだけでも凄いのに、極めつけはヴォーカル、Cassandra Wilson!

彼がジャズミュージシャンとして認められていることの証左と言えよう。
ちなみに、彼は前述の GURU のプロジェクト『JAZZMATAZZ』にも参加している。


ジャマイカに自身のルーツを持ち、レゲエの影響も濃い。
それをわかり易く提示しているのはこの作品だ↓



こちらは1992年のリリース。

全体的にインテリっぽいインストレゲエ、というイメージ。夏にぴったりな作品。

聴きものはラストのボーナストラック、# Courtney Blows だ。
ライブ録音なのだが、ループされるプログラミング音源をバックにひたすらブロウしまくる演奏が、実にカッコいい!

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the Antidote / RONNY JORDAN

2010年11月08日 | INSTRUMENTAL

アシッドジャズのギタリストと言えば、この Ronny Jordan である。
名前は知らなくとも、#5 So What!? を聴けば、「ああこれか!」とわかる人も多いはずだ。

アシッドジャズがブームだった頃の特徴として、インストゥルメンタルの曲が多かったことが挙げられる。
さきの記事で紹介した JAMIROQUAI や T.B.N.H. のような普段はヴォーカルものがメインのバンドでも、
必ず1、2曲はインストゥルメンタルを演奏していたし、またどちらかというとインストゥルメンタルを
主に演奏するバンドもあった(JTQ など)。

Ronny Jordan は、そうしたムーブメントの中で出てきたギタリストだ。
当然、インストゥルメンタルをメインにした作品をリリースしてきた。

そのサウンドはやはりジャズをベースにもつものだと感じる。
音作りは Wes Montgomery や Grant Green の影響を思わせるし、フレージングもジャズらしい、バップテイストに溢れたものだ。


さて、冒頭で挙げた楽曲のオリジナルは、Miles Davis の演奏で有名な『So What』である。
オリジナルではウッドベースで奏でられる印象的なベースラインを、ギターで弾いている。

HIP HOP風のトラックをバックに、比較的速いテンポでテーマを流したあと、4ビートに切り替わりピアノソロ。
続いてギターソロが紡がれてゆくのだが、この疾走感がたまらない。
ジャズの、4ビートの素晴らしさをここに凝縮したような感じだ。

とはいえ、いかにもジャズらしい曲は本作ではこの曲のみ。
あとはR&Bのようなトラックにギターでメロディを載せたような構成の曲と、ラップをフィーチャーしたHIP HOP風の曲とで
成り立っている。


正直、ジャズらしい曲を期待すると外れかもしれない。が、#5 So What!? のためだけに買っても損はない。
HIP HOP風のものは、はっきり言っていまいちな感が拭えないが、本職の作品ではないから、まぁ許容範囲内。

ジャズファンにとってもR&B/HIP HOPファンにとっても中途半端な作品、と言えばそうだが、
思えば「アシッドジャズ」というジャンル自体が、中途半端な音楽の集まりだとも言えなくもない。

この人の作品に共通しているのはメロウな感覚。
音としては古いつくりだが、メロウな楽曲は夜にBGMとして流すには最適だ。


余談だが、# Cool And Funky はボーナストラックで、#1 Get To Grips のラップ抜きバージョン。
代わりにギターソロが多めに入っている。
買うときのご参考までに。




そして、同じコンセプトで作られたのがこれ↓である。


前作に比べ歌モノが増えたような印象。

今回のカバーは#4 Mr.Walker 。ジャズギタリスト Wes Montgomery の楽曲だ。
ジャズっぽい#2 In Full Swing では前半部はファンクビートでプッシュし、曲終盤でビッグバンドをバックに鳴らして一気に駆け抜けるギターソロが聴ける。

HIP HOP風の曲も入っている。特筆すべきは Gangstarr のMC、Guru が参加している点だ。
Guru は自身のソロプロジェクト『JAZZMATAZZ』(別記事で紹介)で Ronny Jordan とも共演している、つながりのあるミュージシャンだ。
この Guru という人物は、ジャズ・ヒップホップを語る上で欠かせない存在である。
ジャズっぽいHIP HOP作品には、必ずと言っていいほど顔を出している。

クレジットを見ると、ここにもプロデューサー; OPAZ-Ray Hayden の名前がある。

当時、彼がいかにこの手の音楽で幅を利かせていたかがが分かって興味深い。

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