昨夜はアベプラを視聴後、もそもそとしつつ、ブログをUPしていた深夜。
今朝は早いうちから、外はなまらザーザー降りの雨。
北海道は冬と呼ばれる間に降るのは、まぁ・・・当然ながら雪です。
なので、雨音を聞くのは稀なので、
久々に「雨ってこんなにうるさかったっけ?」と目が覚めてしまった週の真ん中水曜日です。
昨日、ラックにあった田村淳さんの本の隣には、この本がありました。
おおたわ史絵さん 『プリズン・ドクター』 新潮新書
ここ数年で、地上波のバラエティ番組とか、あんまり見なくなったのですが、
明石家さんまさんの『ホンマでっか!?TV』におおたわさんが出られていたことを覚えています。
おおたわさんは、開業医だったお父さんと同じ医学の道へ進み、大学病院などを経て、
お父さんが亡くなった後は、家を継いだものの、さまざまな出来事があって、閉院をすることに。
その準備をする中で、友人から「法務省でドクターを探している」という情報が。
後日、何か所かの施設へ赴き、舎房や工場、食堂、医務室などを見学しながら、
即、ここで働きますと、矯正医官になる意思決定をされたそうです。
刑務所という特殊な環境で、患者は受刑者。
日本は慢性の医師不足に併せ、こういった施設は医療設備が少ないうえに、
最先端の医療技術を学べない、そう、お給料も。。。
塀の外にいる自分は「受刑者=罪人」、「刑務所=閉じ込めてこらしめる場所」という目線でみてしまいがちですが、
おおたわさんは、犯した罪に対して「懲役」という労働をするところで、
その毎日の中で自省し、学びや更生へ向かわせるために、規則正しく生活して、心身の健康を保てるよう、
国の責任として、体調管理を行うのが矯正医療従事者の役割だと書いています。
収容されている受刑者の年令、性別など、施設によって様々。
問診をすると、少年院であれば、意外と従順でシャイな受刑者もいれば、
女性刑務所では、90歳を過ぎた人も。
一般の病院のカルテには記載されていない「罪状と刑期」の欄。
「無期懲役」という文字。
いつ出られるのかはわからないけれど、更生の道を辿れるように、体調を見守るドクター・ナース・刑務官。
おおたわさんの目の前にいるのは、損得なしの患者であり、治療者であるのみ。
どんな経緯や背景があって、ここに収容されたのかとはいえ、人間は誰しも、病気やけがをすることもある。
彼らの再起のために出来ることがきっとあると、巻末でおおたわさんはおっしゃっています。
塀の外へ出た後の世間の空気はきっと冷たく、人間不信に陥り、再犯でまた塀の中に舞い戻ってくる人もいる。
社会に馴染めない、生活環境が整えられないなどの社会課題が増えていく昨今、
おおたわさんが診た受刑者たちのカルテと人間模様は、その社会課題への何かの手掛かりになるのかなと思った1冊でした。
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