尊属殺重罰規定(3)

さて、先日の尊属殺重罰規定で多数意見と反対意見で意見がわかれたのは、刑罰の目的がそもそも合理性があるかどうかということである。
反対意見は、尊属に対する敬意、恩義といった道徳的感情は守られるべきあるとの考えかたの下に、尊属に対する生命・身体を脅かすような行為をすること者を処罰することによって、社会的道徳、倫理秩序の維持を図ることは合理的理由があるとする。
一方、反対意見は、親と子のような尊属と卑属も一人の人間として、人格的価値においては平等であるとの考え方のもと、尊属に対する犯罪についてのみ重罰化するのは、尊属を被害者とする加重規定を置くこと自体が、人格価値の平等に反する不合理な扱いとする。