物凄いと云うのがあてはまる、
素晴らしい夕暮れでした。
僕は色の感覚が偏っていて、
普段どちらかと云うと、B&Wに物事を見ているけれど、
引き剥がされるような色でした。
京浜東北線の北へ向かう列車の窓に、
嘘のような別世界が広がる。
窓から見上げた東の空は、
桜とも、橙ともつかない柔らかな滲みが、
濃く沈んだ群青の隙間を埋めてゆく。
ねっとりとした、濃密な絵の具の混ざりあい。
筆にまとわりつく重ささえ、感じられそうな。
そう、なぜか、東の空なのだ。
同じようにこの空を見上げる人がいるだろう。
会えなくなった人たちは、どこかでこれを見上げるだろうか。
同じように思う人が、いつか見上げている時に、
僕は生活に埋もれてしまって、
頭の上の贈り物に、気付かないに違いない。
その手を赤く染めても。
このおかげで、
もう一度、何かを思う事ができる。
1日だけ、のばす事ができる。
そっとしておくことができる。
素晴らしい夕暮れでした。
僕は色の感覚が偏っていて、
普段どちらかと云うと、B&Wに物事を見ているけれど、
引き剥がされるような色でした。
京浜東北線の北へ向かう列車の窓に、
嘘のような別世界が広がる。
窓から見上げた東の空は、
桜とも、橙ともつかない柔らかな滲みが、
濃く沈んだ群青の隙間を埋めてゆく。
ねっとりとした、濃密な絵の具の混ざりあい。
筆にまとわりつく重ささえ、感じられそうな。
そう、なぜか、東の空なのだ。
同じようにこの空を見上げる人がいるだろう。
会えなくなった人たちは、どこかでこれを見上げるだろうか。
同じように思う人が、いつか見上げている時に、
僕は生活に埋もれてしまって、
頭の上の贈り物に、気付かないに違いない。
その手を赤く染めても。
このおかげで、
もう一度、何かを思う事ができる。
1日だけ、のばす事ができる。
そっとしておくことができる。