through the frozen window

ふさわしい言葉を探しているうちに、小さな羽音だけを残して、遠くへ。

凛とする

2006-06-15 | Weblog
それが何をあらわしているのか。
指先や、眼で、
気持ちを感じたくて。
毎日を祈りながら過ごしている。
少し動く空気の澱みに、
テーブルの上のページがめくれる。
揺れる樹の葉の重なる影に、
聴こえるはずのない音がする。
それが何かのきっかけではないかと、
期待して、
手探りで探しても、
そんな日はほとんど、あらわれてはくれない。
人の心を奪い、気持ちを揺さぶる。
嫉妬する。
あんなふうに穏やかな沈黙が、
僕の中にも満ちることを。
願い続ける。
そこから立ち去ることが惜しいと感じる。
そこに立ったままで、
その中に共存したい。
辿り着くまで。
そしてそれは、手の中で愛される。

気持ちを揺るがないように伝える為に。
真っ直ぐに削いでゆく。
それを手に取って、
そのみずみずしい香りを、慈しみたい。
わずらわしい感覚を、
カタチにして、
残しておきたい。
だんだんと解らなくなっていることが、
自分で気付いているうちに。
この手が、意志に因って動かせる。
自分の名前が、解るうちに。

それを手の中で、愛したい。