through the frozen window

ふさわしい言葉を探しているうちに、小さな羽音だけを残して、遠くへ。

reminiscence

2004-11-20 | Weblog
砂浜に、
遠くから流れ着く、
破片を拾い集めながら、歩いてみる。
誰かの足跡がまだ新しい。
そうして刻まれた足跡を、
順序とは逆になぞってゆく。
時にはその行く先を見失い、
また何処かでつじつまが合う。
あなたは何処か遠くで、それを眺めている。

僕は拾い集めたモノを、
あなたの目の前に並べて、
ひとつひとつ、その物語を話している。
あなたはそれにうなずいて、
僕を小さく満足させる。

あなたは知らぬ間に種を蒔き、
僕はそれを、
芽が出た時に初めて知る。
長い時間の末にようやく、
その豊穣を収穫する時が来る。
初めて、何の種子なのかを、
その手の中で知ることになる。
その手の中で確認する。

枝を繁らせ、
花が咲き、
またその種子が実る頃に、
その葉の影に、面影を見る。
すべては巡り、繰り返される。
光を遮る葉の影で、さらさらと撓む音を聴く。
それを僕は、知らされる。
それを僕は、思い出す。
あなたの声をそこに聴く。

2 コメント

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Unknown (よしのり)
2004-11-20 16:07:15
ほのぼの。そんな光景が目に浮かぶようです。微笑んでわが子を眺める母親はきっと幸せなんでしょうね。母の愛はふかい。あなたの後ろにも微笑んでわが子を眺める母がいます。命を大事に、はいつくばってでもいきましょう。
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手渡し、橋渡し。 (トモロヲ)
2004-11-22 01:08:14
いつもありがとうございます。



繰り返される愛情。

それが次へ、そしてまたその次へと、

繋がっていくことを願って。

そして、そのことに感謝を。

自分が次に手渡していかなければイケナイ感情の、

義務を、しっかりと受け止めようと。

いろんなことを思い出します。

そして失くしてから、

思い出すのです。



よしのりさんは、

いくつぐらいの方なのでしょう。

ご自分が、

繋がるチェーンのひとつの環だと、

世代の継ぎ目としての、

橋渡しを、感じたりされますか?

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