through the frozen window

ふさわしい言葉を探しているうちに、小さな羽音だけを残して、遠くへ。

So long

2004-11-29 | Weblog
雨の日に、
羽根を休める場所が、同じだったから、
ささやき続けたミツバチ達は、
僕の耳元から、飛び去ってしまった。
帰るところがあると云うこと。
小さな庭の片隅を覆う、
四枚の葉を、知らぬ間に踏みつぶしてしまってた。
自分の分では足りなくて。
小さな手を差し伸べる、
大切な人たちの育てた分までも。

また春が来るまでは、
その葉が開くのを待ち続ける。
手は汚れ、歩くその後に足跡をつけても、
大切な人たちの中を、
この気持ちで染める事はできない。
背負うモノの中から、精一杯の、
ふさわしい言葉を探しているうちに、
大事なことを見失う。
持ち合わせがないことにだけ、気付かされる。
そして遠くに去ってしまった。
追いつくまで、歩けるだろうか。

浅い眠りに落ちる前に、
出口を見つける事はできない。
けれどその向こう側に、
光が射すことを感謝しよう。
必ず目が覚めるのだと、感じることができるなら、
凍えるようなベッドであっても、
身体を預け、安心してその眠りに倒れ込むことができる。
目覚めた時に雨が降っていても、
また眠りに落ちるまで、
降り続く雨はない。
雨は大事なモノを連れて来て、
光とともにぬぐい去る。
それでも僕の中には、しっかりと昨日が残っている。
数えられる毎日が、
これからも続くように。

もうすぐ僕は、時間の順序が解らなくなる。
大事だった時間だけが、
毎日繰り返し訪れるようになってしまう。
それに解き放たれることが出来なくなっても。
僕が自分を感じていられるうちに。
いつか感じられなくなる前に。

またみなさんに会いたい。

今まで本当にありがとうございました。
みなさんの心のこもった声に励まされ続けてきました。
とても感謝しています。
また何処かで会えることが出来ることを祈っています。
声を残して下さった方々には、
突然のご迷惑を、お詫びします。

さようなら。

15 コメント

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Unknown (mayu)
2004-11-29 20:52:01
なんと言葉を残せばいいのか分からない。

ただ、

「ありがとう」

と、

「行かないで」

と。。。

それだけしか、言えない。
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また何処かで (クローカ)
2004-11-29 21:56:21
私のサイトのかなり初期の時代にコメントを残してくださったのがトモロヲさんでした。なんて温かい言葉を紡ぎだす人だろう、といつも記事やコメントが楽しみでした。



そしてBlogから実生活に影響を与えた最初の人もトモロヲさんでした。図書館でレイモンド・カーヴァーを借りた帰り道、「会った事もない人にこんな影響されてる!」って妙にワクワクしたことをハッキリと覚えています。感想を記事にする前にお別れなんですね。でも、あの小説はどれも感想を書くことが出来そうにありません。柔らかい印象を言葉にしようとしても、うまく言葉に出来ずに壊れてしまうように思います。



あなたがここに居た事、忘れないと思います。あなたが励まされたのと同じ分だけ、私はあなたに励まされたから。本当はお別れなんて嫌だとダダをこねたい気分です。だから「さよなら」は言いません。また別な場所でお会いしましょう。
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淋しいですが (megumi)
2004-11-30 00:02:35
いつも真剣にコメントをして下さいましたね。

「強い」って言われて嬉しかったです。

ありがとうございました。

また何処かでお逢いしたいです。

だから。

またねヾ(*'-'*)マタネー
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mayuさん (トモロヲ)
2004-11-30 00:44:00
以前コメント欄に名前を見た時に、

あなたのことと気付かなかった時があったのを憶えていますか?

あなたの名前が、もうしばらく会っていない、

僕の以前に親しかった人と、同じだったので、

驚いて躊躇してしまったのです。

あの時は失礼しました。

そんなことを、懐かしく感じながら、

コメントを見て、それを思い出しました。



今まで僕はいつも見送る方でした。

ああ。今回は初めて出てゆく方になるんだなあ。

みなさんに手を振ったら、

振り返して見送ってくれるだろうか。

ふと、そんな気持ちになりました。



もうすぐ卒業なんでしたよね。

がんばって下さい。

またいつか、どこかでカタチを変えて、

お会いできる時が来るのを、楽しみにしています。

この場所を閉じてしまっても、

書き続けていくつもりなので。



今までどうもありがとうございました。

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クローカさん (トモロヲ)
2004-11-30 00:44:28
以前のことを思い出すと、

とても長い時間が過ぎてしまったことを、

感じるのですが、それでもまだ数カ月のことなのですね。

最後にたくさんコメントをありがとう。

僕のこんな小さな言葉から、

いろんなことを感じてくれて、

現実にもフィードバックして下さって、嬉しいです。

他にも、たくさんいい文章を書く人がいるんです。レベッカブラウン「身体の贈り物」

素晴らしいです。

5年近くたって、ようやく、

新潮文庫になりましたので、手に入りやすくなりました。

本当は、原文の方がいいのは云うこともありませんが、

柴田元幸さんは、小説の翻訳では指折りの方なので、

充分楽しめます。

もしチャンスがあったら、

読んで見てはいかがでしょうか。



なんて書いているうちに、

さよならが来たようです。

また別の場所で、別のカタチになっても、

いつかお会いできることを、

願っています。

そのときには、またお話ししましょう。



今までありがとうございました。



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megumiさん (トモロヲ)
2004-11-30 01:14:03
素直でそして力強い言葉が、

そのきれいな優しい言葉の影に見えていて、

そんな真っ直ぐさに、ある種の憬れがありました。

女性でなくては書けない、

そんな言葉が、あったような気がして。

そして、若さを、

羨ましく思ったりしました。



あなたはこれからも、

書き続けて下さい。

僕のページに残してくれたような言葉を、

誰かのところへ届けてくれるように、

それを引き受けてくれませんか?



いつかもう一度それを僕にも届けて下さい。

何処かで、またお会いできる時を、

楽しみにしています。



今までありがとうございました。
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おつかれさまでした。 (yuki)
2004-11-30 16:49:00
自分の姿勢が恥ずかしくなるほどに、あなたはいつも言葉に真摯。

繊細だけど溢れ出す音楽のようなこのページ、それを生み出すエネルギーに壮絶を感じていました。



この半年間やりとりさせていただいてありがとう。

そしておつかれさまでした。



キレイに収めようとなんかしないでいい。

もっと未完成で独りよがりで荒削りなものをダイナミックに投げつけたっていい思うんです。



また書きたくなったら書いてください。

人目も気にせずに吐き出し続けること。

わたしもそこに救いを見出しているうちの一人ですから。



またどこかでお会いできることを祈っています。



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Unknown (Unknown)
2004-11-30 19:25:57
飛び続けるのに疲れたならば休めばいい 言葉が枯れたなら、またあふれ出てくるのを待てばいい 小鳥達がさえずりをやめないように 小鳥達が飛ぶのを止めないように あなたもきっと思い出す あふれ出る感情をさえずることを 言葉の世界をはばたくことを 今はただ静かに待てばいい 新たな言葉達が生まれてくるのを… 少しのあいだでしたがあなたと知り合えて良かった。ぼくも一応ブログはじめました。三週間くらい更新してませんが…。『良典抄』っていいます。暇があったらのぞいてみてください。いずれ更新します。
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Unknown (よしのり)
2004-11-30 19:27:29
名前書き忘れました
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yukiさん (トモロヲ)
2004-12-01 00:52:06
あなたの言葉のすごさに、いつも驚かされ、

その確実に相手の息の根を止めてしまう表現に、

嫉妬すら憶えました。

それを感じると、自分の浅さを憶えます。

そして、あなたの言葉に、

毎日のようにインスパイアされ、

言葉が溢れたのを思い出します。



僕は書き続けたいと思っています。

今は少し休んでも、

必ず、また始めます。

その時は名前が変わり、新しい場所になり、

形が変わっても、

あなたのところへ、お知らせしようと思っています。

その時は是非、またつきあって下さい。

その時に僕だと解ってもらえると、

嬉しいのですが。

いずれ、何処かでお会いできるように、

祈っています。



今まで本当にありがとうございました。
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