岡本一郎著『数学教師が書いた邪馬台国』(2007年)
古本の中から見つけた自費出版の本。
読んでみると、邪馬台国論争に終止符を打つ内容であった。
著者の岡本さんは神戸市の滝川中学校の教諭だという。
出身は、兵庫県三木市。
邪馬台国論争は『魏志倭人伝』の解釈を発端とする所在地論争である。
有力なのは畿内説と九州説。
その他、国内に限らずあらゆる説が乱立する状況が数百年続いている。
これらの説は『魏志倭人伝』の位置情報に誤りがあるという前提で展開しているのだが、
その方向性を180度転換している。
『魏志倭人伝』の記述に間違いが無いという前提のもと、
書かれた時代、場所、文脈から省略部分を補う、
つまり、行間を読むという手法で読解している。
その説明の理論にも説得力が有り、
読み進むにつれて靄が晴れたような気分になった。
そして、その鋭い読解力で卑弥呼の悲劇的な死因まで推測している。
歴史学的には決定的な証拠が無ければ通用しないのかもしれないが、
岡本さんの説が正しいであろうと確信できる内容であった。
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岡本一郎著『数学教師が書いた邪馬台国』(2007年)