よろずのモノ語り(『近代建築撮影日記』別館)

近代建築以外のよろずのモノを
あまたに綴ります。

バニラ初体験(無声映画・活弁)

2013年11月25日 12時05分26秒 | その他

バニラといってもアイスクリームではないですよ!
活弁士の山崎バニラさんのことです。

昨日、 『こうべ こども映画まつり(Bプログラム)サイレント映画ってすごい!』
に行って参りました。
10年来のファンですが、初めて活弁を観させていただきました。

本来、子供向けのイベントですが、バニラさんご本人のブログ
大人の方のみの受付も始まりました。大人お一人でのお申込みも増えているそうなので、ご心配なくご来場くださいませ。」 
との告知があったので、急遽参加申し込みをした次第。

イベントのホームページも確認せずにあわてて申し込み、
詳細は返信メールで確認すれば良いと思っていたのですが・・

返信メールには開催場所の記載はまったく無く、
新長田の住所と「神戸映画資料館」の名前のみ。

地図で調べると結構大きなビルだったので
大きな映画館を備えた施設だと思いこんで
「神戸映画資料館」に向かいました!!?

到着してみてびっくりしましたね。
こじんまりした資料館です。

しまったと思いつつ
とりあえず、中に入ってみると、
喫茶店のようなスペースに
店員さんと男性客一人だけ。

会場への行き方を教わって、
大慌てで駅へ引き返しました。
お騒がせしました(汗)

さて、正しい会場である「神戸芸術工科大学 吉武記念ホール」は、

神戸市営地下鉄「学園都市駅」下車、徒歩5分。

そして、これが会場。立派なホールです。
自称「建築写真家」なので、こういう写真はお手の物です。

20分ほど遅刻して入りました。

おなじみのいでたちのバニラさんがトーク中です。
残念ながら、最初の1本は見逃したようでした。

トークはすぐに終わり、
『国士無双』 (1932年/24分/日本時代劇)上映。
面白い。内容がハチャメチャなんですね。
小説や映画は作り話だから荒唐無稽で楽しめる方が良い、と考える私のツボの中心を貫くような感じ。
バニラさんは大正琴と太鼓を器用に演奏しながら活弁。
オリジナルの脚色がかなりあるように思います。

休憩を挟んで
銀髪の鬘をはずして、衣装換えしたバニラさん登場。

『茶目子の一日』 (1931年/5分/日本古典アニメーション)上映。
本来は、弁士の代わりにレコードで音声をあわせたレコード・トーキー作品。
今回は、バニラさんの2オクターブの美声でSPレコードの唄を再現。
アニメの動きが面白い。技術的な問題からの苦し紛れの手法でありながら新鮮でした。

最後の上映は、
キートンの警官騒動』 (1922年/24分/西洋コメディ)。
今度は、ピアノの弾き語り活弁。
バニラさん、本当に器用ですね!
これもハチャメチャな映画です。
映画って本来はこういうものだったのでしょう。
何も考えず、楽しむだけ!
本当に楽しかった!!

閉演後、バニラさんは猛ダッシュでロビーに。
一人のお客さんも逃さずお見送りしようとする姿勢が好ましいですね。


【古典的無声映画3本を見て感じたことは・・】
・理屈抜きで楽しめるのが映画本来の姿。
・すべてを人の手に頼った完全アナログ技法は、制作の過程や苦労が手に取るように分るので面白い。
・無声映画の半分は、弁士の個性や技量に由る。同じフイルムでも、弁士の数だけのヴァリエーションがある。
・バニラさんは個性も技量も人柄も素晴しい。益々好きになりました。


再び新長田に戻り、いつぞや「くもじい」に紹介されてた「鉄人」を見てから帰途につきました。


 



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