前回の
宮川泰先生の音楽-宇宙戦艦ヤマト-【その3】沢田研二「ヤマトより愛をこめて」
について、仕舞い込んでいた盤を引っ張り出して撮影したので、
音楽としてではなく、モノから見た考察を追加します。
「ヤマトより愛をこめて」(ポリドール/DR 6235)のシングルレコードは手元には6枚残っている。
昭和53年当時新品で購入したものは傷みが激しく処分したが『宇宙戦艦ヤマト 完結編』以降の昭和58-60(1983-85)年頃に新品で購入したものが1枚、あと5枚は随時中古で購入したものになる。
では、ジャケットや盤などそれぞれの部分にどのようなバリエーションがあるのか見ていこう。
1.ジャケット
(表)
(裏)
(裏・曲名部分拡大)
ジャケットは目視する限り、すべて同一で1種類しかない。時間表記は収録時間の短い後期版も4’43”である。
余談ではあるが、B面の「酔いどれ関係」はヤマトとは無関係の曲。山口百恵の「プレイバック Part2」への返歌であるといわれる。沢田「勝手にしやがれ」→百恵「プレイバック Part2」→沢田「酔いどれ関係」という返歌合戦の様相を呈している。歌手同士というより、作詞家の洒落た遊びであると思われるが、歌詞を確認する機会があれば読み解いてみると面白いと思う。
2.レコード袋
(Aタイプ表)
(Aタイプ裏)
(Bタイプ表)
(Bタイプ裏)
沢田研二のファンなどポリドール・レコードに馴染みのある方なら、世界地図のAタイプは昭和57(1982)年まで、それ以降が赤い楽譜のBタイプになる(※)ということはご存知かもしれない。中古で購入した5枚と処分した1枚がAタイプ、昭和58-60(1983-85)年頃に新品で購入したもののみがBタイプであった。中古品は袋の入れ替わりも考慮しなければならないが、新品で購入したものでBタイプだったということは、製造(盤のプレス)時期も1983年以降であると断定できる。
(※)沢田研二のシングルレコードでは1983年1月1日発売の「背中まで45分」からレコード袋がBタイプに変更された。従って、実際の製造ベースでは1982年中にBタイプに変更されたと思われるが、便宜上切り替え時期を発売日ベースの1983年とした。
3.レーベル面
(Aタイプ)
(Bタイプ)
(Cタイプ)
Aタイプは紙、Bタイプは樹脂、CタイプはAタイプと同じ紙だがレーベル面に同心円状の細かい筋がある。中古で購入したうち2枚と処分した1枚がAタイプ、中古で購入したうち3枚がBタイプ、昭和58-60(1983-85)年頃に新品で購入したもののみがCタイプであった。
更にCタイプのみ下の写真のように、盤面が漆黒ではなく電球が透けて見える。
レーベル面が多種存在する理由は製造時期による変化というより、数社のOEM生産などによる製造工場の違いだろうと推察する。ちなみに、Cタイプの盤の特徴は日本ビクター製と一致している。
余談であるが、日本コロムビアのシングルレコードのレーベル面にもいくらかのバリエーションがあるので、製造時期による変化と他社OEMの可能性が考えられる。
4.収録内容
今回は、前回述べたシングルレコード(通常版)をAタイプ、(後期版)をBタイプと分類する。
5.それぞれの組み合わせ
組み合わせのパターンを、ジャケット-レコード袋-レーベル面-収録内容の順で示す。
パターン1・A-A-A-A
パターン2・A-A-B-A
パターン3・A-B-C-B
の3パターンがあり、中古で購入したうち2枚と処分した1枚がパターン1、中古で購入したうち3枚がパターン2、昭和58-60(1983-85)年頃に新品で購入したもののみがパターン3であった。
なお、盤面に打刻された記号で製造場所や時期が特定できると思われるが、そういった社内情報を持ち合わせていないのでこれ以上の分析は不可能である。
【まとめ】
・この盤は少なくとも昭和53(1978)年-58(1983)年の5年間に渡る長期間製造販売されていた。
・昭和53年に購入した盤はパタ-ン1であったことから、発売当初はパターン1であった。
・パターン2については中古購入であるため、発売当初にあったのか、その後追加されたのかは不明。
・パターン3はレコード袋がBタイプであることから昭和58(1983)年以降の製造だと断定できるが、収録内容がBタイプながらレコード袋がAタイプという昭和57(1982)年以前にプレスされたパターンの存在も否定できない。
・このレコードをコレクターズアイテムとして収集コンプする場合は、最低でも3パターン揃える必要がある。
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