よろずのモノ語り(『近代建築撮影日記』別館)

近代建築以外のよろずのモノを
あまたに綴ります。

宮川泰先生の音楽-宇宙戦艦ヤマト-【その2】「新コスモタイガー」を聴き比べる

2018年08月22日 17時37分11秒 | 宇宙戦艦ヤマト

ご無沙汰しております。
サボっていたというのが一番の要因ですが、
書くのに四苦八苦で第2弾迄こんなにも時間がかかってしまいました。

皆様、前回の「想人」聴き比べはいかがだったでしょうか?
音楽知識が無いままの記述だったので、はたして意味が通じたのか?
ということが一番の懸念です。
しかし、意味が通じたのであれば音楽知識が無い人にも分かる音楽解説になったのではないか?
という期待もあります。

そういえば、大好きだった赤瀬川原平さんが、難しいと思われがちな美術鑑賞について、
知識が無くても自分なりの視点で楽しめば良いと解説した本があったのを思い出します。
これは、ちゃんと知識のある人が初心を思い出して、あるいは常に初心の気持ちで、
美術に触れて書いたものなので、分かり易かったのでしょう。

原平さんには及ぶべくもないことですが、
音楽知識が無くても、音楽を聴き比べたり分析したり、
あるいは聴いたままの音そのものを愉しむこともできるんだ!
という事が少しでも伝われば良いなと思って書いています。


【凡例】
曲名「」
アルバム名・作品名など『』
曲名、アルバム名は現在最新の『YAMATO SOUND ALMANAC』シリーズに準拠します。
失礼ながら、人物名は基本敬称略とします。

本文はですます調ではなくぞんざいに感じるかもしれませんが、
ただでさえダラダラした長文の字数を少しでも減らそうとしたものです。

音楽的知識が希薄なため、音楽用語等はネットで調べながら書いています。
記述内容に自信が無い所には?を付けたりしています。
更に、使用楽器は素人の耳で聴いて判断していますので間違いがあると思います。
音楽理論的な間違いの指摘や、更に分かりやすい表現方法など有りましたらご指導いただければ幸いです。
※公開後追記あります。赤で記述しました。


『宮川泰先生の音楽-宇宙戦艦ヤマト-』2回目も聴き比べシリーズ。
避けては通れないであろう人気曲「新コスモタイガー」を選んでみた。
この曲は、自分自身も好きでよく聴いている。

ここで余談だが、アナログ盤時点(※)でのマイベスト3
(※95年版BGMやALMANACシリーズ発売後に順位が変わってしまった)
第3位「新コスモタイガー」
第2位「地球を飛び立つヤマト」
第1位「ボラー連邦」
「新コスモタイガー」はファン歴初期の段階からよく聴いた曲と云える。

聴き比べたのは、以下の5曲
1.「新コスモタイガー(BGM版・正式ミックス)」『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち BGM集』
2.「新コスモタイガー(音楽集版)」『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち 音楽集』
以上2曲は1979年『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』の際録音されたBGM版と音楽集版で泰先生作・編曲のオリジナル版。

3.「新コスモタイガー(2000年版)」『交響組曲 新 宇宙戦艦ヤマト』「第四楽章 伝説の戦艦ヤマト(二) 威風堂々」より
こちらは、松本零士の『新 宇宙戦艦ヤマト』を映像化するにあたって、その序曲的位置付けで録音されたもの。
結局『新 宇宙戦艦ヤマト』は映像化されず、諸事情によりこのアルバムもお蔵入り状態になってしまったのが残念だ。
このVer.は泰先生自らの手で再編曲されている。

4.「新コスモタイガー2009」『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 オリジナルサウンドトラック』「戦火の渦へ」より
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』に際して山下康介の手で再編曲されたもの。

5.「コスモタイガー (Wan・Dah・Bah)」『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1』
『宇宙戦艦ヤマト2199』に際して彬良さんにより再編曲された。


今回も音源をお持ちの方は、聴きながらお読みいただけたらと思う。



1.「新コスモタイガー(BGM版)」をこの曲の基本形と考え、初めに聴くことにする。
実際にTVで使われたVer.で、当初は音盤化する予定も無かった。

まず、この曲のメロディー構成から。

・チャラッ チャラッ チャラッ チャラッ チャッ チャッの前奏
・勇ましいトランペットによる主旋律のAメロ
・優雅なバイオリンによる主旋律のBメロ
・再び前奏のメロディーを間奏として挿入
・バイオリン速弾きとトランペットがダブル主旋律のように両立しているCメロ
これを繰り返して、
前奏 Aメロ Bメロ 前奏 Cメロ 前奏 Aメロ Bメロ 前奏 Cメロ 前奏 Aメロ Bメロ 前奏
の順番で構成されている。
(※間奏や後奏として演奏されている部分も前奏と同じメロディーという意味で前奏と表記した)

各メロディについてみていこう。

・前奏
トランペットの主旋律とバイオリンの速いトリル?。このトリルの音程は段々と上昇している。
ここは、発艦のイメージだろうか。管楽器で勇ましさ、弦の速いトリルで機体の美しさと飛び立ち上昇するスピード感を表しているのだろうか。
・Aメロ
トランペットの主旋律と木管楽器・金管楽器ほかによるつむじ風が舞い上がるような副旋律。
ここで戦闘開始だろうか。管楽器の主旋律で勇ましさ、つむじ風が舞い上がるような副旋律は爆撃やミサイル攻撃を表している、という感じだろうか。
・Bメロ
ハープの第一声でバイオリンの和音と鉄琴で主旋律が始まる。更にビオラかチェロも主旋律に重ねて演奏。
前回言及した「永遠の生命 (M-65)」の「0:53頃からのサビ」と同じく、
泰先生特有の弦楽器の音をパイ生地のように幾重にも重ねる美しい音作りだ。
ここでは隊列を整えて優雅に飛行する様子を表しているのか。
・Cメロ
バイオリン速弾きとトランペットがダブル主旋律のように両立。チューバ?が表拍でリズムを刻み、後半に木琴がバイオリンの主旋律と重なる。
ここで再びトランペットの音で戦闘が始まるが、バイオリン速弾きで機体が美しく飛ぶ様子も表現しているのだろうか。そして木琴が加わると美しいばかりでなく、歯切れよく飛んでいるとも感じる。
・全編に渡って
ベース、ドラム、パーカッションによるリズムが入り、特にシンバルの裏拍リズムが目立っているように思う。
裏拍にすることにより、より歯切れよくリズミカルに感じる。

幾度となく戦闘シーンに合わせて使われているのを観たせいかもしれないが、コスモタイガーの具体的な動きをイメージして作られた楽曲だと感じる。


今回、裏拍・表拍のリズムという表現をしたが、以後の聴き比べにも関係するので少し説明しておこう。

ブン チャ ・ ブン チャ ・ ブン チャ ・ ブン チャとリズムがあるとすれば、
ブンで拍子を打つのが表拍、チャで拍子を打つのが裏拍という事になる。
足踏みでリズムをとる場合は表拍で踏込み裏拍で足を上げる。
そう考えると裏拍は跳ね上がるという感じがしませんか?
裏拍のほうがリズムに乗っている感じがすると思う。


なお、このVer.にはラフミックス版があり、
1985年版MVシリーズと1995年版『オリジナルBGMコレクション 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』に収録されている。
トランペットのエコーが少なく、エコー嫌いな人(私がそう)には聴き易いかもしれない。
このラフミックス版で特筆すべきことは、1985年版MVシリーズに宮川泰先生の声が入っていることだ。
(2014年版MVシリーズのBD・DVDは正式ミックスに差し替えられており、先生の声は入っていない)
曲の終りの余韻が消える前に「これはねぇ・・・」と喋り始めている。
恐らく、先生の心中にはもっとこうしたい、ああしたいという思いが強くあり、たまらず喋りだしたのだろうなと思う。
このことから、粗削りで洗練されていないVer.ではあるがスケジュール的に録り直しができず、
止む無くこのVer.をBGM版としてTV番組用劇判に使ったのではないかと予想している。
(スケジュールなどの裏は取ってないので、あくまで憶測です)

そして、先生の思いは次に聴く音楽集版に結実したのだろうと想像している。



2.「新コスモタイガー(音楽集版)」
音楽集用に修正、再演奏されたVer.で『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』の本編には使用されていないが、『宇宙戦艦ヤマト III』ではよく使われていた。

メロディー構成は、
前奏 Aメロ Bメロ 前奏 Cメロ 前奏 間奏(A’メロ) Bメロ 前奏 (ここで転調) Aメロ  Bメロ 前奏 Cメロ 前奏 後奏
の順番で演奏されており、BGM版と比べて構成自体が複雑になっている。

新たに加わったのが
・間奏(A’メロ)
本来Aメロが入るべきところにエレキギターで別メロディーを入れている。
従って(A’メロ)とした。
・後奏
チャカポン・ギター(※)の主旋律の繰り返しでフェードアウトする
(※エレキギターにエフェクトをかけて演奏することを一般的には「ワウワウ・ギター」というが、ここではヤマト風に「チャカポン・ギター」と云わせていただく。)
この後奏は本編でも使用されたブリッジ曲「若き大鷲達」『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち BGM集』の前奏部分を流用している。
ちなみに「若き大鷲達」のメロディー構成は、
音楽集版の後奏 Bメロ 前奏
である。


では、1.「新コスモタイガー(BGM版・正式ミックス)」との違いをみていこう。
前奏にチューバ?の表拍リズムが加わっている。泰先生はとにかく音の数を増やすのが好きなようだ。
Aメロを聴いて感じたのは、シンバルの裏拍が弱くなり、代わりに複雑なドラムワークが目立つようになっている。
BGM版ではシンバルの裏拍リズムが目立ち、少し単調なイメージだったが、音楽集版はより豊かなリズムになったような感じがする。
Bメロはほぼ同じだが、ハープの第一声が無くなり、チャカポン・ギターがはっきり聴こえるようになっている。優雅なだけでなく、リラックスして飛んでいる感じも加わっていると思う。
※ハープの第一声は聴き取れないが、Bメロ中にハープ自体の演奏はあるようだ。第一声は他の楽器に埋もれているのかもしれない。
そして、Cメロへの橋渡しとして前奏のメロディーが入るのだが、弦の速いトリルの最後の音程が揺らいでいる。
この「揺らぎ」は音として美しく響くだけでなく、機体の動きも表現しているように思われる(個人的には機首が少し曲がった金田のパースで飛ぶ画像に合っていると感じる)。
Cメロもほぼ同じだが、チューバ?のリズムは裏拍になっている。

BGM版のチューバは表拍でドンという感じだったのが、裏拍だと軽く跳ねる感じになったと思いませんか?
戦闘機のテーマ曲なので私個人は断然こっちの方が良いと思うのだが、実際に本編で使われたBGM版の方が馴染み深くて好き、という方も多いと思う。
更に、後に聴く 4.「新コスモタイガー2009」と 5.「コスモタイガー (Wan・Dah・Bah)」も表拍の方を採用している。
これは劇判の宿命で、純粋に楽曲の良し悪しだけを語れば良いというものではなく、どちらが耳に馴染んでいるか、実際に劇中で使われたのはどちらか、という事も重要な要素だという事だろう。
私個人は泰先生が裏拍で完成させたと考えているので2009やワンダバは
「あれれ、表拍に戻っちゃった・・」と思ったものだが、
見方を変えれば表拍でドンと鳴る方が力強いともいえるので、一概に良し悪しを語るのも難しいだろう。

間奏(A’メロ)は、1980年前後のロックやニューミュージックのヒット曲にかなりの確率で入っていたエレキの間奏(※)を意識したのだろうか?
(※自分が好きだった曲なら「いとしのエリー」(サザンオールスターズ)、「大都会」(クリスタルキング)、「さよなら」(オフコース)等がある)
それはさておき、このエレキの旋律はどこか不安定な感じ(音階の上下の動きが普通じゃないのかな?)がして、
機体の縦横無尽な動き(急降下、急旋回など)を表現しているような感じがする。

この後転調するのは、更にスピードアップした攻撃を表現しているように思う。
そして、チャカポン・ギターの後奏でコミカルな要素も加わり、泰先生らしい楽しげなラストを迎える。

以上のようなメロディー構成の再編や楽器演奏法の細やかな変更は、
音楽として聴くことを前提とした修正というよりむしろ、
コスモタイガーの劇判として更なる完成度を追及した修正だったと感じる。
だからこそ『宇宙戦艦ヤマト III』でよく使われたのだと思う。
前回の音楽集版「想人 (おもいで)」とは再編曲の方針が違うように思われる。



3.「新コスモタイガー(2000年版)」
聴いていると、泰先生が自由に編曲していると感じる。

この曲のメロディー構成は
前奏 Aメロ Bメロ 前奏 Cメロ Aメロ Bメロ 前奏 二人のコスモゼロ
の順番で演奏されている。転調する代わりにメドレーで「二人のコスモゼロ」に繋いでいる。

各メロディについてみていく。

・前奏
主旋律のトランペットは同じだが、その主旋律に重ねて木琴。先に聴いたVer.にも使われていたが、木琴は泰先生の音の要素として重要なピースだと思う。
バイオリンの速いトリルに該当する部分はクラリネットか何か木管楽器に変更され、ハープのグリッサンド、ドラムの早打ちも追加されている。
他にも何か楽器が入っているかもしれないが、聞き分けることはできなかった。バイオリンの速いトリルも入っているのかな??
とにかく音の洪水のようで、前奏だけでも泰先生の意気込みを感じ取ることができる。
・Aメロ
トランペットの主旋律と木管楽器・金管楽器ほかによるつむじ風が舞い上がるような副旋律。
ピアノもしくはハープ?が和音を刻んでいるのがおしゃれに響き、ベースワークも現代的でカッコイイ。
リズムの基本はBGM版と同じく、裏拍のシンバルだ。
・Bメロ
ハープの第一声でバイオリンの和音と鉄琴の主旋律が始まるのは同じだが、トランペットと木琴の楽しげな副旋律が加えられている。
何か楽しくて面白い音で聴く人に楽しんでもらおうという、泰先生のサービス精神の表れだと思う。
とりあえず、劇判として使われる予定の無い楽曲だからちょっとやり過ぎともいえるサービスてんこ盛りな編曲がほどこされたのだろう。
ミヤガマニア(宮川泰先生のマニア、私が勝手に造語した)としては、本当に嬉しくなってニンマリした部分であった。
・Cメロ
バイオリン速弾きとトランペットがダブル主旋律のように両立するのは前の2曲と同じだが、チューバ?が裏拍でリズムを刻むのは音楽集版と同じだ。
先に「泰先生が裏拍で完成させたと考えている」と述べた理由は、この楽曲があるからだ。
後半は木琴の代わりにチェロがバイオリンの主旋律と重なっている。弦楽器の重なりに変更されて、より豪華で上級な音に聞こえる。
木琴も無くなったのではなく、いきなり前奏で使われているのは泰先生の木琴に対する位置付けを感じずには居られない。
更にフルートか何か木管楽器による副旋律も追加されいて、ここにも聴く人に楽しんでもらおうという、泰先生のサービス精神が感じられる。

これは、正真正銘ミヤガマニア向けの楽曲である。


4.「新コスモタイガー2009」『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 オリジナルサウンドトラック』「戦火の渦へ」より
2006年に泰先生が亡くなり、復活篇は間に合わなかった。
2007年に羽田さんまで亡くなり、西崎プロデューサーは旧作の音楽を超えるという目標達成のためには
クラシックで行くしかないという決断を下した。
この決断が正しかったかどうかは別として「旧作を超える音楽」をめざすという姿勢は素晴らしいと思う。
結局、旧作のBGMもそのまま使われたので音楽的統一性は損なわれたが、映画の冒頭に『交響組曲』の「序曲」が流れただけで感慨深く思い、私は目頭が熱くなった。
旧作から直接的に続く本流は『復活篇』であり、言ってみればヤマトの正史。
現在、頓挫した状態で10年近く経過してしまったが、ユキの消息や生きているはずのデスラーの再登場など正史の行方を観れる日が来ることを願ってやまない。

話は少々脱線したが、
西崎Pの決断を受けてフルオーケストラで再編曲されたのがこの楽曲だ。

結論を先に言うと、泰先生の編曲を尊重した内容で大変好感が持てると感じた。
簡単にポイントを述べると、
・Aメロの勇ましいトランペットによる主旋律
・Bメロの優雅なバイオリン
・Cメロの木琴
など、重要な要素が比較的残っているのである。
山下康介氏はこの楽曲をよく理解したうえで再編曲したのだろうと感じる。

なお、ほぼ同じ編曲で別演奏の
4-1.「コスモパルサー」『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ディレクターズ・カット オリジナルサウンドトラック』
も存在するので音源をお持ちの方は聴き比べてみると面白いだろう。


5.「コスモタイガー (Wan・Dah・Bah)」『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1』
現在コスモタイガーと云えばこの曲、というくらい人気の編曲であるが、個人的には好きになれないVer.である。
まず、ワンダバについていろいろ意見があろうかと思うが、他作品のパロディーをヤマト音楽に使うということが気に入らない。
ワンダバVer.がお好きな方は気を悪くされるかもしれないが、人それぞれ許容範囲があるという事でご容赦願いたい。
ここまでの聴き比べで泰先生の編曲の素晴しさを述べてきたのだが、ワンダバVer.は泰先生の編曲の特徴的な部分は殆ど踏襲していないと感じる。
これは、彬良さんが敢えて泰先生との決別を選んだのではないかと思うのだが、真相はどうだろうか?
もちろん彬良さんのこの試みに対しては敬意を払っているが、泰先生独特の編曲が好きな私にとっては好きになる要素が希薄な楽曲ということになる。

メロディー構成は、
ワンダバVer.の前奏 Aメロ Bメロ 前奏 Cメロ 前奏 Aメロ Bメロ 前奏 Cメロ ワンダバVer.の後奏

この曲もポイントのみ説明する。
・前奏と後奏が新たに作曲されている。
・前奏は発進準備の情景を上手く表していると感じる。
・後奏は勝利を感じさせる勇敢な仕上がり。
・全体的にテンポが遅く、雰囲気はロッキーのテーマに似ているように思う。
・Aメロの勇ましいトランペットによる主旋律とBメロの優雅に飛行する様子を表しているかのようなバイオリンの和音以外は泰先生の編曲の特徴が殆ど残っていない。
・Cメロに至っては、表拍のチューバがドスンという感じで軽快に飛ぶはずのコスモタイガーとは程遠く感じるが・・
・このドスンを逆に力強く戦闘しているととらえれば、後奏の勇敢な勝利に繋がる。
・敢えて泰先生の特徴をそぎ落として、彬良さんなりのセンスと工夫で組み立て直された編曲だと思う。
※良く聴いてみると一発目は表拍だが、二発目は裏拍(しかも泰先生と異なる所で打っている)。
一発目が表拍なので全体の印象は表拍だが、彬良さんは気付き難い所で凝ったことをしている。


なお、ワンダバVer.は何パターンかの演奏が音盤化されている。音盤名と内容を紹介する。

5-1.『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海 オリジナル・サウンドトラック 5.1ch サラウンド・エディション』
Blu-ray audioという珍しい媒体だが、通常のBDプレーヤーがあれば再生可能。
『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1』と同じかと思っていたが、やたらとワンダバを連呼しているのでびっくりする。

5-2.『宇宙戦艦ヤマト2199 ヤマト音楽団大式典2012』
ライブ盤でブラスバンドアレンジ。前奏にホルンの副旋律が入っている。

5-3.『宮川彬良 Presents 宇宙戦艦ヤマト2199 Concert 2015』
ライブ盤でオーケストラアレンジ。

5-4.『「宇宙戦艦ヤマト 2199」からの音楽』
ライブ盤でブラスバンドアレンジ。前奏にホルンの副旋律が入っている。

更にYouTubeでワンダバなしVer.等も聴くことができるので、比べてみると面白い。



以上「新コスモタイガー」の聴き比べでした。

二回目を書いてもやはり、四苦八苦で音楽の知識の無さを痛感するばかりでした。
今回も、どうにか意味は通じるように書いたつもりですが、分かりづらい所があればどうかお許しください。


しかし、宮川泰先生とヤマト音楽の素晴らしさを伝えたい!その気持に嘘偽りは有りません。
泰先生とヤマト音楽は本当に素晴らしいものです。


そして、個人的趣味全開で書いた駄文を最後までお読みいただき、本当に有難うございました。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新コスモタイガー曲について (やまと1966)
2024-05-26 22:21:48
新コスモタイガー曲が大好きでネットサーフィンの末こちら拝見しました 当方音楽素人でどうしても疑問に思っていたことがあり良かったらご教示ください 永遠にの中間補給基地攻撃時にかかるBGMは他のものと違うように感じます いかがでしょうか?
返信する
Unknown (a-ly)
2024-08-11 11:52:29
>やまと1966 さんへ
>新コスモタイガー曲について... への返信
すみません。しばらくblogをほったらかしにしておりました。久しぶりに投稿した際コメントに気づきました。
『ヤマトよ永遠に』のは1980年の劇場公開時の中間補給基地攻撃はモノラルでした。ソフト化されるときにステレオに置き換えられています。『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』で使用されたものと同じ演奏(「新コスモタイガー(BGM版)」)ですがステレオミックスとモノラルミックスで音の響きや楽器のバランスが違いますので、ご覧になった中間補給基地攻撃シーンがステレオ版であるなら違って聴こえたのかもしれません。
あるいは「他のもの」としての比較対象が『宇宙戦艦ヤマトIII』であるならば、IIIで使用されたうちの大半が演奏が違う「新コスモタイガー(音楽集版)」でしたので、当然違って聴こえますね。
ちょっとややこしいですがお分かりいただけたでしょうか?
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