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贋作・罪と罰 回顧録5(第十八場~第二十場)

2006-02-11 23:55:10 | 演劇関連
書くネタもないので、久しぶりに回顧します。
覚えてるかな~??無理かもしれない。(笑)

[第十八場]
舞台外での演技。
志士役の小松さん、進藤さんらが舞台の周りに。
才谷が少し高い椅子に座り、志士たちを上から見るような感じで話し始める。
椅子から降り、「お前らのように口先だけであってほしい。」の台詞とともに
村岡さんを抱きしめる。村岡さんはちょっと驚き気味の表情。

舞台上の端には聞太の姿が。
舞台の下から聞太に向かって溜水が話し掛ける。
人を集めず怠けていた聞太は、始めおどおどするが、自分が誉められていることに
気がつくと調子に乗り笑顔に。

聞太が喜び、はしゃぎ回っている間に
志士たちが舞台真ん中に椅子を運んできて、積み始める。
この積み上げられた椅子は幕府側と、倒幕側を隔てる門になる。
歴史の先頭に立て!と言われた聞太は積み上げられた椅子の上に飛び乗りポーズを決める。

スモークが多くたかれていて、物々しい雰囲気。
馬が走る音や、がやがやとした騒音が効果音で使われる。
倒幕側(溜水+志士たち)木製の椅子をそれぞれ持つ。
幕府側(都+マギー+美波+野田)に分かれる。幕府側は黄色の椅子を。
才谷は立場上、その両方を行き来し、時と金を稼ぐ。
キャスターのついた黒の椅子で才谷は移動。

倒幕側、幕府側の人たちは才谷の情報に従い、舞台外を移動し対面するが
才谷だけは椅子に座り、舞台の上をすいすい移動。才谷がこの騒ぎを動かしていることがわかる。

馬場先門→和田倉門→日比谷門・・・と騒ぎは続くが、
日比谷門まできたとき、先回りしては逃げられる、ということの異常さに溜水と都が気づく。
積み上げられた椅子越しに二人の会話。照明がほぼ二人だけを照らす。

二人の会話の最中、才谷だけが動いている。
舞台上空から、これもまた椅子を用いた箪笥?のようなものが降りてくる。
その箪笥に入っている箱に才谷は悠々と今まで貯めた金を詰めている。
ポケットから巾着袋を二つ取り出し、ジャラジャラと音をたて金を入れる。
金を詰め終わると、また舞台上空に箪笥は吊り下げられる。
その姿は溜水と都に見えている。

才谷の思惑はバレ、幕府側と倒幕側が衝突する。
通常客席側には幕府側。逆側に倒幕側。
幕府側のマギーさんと野田さんは二つの椅子を組み合わせて、砲台のようなものを作る。
そしてそれを積み上げられた椅子に向かって、勢い良くぶつける。
倒幕側の志士も積み上げられた椅子に向かって突入する。
椅子がバラバラと崩れ、人も誰一人といなくなり、荒廃とした様子に。
モクモクと煙がその場に立ち込める。

[第十九場]
その崩れた椅子に英が一人近づいてくる。
椅子の中に聞太の服を見つける。
一度はけていた役者さんたちが戻り、椅子を並べ始める。場面は聞太の葬式に。
清は黒い衣装を上から羽織っている。

木の椅子は三列ぐらいに並べられていて、志士たちが座っている。
黄色い椅子では棚が作られ、そこには智が持ってきた聞太の写真が置かれる。
葬式の写真だというのに、すっとぼけた顔をしていて、笑いを誘う。

坊主がやってきてお経を唱える。木魚は自分で口を叩いて音を出すので持っていない。

女将はお焼香の際、たかれた香を食ってみたり、振りまいてみたりと品のない様子。
それを見て「おい食ってるよ」などとツッコんでいた清と女将の口喧嘩が始まる。
女将が「キヨ、キヨ」と言うたびに、本能的に清は「ハィ」と返事をしてしまう。
取っ組み合いになるが、清の一人相撲。
興奮した清は、写真まで突っ込んでいき豪快に倒す。葬儀はめちゃくちゃ。
智に注意され、ふてくされたまま椅子に戻る。そこで葬式は終わる。

[第二十場]
印象に残る演出。こういうことするから両側から見たくなるんだって。(笑)
透けて見える薄い布が舞台を二つに分ける。
奥に聞太と溜水が。実は葬式の坊主が聞太で、袈裟を脱いだ姿で溜水と会話。
手前には志士役で小松さん、右近さん、進藤さん、マギーさん、そして英が。聞太の葬式の後。
話しているほうの照明が明るくなり、どちらも布越しにうっすらと見える。

志士たちは聞太の死で気勢が高まる。
しかし、「誰かが立て!」という台詞とは裏腹に、どんと腰を据えて座りだす。
英だけはそんな会話に見向きもせず、ただ父と向き合っていて、志士たちの台詞の後、すくっと立ち上がる。
右近さんが英に近づき、英をええわけないじゃないか運動の先頭に立たせようとする。
その様子はすべて、溜水と聞太に見えている。
娘を心配し、自分が生きていることを伝えたい聞太だが、溜水に止められる。

「やる時は一人でやるわ。・・・」と英が部屋を出て舞台の周りを歩く。
聞太が溜水に押し出され布をくぐって自分の葬式後の場面に出てくる。布はなくなる。

ニコニコしていた聞太だが、志士たちが自分が生きていることをまったく喜んでいない、
それどころか、殺そうとしていることに気がつく。
怖くなり、側にあった椅子を高く投げ上げ、その間に走って逃げる。
刺客が入ってきたときと同じ音楽。

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それなりに書けるもんだぁ。
言葉を見ると、なんとなく場面が浮かんできてくれる。
でもな、物足りないっていうか、正直・・・・・・・・・・大阪行きたい。(笑)

次の観劇予定は14日。[間違いの喜劇]。続く15日に[桜飛沫]。
16日はバイトのお疲れ会があり、17日は新しいバイトの研修を受けた後[労働者M]。
ぱぁっ!とお金を使う為、3連チャンで文字通り朝から晩までバイト頑張ります!

今のバイト先がなくなってしまうという実感が全くありません。
高3の1月からだから、1年1ヶ月続けてきたバイト。
良い友達もできました。働くって大変だな、ってことも学びました。
店長と喋ったりするのも楽しかったし・・・なくなったら寂しいよなぁ。

**自己紹介**

2006-02-09 22:44:11 | 自己紹介
そういや、自己紹介ってやってなかったからつくってみよう!

[ハンドルネーム]・・・なつ

[誕生日]・・・1986年7月14日

[学校]・・・東京都内の大学通ってます

[舞台にハマるまでの経緯]
TVドラマがとにかく好き。見る機会は減っているけど今も割と好き♪
    ↓
『カバチタレ!』・『恋ノチカラ』・『踊る大捜査線』などを立て続けに見て、
深津絵里さんのファンになる。
同時期『ビギナー』を見て、堤真一さんと松雪泰子さんのファンにもなる。
    ↓
WOWOWでの『カメレオンズ・リップ』放送を見る。
    ↓
舞台って面白ろ過ぎる!砂肝とかヤバイ!ってなる。
    ↓
でも、大人な世界な気がして劇場には見に行けない。
    ↓
生で松雪さんが見たくて、友達と『夜叉ヶ池』を見に行く。祝・初舞台。
    ↓
忘れもしない2004年12月22日。
野田秀樹の舞台『走れメルス-少女の唇からはダイナマイト!-』に出会い、
転げ落ちるように、一気に舞台にはまる。

[好きなドラマ]
きらきらひかる・カバチタレ!・ビギナー・踊る大捜査線
ロングバケーション・恋ノチカラetc
趣味偏りまくってます。(笑)

[好きな有名人]
野田秀樹(正直私の人生変えてくれた人。天才。女装姿も好き。笑)
堤真一(とにかくカッコイイ、そして真っ直ぐな俳優さんだと思う。)
深津絵里(憧れの人!自然な生き方が魅力的!)
松雪泰子(松雪さんにも憧れる!きらきらひかるの月山が好き。)
古田新太(面白い舞台には、必ずこの人が出てる。下品なのに笑、カッコイイ。)
段田安則(三郎役と都役で完璧に惚れました!)
浅野和之(上手いな~かっこいいなぁ~と思う。)
大竹しのぶ(芝居に賭けているのが伝わってくる人。大竹さんにもやっぱり憧れる。)
毬谷友子(天才女優だと思う。)
中村勘三郎(芝居が大好きな人!私も芝居が好きだから勘三郎さんが好き!)
中村勘太郎(雨乞い狐に感動。一生ついていこうと思う。)
生瀬勝久(声が、顔が、好き。)
天海祐希(凛としていて本当にかっこいい女優さんだと。)
藤原竜也(綺麗な人だなぁ・・・と男だけど。)
唐沢寿明(昔から好き。サッパリしている感が。奥さんも好き。笑)
勝村政信(なんかカッコイイ人。気になる人。)
松尾スズキ(こちらも気になって仕方ない人。生きてください。)
蜷川幸雄(挑戦し続ける姿が素敵。負けたくないと思う。笑)
長塚圭史(面白くてもつまらなくても、圭史さんの舞台はずっと見続けたい。)
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(私の目を舞台に向かせた張本人。)
三谷幸喜(12人~を見て、この人すご過ぎる!と涙する。やっぱり奥さんも好き。笑)
小林聡美(ってことで、奥さんも。いい女優さんだ~)
秋山菜津子(カッコイイ!そしてとにかく綺麗。さらに演技最高。)
高田聖子(約束を見て、同じ女として惚れました。笑)

まだまだ好きな人は増えていくだろうな。
増えるたびに追加していきます。
好きな役者さんがかぶっている方、テキトーにコメントいただけたら嬉しいです!

[性格]
山手線占い(日暮里)。当たってるのコレ!

他人に負けぬ武器を持つ、自信の一点豪華主義。

感受性が強く、極端に明るいときと悩んだときの落差が激しい人。
人に対する態度はソフトで温厚だが、内面には強いプライドを秘めていて、
驚くべきマニアックな知識を持っていたり、
ここだけは他人に負けないという強みを持っている。
真面目で曲がったことが大嫌い。
心根がやさしく、困っている人を放っておけない愛情深い性格。

当たってる。怖いぐらい。
落差激しいでしょ、プライドも強い。(笑)
マニアックな知識も持ってるっぽいし、真面目だし・・・(笑)
本当にこんな性格。

クールなんだか、熱いんだか、わからない人かもなー。
部活やってる時は頑張ってる人を「えぇ・・・????」って遠巻きに
ひきつった顔で眺めていることもあったし(最悪な女だ。笑)
かと思えば舞台には限りのない情熱注いでるし。
基本的に冷静なんだけど、人が笑ってくれるのが好きだから
面白いこと言ってみたり、カラオケではわざわざ盛り上げ役買って出たりも。

自分自身のことってよくわからないな。
自己紹介と銘打っといて、よくわからないな。で終わるのもどうだろう。
でも、終わりっ!(笑)

キネ旬おめでとう、私もおめでとう。

2006-02-09 20:20:18 | 日常生活/ひとりごと
堤真一さんがキネマ旬報の助演男優賞に選ばれました!
ちょっと前の話だけどね。でも嬉しい!おめでとうございますっ!!

堤さんとオダギリジョーさんは仲が良いらしく(きっとビギナーがきっかけ!)
オダギリさんは堤さんからのメールを見て、自分が主演男優賞を受賞したことを知ったそうです。
その際のメールが
「キネ旬おめでとう、俺もおめでとう。」
だったとか。なんか可愛いじゃないですか。(笑)

『私もおめでとう』ってタイトルつけてみましたが、
バイトの面接で即日採用もらっちゃいました☆ってことで私もおめでとう。(笑)
3月オープンの焼肉屋さん。七輪房ってところです。
オープニングスタッフってことで、「お店作りをやってほしい」と言われました。
初めてのことってやっぱり緊張するけど、まあそれはどこに行っても同じだからな~
時給も今までより高いし、頑張ります!

[神はサイコロを振らない]は!

2006-02-08 23:41:47 | ドラマ
やってしまったぁぁぁぁ・・・!!
[神はサイコロを振らない]の脚本は水橋文美江さんだったのかぁ・・・。
知ってたら最初から見てたのに。うん、そりゃ知ってれば見るよね。(笑)
さっきエンドロールだけ見て、水橋さんの名前を発見してショックをうける私。

[みにくいアヒルの子]・[ビギナー]・[光とともに~自閉症児を抱えて~ ]
あたりは好きで見てたな~。
[ビギナー]があったから、堤さんと松雪さんのファンになったと言っても過言ではない!
本当に良いドラマだった♪

舞台が楽しいからなのか、ドラマがつまらなくなっているからなのか、
その両方なのかわからないけど、今はドラマに対する興味が薄れている状態。
あ、好きな役者さんが、ドラマじゃなくて舞台や映画ばっかりに出てるっていうのも
ドラマ離れの理由の一つかも!今気がついた!
でも普通の人に比べたら、今の時点で十分マニアックかもしれないなー。
一度ハマると満足行くまでのめり込む性質が、反映してるわ。(笑)

毎回毎回舞台に話が飛ぶのもどうかと思うんだけど、[労働者M]も上演中だし
これはちょっと書いてみよう。
水橋さんは、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんと同棲していた方です。
なんか話題が舞台じゃなくて、ワイドショーじみてきたぞ?(笑)
[砂の上の植物群]のパンフレットでその事実を知り、どれだけ驚いたことか。
驚きすぎて心臓バクバクして(笑)開演までに落ち着かせるのが大変だったんだって。

あーなんか、浅草公会堂の前でロケしてる番組がやってるよ。

私のほぼ日手帳♪

2006-02-08 00:20:13 | 日常生活/ひとりごと
2006年ほぼ日手帳SPRINGが届きました!
嬉しいっ~☆
この手帳と私は1年を共にします!手帳!ヨロシク!(笑)
ほぼ日手帳についてはこちらからどうぞ。今日のダーリンだけは毎日欠かさず読んでます。
ちなみに去年の手帳はこの子↓

覚えてないけど、たぶん黄色に惚れ込んで買ったんだろうな。
後ろにあるのが、ほぼ日手帳!
サーモン?だっけな、オレンジにしようと思っていたけれど、
Loftで実物見たら赤のほうにビビッときたので、ナイロンレッドをお買い上げ。
実は昔からとんねるずが好きで、憲さんの絵の個展を見に行った際、
購入したポストカードを挟んでインクが紙に写らないようにして使ってみます。
ボールペンを使えば良い話なんだけど、どうしても無印の水性ペンが使いたくって。

2005年の手帳には私の楽しかった思い出がいっぱい詰まってます。
これは12月のページ。オレンジ色が舞台を見に行った日。(笑)きみどりがバイト。

今考えても、1600円で見た[母肝っ玉とその子供たち]はお得だったなぁ。
大竹さんの自叙伝買うのと値段変わらないもん。
自叙伝[私一人]は図書館で借りるとして(←結局読みたい。笑)、大竹しのぶを感じるなら絶対に演技みるべき!
かっこいいぞ~舞台の上の大竹しのぶは。女王様にだってなるんだから。(笑)
[蛇よ!]見たくなっちゃった、見ようか、これから。ジャコをお食べ。
まぁ、とにかく芝居に賭けてるのが、伝わってくる。
演劇なんて結局は娯楽かもしれないけど、
でもその一方で、ここまで賭けてる人がいるってことを感じちゃうと
自分も観客として、その人と真剣に向き合いたいとか思っちゃう。

6月が楽しみ。段田さんと共演♪ゴローちゃんも出るんですか?
そしてともさかさんも・・・。っていうかケラさんが演出??えぇ!?「見ろ」ってことじゃない。(笑)
[ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?]
ヴァージニア・ウルフってこわいんだか、こわくないんだかよくわからないけど、
私はチケットを取ることを想像するとこわいよ?

段田さんといえば、読売演劇大賞、最優秀男優賞の浅野和之さんと2票さだったみたいですね。
私は浅野さんか段田さんのどちらかに最優秀賞を受賞してほしかったから、
浅野さんの最優秀賞受賞はとっても嬉しい!!
おめでとうございます!浅野さん!!

・・・ということで、ってどういうことかわからないけど、手帳に話を戻します。
この手帳に日々感じたことを書き込んだり、書き込まなかったり。
そんなこんなで気がつけば1年を振り返ることのできる、
可愛いがり甲斐のある手帳にしようと思ってます!

最後にもう一回、ヨロシクね~手帳ちゃん!(笑)

2/5 労働者M(初日)1回目

2006-02-06 02:00:15 | 舞台感想
2006年2月5日 [労働者M](初日) Bunkamuraシアターコクーン

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:堤真一・小泉今日子・松尾スズキ・秋山菜津子
犬山イヌコ・田中哲司・明星真由美・貫地谷しほり
池田鉄洋・今奈良孝行・篠塚祥司・山崎 一


[労働者M]初日見てきました!
見終わって誰もが思ったことだろうな
 
・・・これをどう解釈しろと!?

重要な知りたい部分がごっそり抜けた物語。
というか物語ってないかもしれませんよ。
 
 革命の目的は?
 Mってなに?誰?
 2つの世界で舞台を進める理由は?・・・

全ての疑問に『?』がついたまま終わりました。
カーテンコールは1回のみ。劇場内には困惑気味の拍手が鳴り響きます。
「役者さんの姿はもう一回ぐらい見たいけど、でも舞台の意味がわからない~」
という、客席みんなの気持ちが顕著に表れた拍手のまばらさ。
脳内に疑問を抱えたままの拍手なので、だんだんとしぼんでいき、結局そのまま終演。

芝居が始まる前に(たぶん)明星さんと池田さんの前説がありました。
これはパンフレットを買って、ケラさんの挨拶を読まない人への
心配り&こんな芝居はどうですか?というお伺い立て。
パンフレットを買って挨拶を読んだ人には、前説いらないかも。

とりあえず、コクーンのHPから引っ張ってきたあらすじです↓

 そう遠くない未来。
 三年前に終わったばかりの戦争で、人類はその数の約7割を失った―。
 ある国の“収容所„がこの物語の舞台。
 “収容所„を管理する組織はかつて収容されていた人々で構成されている。
 昨日まで収容されていた者が、今日は収容する側に回ることもあり、
 明日は再び収容される側に戻ることもあるのでそこには多くの混乱が生じるのだった。
 最高幹部の何人かの地位は安定し、彼らは決して管理される側からはずされることは
 ないと思っていた。トップの位置にいた男が消息を絶つまでは―。
 とたんに揺れ動く組織の人間関係。崩れ落ちる足場。
 サイレンが鳴り響き、囚人達の反乱が始まる―。

・・・ということですが、この収容所プラス、自殺相談所でありながらねずみ講を行う
善意で成り立っているのか、悪意で成り立っているのかわからない会社。
この二つの世界を中心に芝居は進みます。
役者さんは、前触れ通り、2つの世界の人物を演じ分けます。

2つの世界が舞台上で同時進行ということになれば、
その世界が終盤に向けてリンクしていくのかな?などど期待しがちでしたが、
セットが変わらないという繋がりはあるものの、話としてはたいしてリンクせず。
ただTOPに立つ人物が不在ということだけが、リンクしていると言えば、しているのかな。

セットは、回り舞台。
中心に鉄骨が組まれていて、鉄骨を軸に回わっているような感じ。
壁はそれこそ未来的なコンクリートのようなもので出来ていて、殺風景。
これぞオフィス!というような机や椅子、ファイル、コピー機などが置かれている部屋。
丸机と椅子がある休憩室。
2段ベッドが2つの仮眠室。
だいたいこの3つの部屋が、収容所にも、会社にもなってました。
あとは両端に高い階段があって、その階段2つは渡り廊下のように繋がってます。
そうだ、そうだ、これも忘れちゃいけない。
カメリプの時のような(って言っても見てないので想像です。笑)スクリーンも使われます。

私はケラさんの[カメレオンズ・リップ]という舞台を映像でですが見て、
その面白さやかっこ良さに憧れまくって、舞台に興味を持った人です。
カメリプを上演したBunkamuraシアターコクーンという劇場にも憧れまくりました。
ロシア語ですか?あれは。まあ仮にロシア語として、
そのロシア語で出演者を紹介する映像がスクリーンに映し出されるんですが、
それだけで嬉しくてニヤニヤしちまいました。(笑)
「今、私コクーンでケラさんの舞台見てる!!」
という実感があってのニヤニヤ。
オープニングが、めちゃくちゃかっこいいんです!!
労働者Mというタイトルにもなった曲を、出演者全員が歌う。かっこ良さに鳥肌。
どことなく洒落た感じのケラさんの舞台の雰囲気と、シアターコクーンという劇場が持つ雰囲気。
この2つのあわせ技を感じられただけで、私は幸せ。
カメリプを映像で見たときの感覚と一緒でした。

まぁとにかく本当に、訳のわからない、意味のわからない舞台でした。(笑)
そこでケラさんのこの言葉。
 
『そろそろ、分からないことを味わったり、
  理解するためにさまざまな感覚や思考を駆使する作業が、演劇を観る楽しさに加わってもいいですよね。』

なるほど!
終演後、わけわからなかったというモヤモヤを少しでも解消したくて、
友達とコーヒー飲んで帰ってきたんですが、そこでパンフのこの言葉を見て、
この舞台を楽しむヒントを得たような気がしました。モヤモヤが晴れた!

見終わってすぐは『どうすりゃいいの!?!?』って本気で思いましたが、
『どうすりゃいいの!?!?』を自分でどうにかしていく面白さがあるかな、と。
重要な部分がぽっかり抜けているのなら、そこを自分で埋めればいいじゃん、みたいな。
ケラさんは、断片的に話を見せて、私たちがその断片を補いつつ1つに繋げてみる。
だから、観客一人一人違った[労働者M]を創ることができるんじゃないかと思います。
この楽しみ方はケラさんを全力で肯定してこそ、成り立つ楽しみ方かもしれません。
ちょっとでも否定すると前説でもあった通り「9000円返しやがれ!!」ってことになり兼ねない舞台かも。(笑)

私にしてみれば、そもそも好きな役者さんがたくさん出ているので、
それだけで満足する部分もあります。
堤さんの髪がいつもより茶色く見えたんですが、照明のせいなのかな、それとも染めたのかな?
・・・というように、堤さんが見れればそれだけで嬉しいんです。
松尾さんの痙攣が見れたり、秋山さんが見れたりすれば、さらに嬉しい。(笑)
だから「金返せ!!」とは思わないけれど、
見たからには正直、払ったお金以上の何かを得たいという欲がある。
ってことで、私はケラさんを全面肯定してこの舞台を楽しみたい!

あ、ラストは瓦礫がどっさり落ちてきて[幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門]を思い出したな。

各演劇雑誌などのケラさんのコメントを見ると、
「今までとは違う笑いを目指したい」というような内容のことをおっしゃっていますが、
違うな~という印象はそこまで受けませんでした。
犬山さんの笑わせっぷりは最高でした。

私の[労働者M]を構築すべく、あと3回観劇予定。

一幕2時間強、休憩15分、二幕1時間5分の3時間半の舞台。

パンフレットは1800円。ポスターが700円か、800円だったかな。
その他DVDなどの物販あり。

間違いの喜劇が良い感じに楽しみ。

2006-02-04 23:36:36 | 演劇関連
[間違いの喜劇]がすごく、ゆるーい感じで楽しみで、
そのゆるさがまた良い感じです。

以前ゆるーいワクワクと、ゆるーい高揚感を持って臨んだ舞台が
[歌わせたい男たち]。二兎社、永井愛さん、朝日舞台芸術賞グランプリ、戸田恵子さんも賞を貰ってたな~。
[歌わせたい男たち]は、自分的に最高の状態で見れた舞台でした。
楽しみにしすぎて、緊張しちゃうとか、そういう妙で余分な力みもなく、
だけど楽しみでちょっとドキドキする・・・といった感じで。
[間違いの喜劇]もそんな状態で見れるんじゃないかな、という予感がします。

2005年、蜷川幸雄を追いかけきれなかったことが、ちょっとした後悔として残ってます。
近代能楽集とか見なかった・・・。
なので、2006年は追いかけ回って全部見て、『蜷川幸雄2006』を感じられたらいいなと。
ってことで[タイタス・アンドロニカス]と[白夜の女騎士]も見ないとね。
タイタスはもうチケット入手済み!
「1年通しての僕を評価してほしい。」と蜷川さん自身がおっしゃているので、
じゃあ、私も観客の一人として、一年通して見続けようじゃない!という、なんか意地かな?もう。(笑)

蜷川さんは、演出家として、人間として・・・若い世代に伝えるモードに入っているんじゃないですかね。
役者として蜷川さんの思いを受け取っているのが、
藤原竜也さんだったり、小栗旬さんだったりするわけで。

私は役者じゃないけれど、でも観客として蜷川幸雄(の舞台)と真剣に向き合えば、
絶対得られるモノがなにかあるんじゃないかと思っています。
蜷川さんは熱いから、私も同じぐらいの熱さを持った観客でいたいと、舞台を見るたび思います。

パンドラの鐘etcチラシGet☆

2006-02-03 20:54:54 | 演劇関連
昨日は、大学の周りを友達と一緒に散策しました。
御茶ノ水から水道橋、せっかくだから東京ドームに後楽園・・・

その後九段下まで行き、興味本位で靖国神社まで足を運ぶ。
2時間は歩き回ったんじゃないかな?
最後は、ロイヤルホストでパフェ食べて帰りました。

パフェ食べたのなんて久しぶり・・・って歩き回った意味が自分でもわからない。(笑)
でも、すっごい楽しかった♪
色々勉強しなければいけないことが、山ほどあるんだなってこともしみじみ感じました。

散策途中の古本屋で演劇のチラシを発見。
[パンドラの鐘(野田版)]・[ローリングストーン]・[野田秀樹の十二夜]の3枚を各105円で購入。
それだけには納まらず[定本・夢の遊眠社]も3700円ほどで購入。
この本、いずれ買ってしまうような気はしていたけれど、そのいずれが昨日だったとは・・・
堤ファンで、野田ファンで、そのうえ天海祐希さんが好きな私にとって、
[パンドラの鐘]のチラシはたまらん品物。
     。
     。
     。
     。
     。
・・・っていうか、オタクじゃん?私。ずっと前からそのことには気がついていたけど。

オタクはオタクでもオタクっぽくないオタクだとは思うんだけどなぁ。

なんていうか、眞鍋かをり的なオタク。(笑)

眞鍋さんのブログ、読んでます。面白いですよね。

さーて、21時からは金スマ見るでしょ!最近大竹しのぶさんが好きです。

贋作・罪と罰 回顧録4(第十五場~第十七場)

2006-02-02 21:47:05 | 演劇関連
最近[贋作・罪と罰]初演のDVDを見ました。見ましたっていうか映像は見てないんで、聴きました。
(ビデオに録画したやつを、DVDに落としたモノです)
・・・今回の再演が、私の中で生きていることを実感!
聞こえてくる声は大竹しのぶさんや、筧さんの声なのですが、
松さんや古田さんの声に脳内変換されて、頭の中にはそのシーンの映像まで浮かぶ!
なんだか一人でスゲェと感動しました。(笑)

[第十五場]
英らは脇の椅子にはけるていなくなる。
舞台上はまるで引越しでも行われているよう。
また棒で部屋の中と外が分けられている。
清の指示に従って、小松さんらが椅子を2脚運んでくる。
舞台奥には、金色のぎりぎり3人掛けの椅子。手前にはピンクの派手な椅子。
金色の椅子に清と智は座り、清、お金持ちの生活を再現。
野田さんは大きなテレビを見てデュークの真似をしたり、
「市村さんがねぇ・・・」と呟くなどと、自分を棚に上げたアドリブを入れる。

呼び鈴が鳴る。

溜水だと思い、甲斐甲斐しく下手の棒の前=玄関まで出迎えに立つ2人。
しかし、玄関に立っていたのは聞太で、2人の表情は一変する。
聞太は金色の椅子に腰掛けるが、「結納」の言葉を聞き、また立ち上がる。
今度はピンクの椅子に座りなおし、定職についたことを告げる。
椅子に座った聞太の匂いを、清は大げさに嗅ぐ→しらふだとわかる。
定職についたことを確信した清は、喜びのあまり聞太に熱烈なキスをする。(笑)
キスの後、たいてい2人は素に戻った表情を見せ、客席は笑いでいっぱいに。
初日は3回ぐらいキスしてたし、私が見たどの回でも熱烈キスはありました。
中村さんの「・・・思ったより柔らかい。」のアドリブ後、芝居再開。
3人で抱き合ったり、清と聞太はマグロよりでかい尾頭付きのいわしを持っている・・・
などの嬉しさを表す動きを。

呼び鈴が鳴る。

舞台の周りを英と才谷が駆けてくる。
聞太・清・智の3人が幸せそうに並んでいる姿を見て、耐え切れなくなった英は
3人を突き飛ばし、家を出る。
突き飛ばされた3人は舞台中心に突っ伏す。
照明がひし形の舞台の輪郭だけを照らし、部屋の中と外が明確に分けられる。
舞台の周りを半周ダッシュする英を、才谷がダッシュで追う。
このとき、才谷はポケットに詩集を入れているのだが、初日では途中で落とし、
これまだダッシュで取りに戻っていた。(笑)

舞台奥で二人は立ち止まり、才谷は英に詩集を渡す。
この詩集も白い紙でできている。
下手に移動しながら話が続く。
会話の中で、才谷は英が老婆殺しの重要な情報を知っている事に気がつく。
英は才谷の方向を1度も見ずに「やっとわかった?」と一言。


[第十六場]
英たちははける。
照明が部屋の中を照らし、突っ伏していた3人が起きる。
今度こそ溜水が入ってくる。
清が、溜水を出迎え、ピンクの椅子に座るよう促す。
金色の3人がけの椅子には、清-智-聞太の順で座る。ちょっと緊張気味にうつむく3人。
顔を上げたとき溜水、聞太は顔見知りであったので大げさに驚く。

智が「結婚を決めたわけじゃない」という台詞を言うきっかけとして、
椅子から立ち上がり、連れて清・溜水も立つ。
智-溜水という直線状の言い合いが始まるが、それを聞いていた清が二人の間に割り込み
智-清→溜水の並びとなり、いちゃもんをつける。

自分の今いる部屋が才谷のものではなく、溜水のものだと知った清は激しく狼狽。
(野田さん独特の高くて可愛い?声で衝撃を表現)
清は椅子に座ったまま一部始終を傍観していた聞太を無理矢理、溜水の前に連れて行き
文句を言わせようとするが、頼りない。
そのまま智の手を取り部屋をでようとするが、その瞬間、溜水は英の話をし始める。
部屋を出ようとしていた清は、部屋の中心に戻り、溜水の話を非難し、また部屋を出る。
(舞台周りを歩く清・智)
部屋に残された聞太は溜水と二言三言会話をする。

上手側まで歩いてきてた清と智に照明があたり、歩きつつの二人の会話。
「英は言うことなすこと、一度も間違ったことがないよ」という台詞を舞台奥で清が言う。
照明が暗くなり、役者さんが椅子を脇に運び出し、舞台上は何もない状態に。


[第十七場]
上手から英、下手から都が入ってくる。
英はぷちぷちを円柱状に丸めた物を持っている。
中には青白く発光する何かが入っていて、光る。これは机に見える。
都は木製の椅子を持ってくる。
 ドンッ
という厳しい音を立て、2人は持っているものを置く。2人の表情は堅い。
警察署の取調室に変わる。

都は土下座して英を出迎えるが、英は完全に無視。
机の上に、書類を差し出す仕草を見せる。
が、都はその書類に全く目を通さず、ただ受け取る。
書類ではなく、英を追い詰めることに集中しているという都の心情がみえる。

「・・・ろうそくの火に寄ってくる蛾ですな・・・」
の都の台詞の時、暗闇に近い状態になるように、照明が徐々に暗くなっていく。
舞台中央に青白く光る机と、英、都の表情だけが浮かぶ。
暗闇の中のわずかな光が、英の心を表しているかのよう。

「許せないわ!・・・許せないわ!!」
と英が以上に騒ぎ始め、都は落ち着けるため、舞台奥の椅子に座らせる。
英の呼吸する音が響く。

英が立ち上がると、騒々しい音が聞こえてくる。
(控えている役者たちがそれぞれ声を出す)
それを聞き、腹をくくった英はどっしりと腰を据えて床に座る。

目付が上手にあった棒を倒し、仁助をつれて慌しく入ってくる。
「俺がやったんだ・・・」と自供する仁助を、都は完全に否定。
その様子をしっかりと見つめる英。
目付と仁助は都に従い部屋を出る。

英は立ち上がり「形式に従わない方法は・・・」と都を指差しながら話し始めるが
その手は小刻みに震えている。
都もまた英を指差しながら話し始めるが、やはり震えがとまらない。

都は椅子にはけ、英の独白。
セピアがかった照明の中、英の姿だけが残る。
「あんなしらみを殺したからってなんだっていうの」
という台詞とともに、円柱状のぷちぷちを横にして、舞台外に蹴飛ばす。
英の怒りが伝わってくる場面。
このあたりから、英の辛さが増してくる気がする。
独白後、松さんは段田さんの近くの椅子にはけるのだが、
その時、先に座っている段田さんを明らかに睨めつけていた。
8回目に見た時、その睨めつける姿に気がつき、ゾクッとした。

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2月5日を過ぎると、頭の中が野田モードから堤モードに変わっちゃう気がするから(笑)
それまでには回顧録終わるといいな~ってあと2日しかないじゃん。
[走れメルス]を見て野田作品に惚れ込んだ私は今回の[贋作・罪と罰]を見て、
実は、頭の中大混乱しています。
2つの作品のギャップがあまりにも激しくて、
なにをもって野田作品に魅力を感じていたのかが、わからなくなったというか・・・
『野田秀樹』という名前に、付加価値をつけすぎていたかも。
『野田さんの舞台だから面白いはず・・・面白くなきゃいけない。』という思いがあった。
気づかぬうちに、この思いにがんじがらめになっていたので、その結果の大混乱。
でも昨日寝る前に、大竹しのぶ×野田秀樹の[売り言葉]を見ました・・・っていうか、また聞きました。
それで、やっぱり私は野田さんが紡ぐ言葉が好きなんだな、と実感できた気がします。
好きだと言う気持ちと、冷静さを共存させなきゃ、次回作ではさらなる大混乱が待ってるかも。
・・・それはまずい気が。(笑)

もうすぐ初日!労働者M!

2006-02-01 23:24:54 | 演劇関連
もうすぐ[労働者M]の初日!
[吉原御免状]が終わったと思ったら、すぐ次の舞台が発表されて、
堤真一ファンとしてはうれしい限り♪
やっぱり堤さんは舞台が一番カッコイイ。もう、断言できる、これは。
コクーンで配布されている、BunkamuraMagazineの表紙が
堤さん、小泉今日子さん、松尾スズキさんの3人でした。
・・・ので、思わず2部貰って来ちゃった。(笑)良い感じの表紙。

[労働者M]もうすぐ初日ですが、どんな舞台になるのか全く想像がつきません。
この想像のつかなさが、ものずごく楽しみです。