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11/24 イヌの日

2006-11-25 00:49:17 | 舞台感想
2006年11月24日阿佐ヶ谷スパイダース『イヌの日』@本多劇場

作・演出:長塚圭史

出演:内田滋、剱持たまき、八嶋智人、大堀こういち、村岡希美
   玉置孝匡、松浦和歌子、水野顕子、大久保綾乃、中山祐一朗、
   伊達暁、長塚圭史、美保純

あ、これはチラシ通りの舞台だな、と。

「ちょっとこの子危なそーだな」っていう少年が、
笑みを浮かべながら、自分だけの箱庭で遊ぶ。

それが、成長して大人になってからも続いている。
そこが怖い。
そんな話。

母と息子の愛情の行き違いの話。
っていうと、まぁ簡単かな。
私はそういう話だと、かろうじて解釈した。
かろうじてってところが、あれだな。

母が男に身体を売る女で、それを許せない息子。
母も息子もお互いに愛し合いたいのに、
不可能な状況にあるから、悪循環に陥っていく。

母は自分が息子に嫌われても仕方ない女だと、
自分に納得させるため、更に身体を売る。
だから、息子も狂い続ける。
狂った息子は、小学生の時の同級生や、
母と関係を持った男を、防空壕に監禁する。

防空壕=箱庭。

舞台美術が凄く面白かった。
2階建てのようになっていて、上は普通の家。
下は、防空壕。
そしてこの2つが赤いラインで区切られている。
この感じからして、演劇的でちょっとわくわくした。

息子、中津役の伊達さん。
正直私、この人の演技、あんまり好きじゃないかもしれないなぁ。
あまりにも癖がない。
というか、癖がなさ過ぎるのが癖っていうか、
良くも悪くも普通な気がする。
どこにでもいそうな青年が、舞台の上でただ単にキレてた。
っていう風にしか見えてこなくって、物足りなさを感じた。

中津の母、美保純さん。
初めて見た。
で「なんかいいな。」と思ったので、ちょっと調べてみた。
なるほど。
言っちゃあれだが、この役には合ってるのか。
大胆さも見ていて気持ちが良かったし、
とんでもねぇ母親なんだけど、
息子を愛したい。愛されたい。っていう、
母親の想いも結構伝わってくるものがあって、
しかも、声がハスキーでそこがまた良くって・・・
なんかうん、良かったんですw

女優陣で目を引いたのはやっぱり、村岡さんかな。
村岡さんがいると、本多劇場でやる“演劇”になる気がする。
雰囲気が好きだ。
ぶっ飛んだ存在なのに、ぶっ飛んだ先で、自然に収まってくれる所がいい。
ぶっ飛んでるのに自然。
っていうそのギャップが不安定で面白い。

阿佐ヶ谷スパイダースって事で中川さんと、圭史さん。
圭史さんの役者としての魅力は、未知数。
出番も短いし、よくわからん。写楽考見よう。
中川さんは、役がハマれば、もの凄い爆発力を発揮するだろうけど、
イヌの日でだと、ホント、すれすれだ。
あと2歩間違えれば、客席引くんじゃないかと思う。
『小鹿物語』のゲルハルトとキャラ的にあまり変化が感じられない。
でも、あのキャラは癖になるかも。

内田滋君は、私の注目株です。
(偉そうに、注目株とか言ってしまってねぇw)
まだまだ成長しそうな、本気の美青年。(笑)
あれだけのルックスを持っていながら、
舞台にばかり出演している彼は、すっごい興味深い存在。
良い意味で何にでも染まりそうな所も良い。
蜷川演出、かと思えば大人計画、新橋演舞場を経て、今度は阿佐スパ。
うーん、面白い。
滋君は野田地図もいけそうな感じがするな。

伊達さんに感じたような、普通過ぎる。っていう物足りなさも
若干感じはしましたが、かっこ良いんで、いいです。

結局顔か。(笑)

あぁ、そうだ八嶋さん。
八嶋さんはなんであんなにテンションが高いんでしょう。
あり得ないテンションの人間になっていた八嶋さんを見て、
「・・・うわっ、ヤバイ人を見てしまった。」
という気持ちになりました。
それだけで、八嶋さんがこの舞台に出る意味はある。
起爆剤。

舞台全体としてはどーなんだろう、これ。
私は『アジアの女』の方が、スッキリしてて、
尚且つガツンときたので好きです。
『イヌの日』は無駄にゴチャゴチャしている気がしました。
嘘で騙すところとかあってもなくても・・・
長い。お尻痛いもん。

最初にも書いたように、
「かろうじて」自分の中で結論に辿り着ける。
でも、「かろうじて」よりも、力技でねじ伏せられたい。
『LAST SHOW』と『アジアの女』が、
私としてはガツンとやられた圭史さんの舞台です。
面白かったり、つまらなかったり、っていう落差が激しいかもしれないな。
そこがまた観る側としては面白い。
その時の作品がつまらなかったとしても、
長塚圭史の舞台は次も観たいと思えるし。

『イヌの日』は普通かなぁ。
飽きずに2時間35分見れたのは確かだけど、
何か心に衝撃を受けたか。と言えばそうでもない。
ちょっと、芝居が学芸会チックだったのも気になった。
芝居を締められる人が大堀さんと、村岡さんぐらいしかいなかったと思う。

ウドっぽい麻薬なのかよくわからない植物の存在だとか、
使い捨てカメラのフラッシュだとかは、刺激的だった。
でも麻薬が話に強く絡んでくるかっていうと、そうでもなかったし、
写真を撮る意味も、良くわからなかったけどね。

あっちにもこっちにも小ネタが転がっていました。
性のあれこれだったり、麻薬的植物だったり、親子の問題だったりと・・・
ラストは、その小ネタの1つや2つに向って、
ぐっ!!と話が収束していくんだろと、そこに期待していたんですが、
(ここの無理矢理繋ぎ合わせて、客をねじ伏せる所が衝撃的で面白い。)
収束せず、散らばったまんま終わってしまったように感じたかな。


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にしても、寒いな。
最近めっきり冷え込んできた。
寒いのは嫌い。
早く暖かくならないかなぁー(笑)
気が早いなんてそんな事は言わないでください。
ホント、寒いのはダメだ。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ピース)
2006-11-25 23:04:46
美保純さん結構好き~。
あんなに歌舞伎町が似合う女優は居ないww
返信する
Unknown (なつ)
2006-11-25 23:49:01
★ピース★
そうだ!その通りだった!
まさに歌舞伎町って感じ!
“歌舞伎町って感じ"が役にハマってたよ。
返信する