私たちは脳という物質の働きによる非物質的な心のもとで行動を制御しているように見えます。
このとき、
脳という物質がなぜ心という非物質を作り出せるのか、
物質と非物質という異質のもの同士がなぜ影響しあえるのか
という問題が生じます。
これがハードプロブレムと呼ばれる心身問題です。
心身問題に関して長年にわたり哲学、心理学、脳科学などで盛んに議論されてきましたが、未だに回答が得られていません。
一方、脳神経回路網を数理モデル化したニューラルネットが急速に進化しています。
深層学習を利用したAlphaGo(アルファ碁)や感情理解ロボットPepperがその例です。
このニューラルネットは、複雑な回路網で実現されています。
網同士は、シナプスに相当する結合素子で相互に結合されています。
結合素子の値は、ネットへの入力情報と出力情報との関係で随時更新されていきます。
入力情報および出力情報は、ロボットの行動により多種多様に変化します。
言い換えると、入力情報および出力情報の変化が結合素子という物質に影響しているのです。
このようにニューラルネットには、情報と物質という異質なもの同士の相互作用を
実現する仕組みが組み込まれているのです。
以上が、ニューラルネットは「人心問題は擬似問題である」ということの証明です。
心身問題では、脳という物質と心という非物質とを直接関連させていることにも問題があります。
何故なら、そこでは脳回路網に縦横に流れている情報の部分を無視しているからです。
この情報こそが脳と心を仲介しているものであり、無視できるものではありません。
心身問題には意識という概念が登場しますが、この意識の科学的定義もありません。
議論している当事者同士が思い描く意識の定義がばらばらなのです。
心身問題を解決できない理由がここにもあるのです。
言い換えると、心身問題には科学的解決は不可能なのです。
詳細は、パソコンサイト 情報とは何か 情報と物質の関係から見える世界像 を是非ご覧ください!
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