情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

客観と主観のあいだにあるシステム観

2021-12-14 17:29:33 | 人工知能・意識・脳科学
物理現象は客観的なもので、物理法則で厳密に説明できます。
これに対して心理現象は主観的なもので物理法則では説明できません。
客観的なものか主観的なものかのどちらかしか実在しないとするのが従来の考えです。

実は、この両者のあいだにあるのがシステム観と名付ける概念なのです。
コンピュータやロボットなどのシステムに欠かせないのが情報です。
この情報概念はシステムが定義して創発するものであり、客観的なものではありません。
そもそも、物理学には情報概念がないのです。
物理法則では情報に関する現象を説明することは出来ません。

コンピュータやロボットなどに関する現象を説明するためには、計算規則や判定規則などの情報則と名付ける規則が不可欠なのです。
システムにおける情報、計算規則、判定規則などはシステムが定義するものです。
従って、コンピュータやロボットなどに関する現象はシステムに依存します。

この依存性は、客観と主観のあいだにあるものなのでシステム観と名付けます。
敢えてシステム観という概念を持ち出す理由は、意識という捉えどころがないに関する主観の謎の解明への橋渡しになると思われるからです。

ロボット達が異なる環境で行動すれば、ロボット達に異なる個性が出現します。
これは人間の個性に対応するものです。