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福島県立博物館 館長講座 2018年4月スタート「東北の文学者たち」①②覚え書き

2018年05月28日 | 会津民俗研究会、民俗学

第1回 吉野せい(福島県いわき市出身)

吉野せい作品集「洟をたらした神」読了

と言いたいのだけど、まだ、もうちょっと。

マイペースにゆっくり読み進め、明日中には読み切りたい

今日の時点で、あと40ページほど 

 

一回目の講座前、夫が涙したという「梨花」を朗読してもらった。

吉野せい作品集「洟をたらした神」16作品中の一作品

 

聞きながら泣いて泣いて、

受講中も泣いて泣いて、

終了後に館長とのお話し中も泣いて泣いて、

この日は泣き専門家かのように、泣きっぱなしだった。

 

第2回 斎藤茂吉(山形県上山市出身)

参加した夫が録音してくれた館長の音声とレジメで、本日おうち受講。

 

     

 

・・・緑色部分はレジメからの引用・・・

『東北知の鉱脈』連載27 斎藤茂吉/極楽を携えた歌の人 著:赤坂憲雄

 好きな短歌はなにかと問われて、
 とっさに、斎藤茂吉の「死にたまふ母」のなかの一首をあげたことがあった。

という、福島県立博物館 館長の赤坂憲雄氏のエピソードから始まる。

 茂吉は、「くれなゐの茂吉」と呼ばれたほどに、
 『茂吉の赤色嗜好は強く、その作中には多く用いられ、作品に精彩を与えるものとなっている』
 (新潮日本文学アルバム『斎藤茂吉』)

「死にたまふ母」の一首から、

"のどき”玄鳥(つばくらめ(ツバメ))、

「地獄極楽図」の十一首からは、

もろもろは裸になれと衣剥ぐひとりの婆の"口き"ところ、

"き池に"ひとりぼっちの…、

亡者たちから着物を剥ぎ取る 奪衣婆( ↓ 写真あり) の"まっな口"、

"まっな"血の池地獄……

赤、赤、赤、あか がいっぱい  赤色嗜好さがよくわかる。

 

茂吉の第一歌集は「赤光(しゃっこう)」

そして最後の歌集は「白き山」。

 赤から白へ。

 

背広を着て、右手にこうもり傘、左手に(極楽という名の)バケツ、

これ、茂吉スタイル。

小便が近く持ち歩いたバケツがマイトイレ。

  内側はコールタールでコーティング 

  こだわりどころがおもしろい

(一見 ではないのかな野人と言われる茂吉

素朴な田舎のひとではあるが、精神科医で歌人。

ものかきってやっぱり、おもしろい(ステキな変人)ひとが多いよね。

 「田舎」とは、わたしにとって自然が多くのんびりできて住みやすい場所

 ちなみにわたしは震災ボランティア後、

 東京からわざわざ田舎(福島)に移住しました

 

 

死にたまふ母」 其の三 ・ ・ ・ ・ ・ ・

楢(なら)わか葉照りひるがへるうつつなに山蠺(やまこ)は靑(あを)く生(あ)れぬ山蠺は

日のひかり斑(はだ)らに漏りてうら悲(がな)し山蠺は未(いま)だ小さかりけり

葬(はふ)り道(みち)すかんぼの華(はな)ほほけつつ葬り道べに散りにけらずや

おきな草口(くち)あかく咲く野の道に光ながれて我(われ)ら行きつも

わが母を燒(や)かねばならぬ火を持てり天(あま)つ空(そら)には見るものもなし

星のゐる夜ぞらのもとに赤赤とははそはの母は燃えゆきにけり

さ夜ふかく母を葬(はふ)りの火を見ればただ赤くもぞ燃えにけるかも

はふり火を守(まも)りこよひは更けにけり今夜(こよひ)の天(てん)のいつくしきかも

火を守(も)りてさ夜ふけぬれば弟は現身(うつしみ)のうた歌ふかなしく

ひた心目守(まも)らんものかほの赤くのぼるけむりのその煙(けむり)はや

灰のなかに母をひろへり朝日子(あさひこ)ののぼるがなかに母をひろへり

蕗の葉に丁寧に集めし骨くづもみな骨瓶(こつがめ)に入れ仕舞ひけり

うらうらと天(てん)に雲雀は啼きのぼり雪斑(はだ)らなる山に雲ゐず

どくだみも薊(あざみ)の花も燒けゐたり人葬所(ひとはふりど)の天(あめ)明(あ)けぬれば

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

死んで燃やされた母の肉体と火の赤色。

忘れられない光景。

茂吉の中で消化出来ぬ母の死と、

その後、昇華して行くさま。

 赤から白へ……

こんな風には書けないからせめて

いつか読んで、自分の一部にしたいと思った。

 

     

 

今日はなんとなく、周囲に散らかりっぱなしにしていた小モノ達を片付けてすっきり。

中身が不明だったSDカードの写真を整理していたら見つけた

ちょっとタイムリーなこの写真を一緒にアップ。

 

 

久々のブログ更新は、館長講座受講の覚え書き。

 

あら、お空の月がぽっかり真ん丸。

今日か明日かは満月か。

 おうち受講後の奪衣婆の写真発見でここにいたる。感謝。

 

それでは、また 



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