英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文では、一部のホモ・サピエンス(Homo sapiens)が、通説より数万年早い、少なくとも10万年前にアフリカ大陸を離れていたことを示す初の遺伝学的証拠を提供している。

 この明白な証拠は、人間の化石ではなく、あるネアンデルタール人の骨に基づくもの。ロシアとモンゴルの国境付近に位置するシベリア(Siberia)南部のアルタイ山脈(Altai Mountains)の洞窟で発見された、このネアンデルタール人のゲノム、正確には21番染色体に刻まれていたのは、人間のDNAの痕跡だった。

 これは、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人との間の異種性交渉が確認された最古の事例になる。

 論文によると、さらに意味深いのは、この発見により、われわれの祖先が・・・