ピロソピア愛知

幼年期のピロソピーかんがえる

セミの幼虫をつって 羽化の観察

2013-07-10 | 半翅目 カメムシ・セミのなかま



 なつだ! セミがあっちでもこっちでもウワ~ンワ~ンと大がっしょう!のなつだ! 

幼虫を釣って(採集)、その幼虫がかえって(羽化)、おとなのセミになる、ところを観察しょう!



● セミの幼虫がいるばしょを見つけよう! どこをさがせばいいのだろう。

○ 時間にもよりますが、たくさんのセミがないているところ。

○ セミの脱けがらがあるところなどですね。


 セミしぐれが ゥワ~ンゥワン ふりそそぐ林や山、こうえんなどの木のねもとを見てみよう。

ほら!10円玉くらいの穴が! 2つ3つ~あいてる! これは、幼虫が出て行ったあとです。

アナは日一日とふえて、あなあなあなあないっぱいになっていくよ。

まわりの植え込みにはセミの脱けがらがたくさんあるでしょう。


● アナ! これだ!あるあるある!


 そのあなは ながいあいだ土の中でせいかつしていた セミの 幼虫が羽化のために はいだしたあとだよ。

幼虫が、この中でっ! この木の根っこの汁を吸いながらっ! 大きく育っていった!



● ゆうがたから よなかにかけて そのちかくから 幼虫が じめんにあなをあけて出てきます。

そして、あんぜんな木のえだなどにのぼって、羽化します。

そして、はねをのばし かわかし ひとばん~ かけて かたいからだになり、とびたちます。



● 土の中には羽化する日を待っている幼虫がいますよ。

そのばしょを 明るいうちに見つけておき、夕方暗くなるのを待って幼虫とりに出かけましょう。




● 羽化を観察するには

① そのばしょで、なりゆきどおりに、しぜんのドラマを観劇します。 
 
② 幼虫を捕まえて家につれかえり、おちついて、じゅっくり、こまかく、観察します。


*両方の方法で感動の体験をいっぱいしましょう。どちらも蚊対策が必要です^



● 土の中にいるセミの幼虫は羽化のときが近づいてくると

地上に向かって真上にのびるトンネルをほり、このトンネルを上り下りしながら、外のようすをうかがい、地上に出る日を待ています。

そして夕方からよなかにかけて「今がそのときだ!」とばかりに、トンネルの天井のさいごの土をとりのぞき、かおを出します。

そして右をみて~左をみて~、あたりをうかがって~、「あぶない!やめておこう!」と首を引っ込めて、~また出して、~うかがって、と用心深く安全をたしかめているんだって。

そして、長い間くらしていた地中から地上へ! 大けつだん! をして、穴からでてきます。
 


● 「おーっ!はいだしてきた!」 はいだしてトコトコ歩いている幼虫のまえに、小枝などをさしだすとのぼってきます。やったあ!つりあげたあ!ヤアーやぁーこんばんは!

また、すでに穴から出て、羽化するばしょをさがし、土や木の上をはっている幼虫がいます。(ふまないように気をつけよう!)おなじように小枝をさしだすと登ってきます。

* 穴の中に小枝をそっ~とさしこむと幼虫がその小枝につかまる。それを引き上げる。手ごたえありでやみつきに^^ですが―、考えてみると <せみの一生にいちどの、けつだんのとき> セミの意思をそんちょうし、じゃまをしないほうがよさそうですね。

 
「やあ~!ぼくのこえだに のぼってきてくれて ありがとう!」と ワクワクイソイソ、つり上げた幼虫を だいじに うちに つれてかえります。

* 家にかえるあいだは、枝を上下はんたいにうごかして、幼虫がとまらないようにしてね。
止り木が固定されると羽化がはじまります。




● 幼虫の付いたこえだをビンなどにさし、羽化のとちゅうでこえだがうごかないようにとめておきます。 

歩き回っていた幼虫が、枝や葉のうらなどに足の爪でしっかりとつかまり動かなくなります。


体がヌゥ~と油染み、生きずいてきたら、いよいよ羽化のはじまりです。




●羽化がはじまります。

幼虫のからだが うねってきた! せなかがわれてきた!

クマゼミの羽化



じーーっ  自分のメ(五感)でほんものをよくみることが大切です。

(とちゅうで おちたときは さわらないで 自力で 小枝に のぼらせよう。さわると、やわらかい羽や体がゆがみ、とべなくなります)





●白っぽくやわらかそうだった体も、ひとばんすぎると、かっしょくで、かたそうな、大人っぽい体に変身します。
そして、あさ早く(クマゼミ)なかまのところへと げんきよく とびったって いきますよ。




「わくわく!どきどき!を ありがとう!」


「こちらこそ ありがとう!~」とね。









* 幼虫は小枝に止まらせるようにしましょう。

カーテンなどにとまらせるのも方法ですが、横や後ろからの観察に適しませんね。



* 幼虫からすぐ成虫へ・・・?

  セミはサナギにならないの・・・?

  なっていないものな~。だから、ならないのだ~!

  セミはサナギにならない昆虫の仲間なのだ~!

 
  卵、幼虫、成虫と3段階の体の変化で成虫になる昆虫の仲間 ― 不完全変態をするグループ。



* 昆虫は気門をとおして呼吸をしているよね。
  
  では、セミの気門は?どこにあるのかな?

  探してみよう。


  空蝉・セミのぬけがらも見てみよう。


  ぬけがらを開いて(抜け殻の解剖なのだ^^)、中も見てみよう。 

  これは!? これは!? これは!? 

  オッ!おっ!おっ!  ぬけがらも、すんげぇー!  ふくざつだよね。


  気門の内側は、どうなっている?


  チョウのサナギのぬけがらなど、ほかのむしのぬかがらとも比べてみよう。




















キマダラカメムシ 

2013-04-21 | 半翅目 カメムシ・セミのなかま


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ケヤキの幹を這う11月のキマダラカメムシ黄斑亀虫 カメムシ目 カメムシ科
おっき~い!体長20~25~mmほど、日本国内では最大級でしょう。




 南西諸島など南方系の外来種で、1770年代に長崎の出島で生息が確認され、地球温暖化や物流などの影響により近年分布を広げており、日本列島ただいま北上中、近畿地方から関東地方でも発見されているとのことです。

 一級河川の流れる県庁所在地など都市の樹木の植えてある土手、その近くの公園や周辺の街中がおもだった生息地のようです。
キマダラカメムシも人や荷物などの往来頻度に比例して分布域を広げる都会派の生き物のようだ。

 夏になると、桜やハナミズキなどの樹液を吸ったり幹を這う姿や、コンクリートブロックの道路の上さえも這っている幼虫、成虫の姿が頻繁に見うけられます。
 みた~い!きみ、つかまえた~い!きみ、そうしたところを探してみてね。



 以前は、北九州の片隅に限定的に生息しているマイナー昆虫であり、一般的ではなかったためかどうか、これまでの児童向け図鑑には載っていませんでしたね。

 やや古めの図鑑を調べると、そこに掲載されているクサギカメムシとよく似ています。

「あった!これ、クサギカメムシだ!」
「ちょっとちがうような?」
「でも、ほかにないし・・・、クサギカメムシとハンテイ(どうてい)」~~ 

そのご、「あっ、まちがえた。キマダラカメムシというのかぁ」「しっぱ~い」となったりもします。^^

この点、要注意ですね。

♪ ころんでも、ただでは おきないぞ!

     
   ◎クサギカメムシとキマダラカメムシのおなじところ、ちがうところを くらべながら ちゅういぶかく
    みていこう。

   ◎ そして、きづいていこう。

    ― 二種の共通点、相違点から、それぞれの特徴にパッ!ハッ!と気付く。  
      〔発見即認識化 真性認識〕

    ― ここに、キマダラカメムシがいる。ここに、クサギカメムシがいる。(種)(属)

    ― ふたつは、カメムシという一つのグループの同じなかまに入る。(科)

    * 子どもは、そのほかの種類の昆虫また生き物とも比べたりしながら、大きく分類できることに
      子ども自身がパッ!ハッ!パッ!ハッ!と気付いていこう。〔発見即認識化 真性認識〕

      大人は、子ども自身が自力で自然を通じ自由闊達に生物の分類、その他に気付いていかれる
      ように、無理強いしない指導をしていこう。

    ― カメムシとセミなどは、もう一つ大きなグループの同じなかまだ。(目)

    ― それは、昆虫の仲間に入る(綱) 節足動物の仲間(門) 動物の仲間(界) 生き物の仲間…

    
    ― それは、大きな大きな何ものかによって一つのものに向かい導かれている・・・・
 


     何ものか、とは何か・・・・  一つのもの、とは何か・・・・


  ・・・・子どもは自らの力で、
 精神世界のみではなく自然科学でもあり宇宙科学でもあるピロソピーの世界に踏み込んでいく・・・・




   



● おおきさくらべ おおきいカメムシ ちいさいカメムシ 


くらべてみると

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キマダラカメムシ(やく23㎜)とチャバネアオカメムシ(やく10㎜)




おおきいほうからみると、いっぽうはちいさい。

ちいさいほうからみると、いっぽうはおおきい。


 また、

ちゃばねあおかめむしをみなれていると、きまだらかめむしは「おっきーい!」

はんたいに、

きまだらかめむしをみなれていると、ちゃばねあおかめむしは「ちっさ~い!」ですね。



きみは、どっちかな?

 


 カメムシをまだみたことのない子もいるでしょうね。
えやしゃしんなどで知るのではなく、ほんもののカメムシをしぜんの中でさがして見つけ出し、ほんものを見ましょう。
もちろん、カメムシが見つからなければ、おっきいアリ、ちっさいアリなど、ほかの生きものでいいよ。
昆虫以外の生き物もね。

 しぜんにふれ、いろいろとたいけんしていくうちに、「あっ! おっきい!」「あっ! ちいさい!」と大きい小さいにきづいていくよ。しぜんのなかからね。


のんびりゆっくりどんどんじゅっくり、一つ、また一つ、しぜにある、ほんものをみていこう。