〔年数をかけないミカン科の葉っぱで、ナミアゲハの幼虫を飼育する〕
アゲハチョウ科のなかで環境にもっとも適応していそうなチョウは、名前からして、やはり、並に見かけるナミアゲハでしょう。幼虫のエサが、常緑樹の柑橘類で人家にも公園等にもと植えられていて、草のように枯れたり刈り取られる心配もまずなく、常に青々と茂っている。安定してエサがあることが一つの要因でしょうね。
ナミアゲハは、全国に分布し、一般的に家の周りをよく飛んでいて、シーズン中ほとんど途切れることなく産卵しているので、卵も手に入りやすい。など、飼いはじめるのに条件もいいようです。
ただ、飼育するには、さしあたって幼虫のエサ・食樹になるミカン科の木が身辺にあるかどうか、葉っぱが用意できるかどうかが問題になります。
★ 解決策の1つです。 ― 冬や春、初夏から始めれば同年用の餌に使えますし、秋に蒔いたものは来年用の餌になります。・・・冬以外、いつからいつといった境はありません。
☆ ミカンなどミカン科・かんきつるいのくだものは、いちねんをとおして てんとうにならんでいますね。
しきをつうじて、その種をまき、はつがしてきたなえを1年草、2年草のつもりで幼虫のエサにつかいます。幼虫が食べた後の苗からも芽が出てくるよ。
* 小さななえにも かあさんチョウがたまごをうんでいっています。
あたりを成虫が飛んでいれば、産卵していく可能性大。(同じ木にクロアゲハなども産卵します)
たまごの大きさは1ミリ大で、たまごいろをした、まんまるいたまごです。
おもにはっぱのうらに ぽっつんぽっつんと バラバラにうみます。
たまごをさがすときは?
大きな木にくらべ見おとすことも少なく、小さなたまごやようちゅうなどもなんなく見つけられます。
せいちゅうがたまごをうむところや、そのたまごがふ化するところから、つづけてかんさつできます。
☆ たべたあとの種を、ろじまきにしたり、ハチやプランター、ポットにまこう。
たとえば、10号のハチに、種がかさならないていどに、はなしてまきます。ハチのかずを少しずつふやして、2~3ハチにします。
これで、サナギになるまで一匹二匹かって、エサがたりるかどうかようすをみよう
* 鉢の大きさ :1号が内径3㎝です。その計算で、2号鉢は径6㎝、・・・、10号は?
☆ たべたあとのたねはすぐ水につけ、2日~7日くらいつけておいてね。どうしてだろう?
なつ まいたたねは、2しゅうかん~くらいでぽっ・ぽっ・ぽっとつぎつぎにめがでてふたばがひらくよ。それを今年のエサ用に、続けて来年以降用のエサにつかいます。
ハチなどがたくさんあれば、エサ不足にならないよう、つぎつぎにまいておこう。
まきかたも、一粒ずつあいだをあけてまいてみたり、ハチをたかくするなどと、いろいろためしてみよう。
☆ 温暖地や中間地にすむ、やってみたいきみへ。寒冷地のきみも、どうなるかためしてみよう。
今、夏ミカンなど食べた後の種を蒔いて、あとは水やりするだけ~。で、来年用の種をまくと条件によっては、苗が順調に育ち、そこにチョウが産卵し、今年中に幼虫の飼育ができるかもしれません。
その場合、サナギになって冬を越し、来年の春に羽化する春型のチョウになりそうです。
春型の幼虫、サナギとも : 小さめ。スリムでこじんまりとしている。― 次の年の春羽化する。
夏型の幼虫、サナギとも : 大きめ。太め。― シーズン中に羽化する。
* エサ不足にそなえ、ミカン科の葉っぱを、調達できるところを見つけておきましょう。
☆ 幼虫のしいくかんさつとどうじに、エサということで、かかわっているミカン科のたね、み、き、のかんさつもしていこう。
かんさつは、なぜ? なに? どうして? と、しぜんにちゅういがむくことからはじまりますー
かんけいなさそうな「なぜ?」でもね。
ちゃ~んと、しぜんとかんれん・つながっているんだよ。
と、大人が承知しておこう。