田舎主婦の日日是好日

今日も生きてることに感謝かな。

月ぞ流る:光る君へ第33回

2024年09月02日 | 趣味・本・テレビ他

先週の「光る君へ」では、

まひろ(紫式部)の内裏の案内役は、

赤染衛門(あかぞめえもん)がつとめました。

 

その赤染衛門を主人公にした、

澤田瞳子さんの『月ぞ流る』を読んだのです。

 

帯には、

日本初の女性による、

女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である、

朝児(あさこ:赤染衛門)との紹介があります。

他の説でも、

『栄花物語』は、

40巻あるうち正編30巻は赤染衛門の作だと、

ほぼ断定できるとありますし、

先のNHKの放送でも、

赤染衛門は『栄花物語』の一部を執筆したと、

ナレーションがありました。

 

元宝塚歌劇団宙組トップスターだった、

凰稀かなめ(おうきかなめ)さんが演じる赤染衛門は、

本の中でもドラマ同様に、

美しく淑やかで聡明な女性に描かれております。

この『月ぞ流る』には一条天皇の後の三条天皇と、

道長や娘の妍子(彰子の妹)との、

確執が描かれているんですが、

終盤には涙があふれ何度も本を閉じました。

 

三条天皇の歌。

 

心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな

 

望んでいないにもかかわらず、

この辛い世の中に生きながらえていれば、

いずれはきっと恋しく思うであろう。

今夜の夜半の美しい月を

(訳は本より)

 

それに対する道長の次女、

中宮である妍子の御返歌は、

天の河 雲の水脈(みお)にて はやければ

光りとどめず 月ぞ流る

 

妍子は、

帝の膝に片手を置き詠ったのです。

ようやく心がつながった、

お二人。

 

この歌は自作ではなく、

古今和歌集からの歌なのですが、

本の題名『月ぞ流る』はここからなのですね。

 

放送のほうは、

まだまだ彰子の時代ですが。

 

°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°第33回「光る君へ」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

昨夜の放送で最初に思ったこと。

 

あの藤壺女房軍団に、

まひろは大きなイジメを受けなくて良かった。

ホッ!でした。

少しは、

どこの世界にもあることで。

 

それにしましても、

まひろは藤式部という名前を拝命しましたが、

地味でつまらぬ女は、

己の才を生かすしかほかありませぬ。

と、

公任に昔の借りを返すとは(笑)

 

雨夜の品定めのように、

まひろをけなしていた公任に一本でしたね(笑)

斉信は覚えていて、

当の公任は忘れてましたけど(笑)

 

彰子は空の色が好き。

少しづつ意思を示し始めました。

帝は続きができたら、

お前に会いたいと仰せだ。

なんて、

まひろは道長に言われましても、

几帳(きちょう)で区切られただけの坊(小部屋)では、

物語の続きを書こうにも、

書いていられないですよね。

 

あのドローンで撮影したような、

映像の撮り方は面白いものでした。

 

源氏物語絵巻などに見られる、

天井を取ったような、

吹抜屋台(ふきぬきやたい)という描法を、

見ているようでした。

それぞれ女房の寝相が凝ってましたが、

上手く写真が撮れず載せられず。

 

かがり火?の音が、

パチパチなっている中での、

公卿たちの中宮拝謁(はいえつ)の大饗(だいきょう)も、

華やかな平安時代の趣を醸し出してましたね。

 

再び参内の藤式部。

庭には藤の花が咲き、

彰子のお部屋の御簾も綺麗でした。

一条天皇が、

まひろの書く物語に興味を持たれ、

藤壺を訪れたことの褒美に、

道長より扇子(せんす)を頂くのですが、

幼き頃の二人の出会いの絵でした。

三郎(道長)とまひろ(紫式部)の出会いの扇子を贈るとは、

粋です。

 

追記

 ブロ友kazuyooさんからお教えいただきましたが、

この扇子は、

「檜扇(ひおうぎ)」というそうです。

 

宮中で位のある人が用いたもので、

檜(ひのき)の板を重ねて、

作ってあるそうです。

 

大和の興福寺の別当が道長を訪ねてきました。

強訴(ごうそ)ですね。

 

すべては些細(ささい)なことから始まるのです。

と、

帝に言う道長の言葉にも心打たれましたが、

朝廷は強訴を押さえるため、

武士の武力を重用していくことにより、

武家も力を持ってくるという、

そういう芽も出始めているのですね。

 

昨晩は不穏なまま終わりましたが、

また来週。

(映像写真はNHKよりお借りいたしました)

 

 

 

コメント (18)
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