心理カウンセラーの眼!

孤立無援の・・君よ、眼をこらして見よ!

秋葉原無差別殺人・加藤智大の心の闇をカウンセリング(最終稿)

2008-07-30 19:18:32 | 心の闇と重大事件
6月5日に加藤智大は「 誰でもいいから無差別に殺傷する」ことを決めている。

翌6日はそのことをそっと表明している。

「やりたいこと・・・殺人 夢・・・ワイドショー独占」・・

こんな欲望しか抱けなかった加藤・・
こんな夢しか持てなかった加藤の病理・・・

わたしたちはそんな加藤に

その「欲望と夢」を不覚にも可能にさせたことを自ら恥じ入らねばならない。

彼の犯行を抑止するには

彼の「欲望と夢」そのものを成り立たせない、

無価値化し解体してしまう社会でなければならない。・・


7日には秋葉原に行ってお宝ソフトを換金している。

「もっと高揚するかと思ったら、意外に冷静な自分にびっくりしている」・・


もはや「誰でもいいから現実に無差別に殺傷する」ことを決めていることから

大脳辺縁系には「破壊の負の快感イメージ」によるドーパミンを得て、

切迫する「うつ」の息苦しさから一時解放されている。


だから「中止はしない、したくない」のだ。・・


そして翌8日になって、

【秋葉原で人を殺します】と宣言を書き込む。・・・・・


このあと自分の行動に沿って心象を書き込んでいって

最後に、

「 時間です」 と書き込む。・・

自分に向かって実行をうながし

また「 無数の他者」に向かって実行を宣告してみせている。


そして倒錯した演者のように

加藤智大は やおら舞台の袖からトラックに乗って登場していく・・・・・


...................

平成7年(1995年)の阪神淡路大震災やオウムのサリン大量殺傷事件を契機に

日本人は解離や多重人格を一気にあらわしはじめたといわれている。

そのあとにつづいて

平成9年には 東電OL売春殺人事件、
サカキバラ・少年Aによる凄惨な殺人事件、

翌10年には林真須美のカレー毒殺事件とつづき、

たしかに一連の事件は

日本人に「 他者の不可解さ」をあらためてつよく刻印させている。・・


「 人は自分とおなじ気持ちをもっているはず」という日本人の了解意識が

時代の社会病理事件という極限的な不可解さを前にしてたじろぎ、

あらためてそのへだたり・距離感を「 強迫的な不安意識」としてかかえ込む一方、

適正な距離感ということには、ついに理解不能をあらわしたままである。


その時の子どもたちは、

「 親たちが、説明できる言葉を元からもっていない」ことに、

失望し・・、不安を増幅して十数年

否応なく孤立に向かった果てに

現実から「 解離」することを無意識に選び、

リストカッッティングを常同症化し、

「 かりそめの関係」でさえ求めてやまない、自分の「 息苦しさ」「 強迫観念」が

ネットの「 出会い系」を成立させたといえようか。・・


加藤智大も「 親子密着 」という負の距離を学習することによって

時代(社会)が押しつけてくる「 強迫的な不安」意識を

他の者よりも深刻に増幅させたため、

つねに自分に立ちはだかる壁に思え、「立つ場所が無い」という思いがつきまとっていたのだろう。


人は自分に「 息苦しさ」を迫るものには

無意識に、「 どんな理由付けをしてでも回避して生きよう 」とする。

だがじつは、その回避逃亡の自己観念の言葉が

心の病理をいっそう進行させ、

社会病理の破壊行動をあらわすに到ったといえよう。


「 親子」「 家族 」「 社会 」という

いまも、「めっちゃ好き・嫌い」「うざい」「めんどう」など、

さまざまに見なされている「 関係 」( 距離 )性を

わたしたちはもう一度「正しく認識し直す」ことが

最重要な課題です。

すべての心の病理や自他の破壊行動の《 根源的な要因 》は

生活の中の無知・無理解による恣意的な関係の横行にあるといえます。


井上陽水の「人生が二度あれば」という曲の中にこういう一節がある。

- 母は今年九月で六十四
子供だけの為に年をとった
母の細い手
つけもの石を持ち上げている

そんな母を見てると人生が
だれの為にあるのかわからない
子供を育て
家族の為に年老いた母

人生が二度あれば この人生が二度あれば・・・ -

・・やさしい陽水の思いがよく伝わってくる。

だけど「人生が二度あれば 」というのは「 いらないおせっかい」なんだ、

精神が自立した大人の人生というのはこういうことなんだよ。・・・


どの親も、命がけで子どもを社会に送り出すことが

子どもをなしたかぎりは当然の仕事なのだ。・・


またどの親も、良かれと思って子育てをはじめたのに

大変なことになってしまうことが、本当に不幸で不可解なことに違いない。・・・・・


(今回が最終稿になります。最後までお読み頂きありがとうございました。)

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