こんにちは、大木です。
みなさん、いかがおすごしでしょうか?
ご無沙汰する間に、大変ショッキングな事件が報道されています。
26日の午前2時ごろ、
相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」に侵入した元職員の男によって、
入所者19名が殺害され26名が重軽傷を負わされるという、このうえなく悲惨な事件です。
被害にあわれた方たちに心からお悔やみをもうしあげます。
またお見舞いをもうしあげます。
さて、みなさんも余りのことに気が動転して混乱されているでしょうから
さっそく事件についてすこしでも理解をすすめてまいりましょう。
犯行直後に自首した植松聖という男の、言動の一部からでも
これが双極性障害いわゆる劇症化した躁症状のなかでおこなわれたことが推量されます。
そして、
なぜか?衆議院議長宛に書かれた(このことがすでに病理をしめしている)「手紙」には、
一見すると、「- 常軌を逸する発言であることは重々理解しております・・」といった
常人のような物言いがちりばめられていてなかなかしたたかに装われています。
(- 妄想の実現のためには他者を欺くために常人を装うのはよくあることです)
また、「 障害者は人間としてではなく、動物として生活を過しております」と記すとき、
この施設に勤務していた男にはそのようにしか見えていないことをものがたっています。
すなわち、すでに男の方こそが社会から孤立し、
他者との関係性が冷え切った感覚世界にたたされていることを吐露しているのです。
たしかに、障害があらわれていない人にとっては、
障害があるゆえの苦悩を(あるいは苦悩ともされていないかもしれない)、はかるすべもない。
だがだからこそ、その苦悩や生き難さにみえることをもふくめ、
個の存在において なにものよりも尊いものとして学び、共生してゆくべきことなのだ。
ほんとうは、
ここにこそ、人間の「類としての根源的な存在の意味」が託され、
個々に問われているとおもわなければならない。
欧米の人でなし効率主義や優生思想に染められて正義の者であるように、
他者の存在を恣意的に「削除」しようとする行為は誰であれ、
「狂気」の沙汰というほかない。
また、
「 保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳 」と
男がさもわけ知り顔で記述した言葉は、
じつは、自分自身がいまからヒーローとなるために欠かせない
都合よくバイアスがかかって描かれた解離妄想イメージそのものなのです。
何がなんでもヒーロー妄想を実行したいと強迫的に欲求するようになった男の
恣意的で身勝手な、破綻し失調した思考が「さも正義のような」世界観として「巧妙に」記述されています。
この国ではマスメディアや連中を操るものたちが、
「全力でしっかりと」現実逃避の 欺瞞、詐術、詭弁を弄した
人でなしの言葉ばかりを垂れ流しつづけているために、
ひとびとにまでそれが伝染浸透していて、時代そのものが精神を病んでひさしく、
その病理的な時代の土壌ゆえに当然のように、ソシオパスをうみだすのだ。
したがって男のような 「 ものの考え方」 に賛同する者もいなくもないにちがいない。
だがそれは、すでに心を病んだ者の「鬱・うつ」の思考回路なのである。
-- ほぼ分裂症的な男の「考え」が、衆議院議長に託すという「行動」によって
ナルシズムとヒロイズムに酔った躁症状に至っています。
いいかえれば、「ソシオパス」をあらわしているともいえるでしょう。
くり返された右脳の妄想イメージこそが、卵からサナギへと成長、
いずれ「実行」されうる「破壊」に向けた、病んだ精神の世界なのです。
そして何事かを契機に、
経験同一化の法則のままに、人はじぶんが考えたように実行にいたります。
( いいかえれば、考えなかった事はだれも行動しない、できないわけです。)
したがってかさねていえば、
男は文字どおり、「考えたとおりに(妄想を)実行した」ということ。
-- さて、衆議院議長へのある種の「決意表明」におどろいた関係者、警察は
相模原市精神保健福祉課にはかり、男を措置入院させています。
しかしわずか2週間たらずで、
担当医師が「 他人を傷つけるおそれがなくなった 」と診断し、退院させていました。
おそらくこの医師は、精神の病についてあまり深く理解していないものとおもわれます。
このような劇症的な躁行為にたいしてほとんど無自覚な対処というほかない。
すくなくとも双極性障害(躁鬱病)においては、長いスパンで見守る必要があるのは自明のこと。
男が表わす解離妄想の世界が
現実の中へ踏み入ってゆくのを止めるための懸命の努力がなされるべきだったと悔やまれる。
男の妄想を解体するたたかいこそが医師にもとめられたのだが。・・・
ここまでのところは、男の精神の破綻にいたるまでの
主たる要因を形成したであろう乳幼児期以来の生育歴のプロファイルが不明の為に
これ以上の解明は次の機会を待つことにしましょう。
..................................