(有)大津屋 駅前本店

湖西の限定酒 ”これっきりごめん”
湖西市鷲津1302-17
TEL(053)575-0070

雑感

2009年02月22日 11時53分23秒 | ひとりごと
 日本酒離れ、という言葉がある。生活の洋風化や食習慣の変化で、日本古来の酒が好まれなくなってきたとか、本当にそうなのだろうか。それは、酒自体よりも飲み方が食事や習慣の変化について行けなくなったのではないだろうか。
 日本人のこれまでの感覚では、酒は酔うためのもので、食事をおいしく食べるために酒を飲む習慣は、あまり育たなかった。多くの場合、食事の始めから終わりまで、同じ酒をワンパタ-ンで飲む。品数の多い会席料理のときでも同様だ。
 フランス料理のように、食前酒に始まり、料理に合わせてワインを変えて、食後酒で納めるという変化がない。その上、フランス料理では「ソムリエ」がいて、客の選んだ料理にふさわしいワインをアドバイスし、サ-ビスする。ワインと料理の専門知識に加えて、その場の演出やマナ-までも心得る職人であり芸術家ともいえよう。
 日本料理にはこれがない。酒屋の料理知らずはもちろん、板前さんの酒知らずもひどい。これでは、豊かな時代の新しい食習慣にはついて行けまい。そこで、日本酒のソムリエとして「酒匠」の育成を提案したい。鵜匠、鷹匠、刀匠などに劣らぬ、酒の道のマイスタ-として、その知識と技能を身につけた「さけのたくみ」だ。
 会席料理八品に対し、五種類くらいの酒を、酒質・甘辛・温度・酒器などを考えて組み合わせた基本型を数タイプ設定する。季節・材料・金額・会食の性格などのTPOに応じてアレンジすれば、千変萬化となる。豊かな食生活の当今では、家庭の夕食でも二,三品はつくだろう。とすれば晩酌にも二種以上は造って欲しい。
 必ず冷たい水を十分に用意する。料理や酒に変わるごとに飲めば、それぞれお味が生きるし、深酔いもしない。体験では、料理に合わせて呑む酒は、三割かたは量が進み、しかも穏やかな酔心地であることがわかった。美味しくて、楽しくて、健康にもよく、それに国家財政(酒税収入)にもプラスとあれば、是非とも新しい民族文化、酒文化としての「酒匠」の育成を!!と提案するペンにも、つい力がこもるのである。

酒匠(さかしょう)の育成を提案する。

2009年02月22日 11時18分59秒 | ひとりごと
「25年前に試行錯誤した試案」
  酒匠基本型の一試案
(料理)         (酒質と供し方)            (量)
1.突出し・・・生酒をよく冷やして、清酒グラスで一杯だけ。 (約100ml)
2.向付け・・・やや辛口、ぬる燗、お銚子とぐい呑みで。   1~2本
3.椀盛り・・・同上のつづき。                 (150~300ml)
4.八 寸・・・個性の強い酒(吟醸、純米、原酒など)を室温えきき猪口に。
5.焼 物・・・同上のつづき。                 (100ml~150ml)

6.煮 物・・・もう一度、やや辛口、ぬる燗をお銚子1本   (約150ml)
7.揚 物・・・甘口のものを熱燗でお銚子1本。盃は薄く浅いもの。(150ml)
8.酢の物・・・にごり酒をよく冷やして、カンロック・グラスで。  (100ml)
        (低アルコ-ルで酸のあるものも、よろしい。) (計750~950ml)                            
                                 4合~5合

       恩師 故4代目小嶋和四郎氏のレポ-トより