「酒匠」(さかしょう)の育成を提案する
豊橋調理師専門学校の協力で、目下その育成コ-スのカリキュラムとガイダンスを検討中である。
人体実験も繰り返した。7月の東酒懇話会後の有志参加研究会もご存知の所であり、
日本名門酒会中部ブロック支部長事務局長会議でも実施した。興味をもつ蔵元との共同研究も回を重ねている。
会席料理八品に対し、五種類くらいの酒を、酒質・甘辛・温度・酒器などのTPOに応じてアレンジすれば、千変萬化となる。豊かな食生活の当今では、家庭の夕食でも二,三品はつくだろう。とすれば晩酌にも二種以上は嗜んでほしい。
必ず冷たい水を十分に用意する。料理や酒が変わるごとに飲めば、それぞれの味が生きるし、深酔いもしない。体験では、料理に合わせて飲む酒は、三割りかたは量が進み、しかも穏やかな酔心地であることがわかった。
美味しくて、楽しくて、健康にもよく、それに国家財政(酒税収入)にもプラスとあれば、是非とも新しい民族文化、酒文化としての
「酒匠」の育成を!! と提案するペンにも、つい力がこもるのである。
酒匠基本型の一試案
(料理) (酒質と供し方) (量)
1.突出し・・・生酒をよく冷やして、清酒グラスで一杯だけ。 (約100ml)
2.向付け・・・やや辛口、ぬる燗、お銚子とぐい呑みで。 1~2本
3.椀盛り・・・同上のつづき。 (約150~300ml)
4.八 寸・・・個性の強い酒(吟醸、純米、原酒など)を室温で唎猪口に。
5.焼 物・・・同上のつづき (約100~150ml)
6.煮 物・・・もう一度、やや辛口、ぬる燗をお銚子1本。 (約150ml)
7.揚 物・・・甘口のものを熱燗でお銚子1本。盃は薄く浅いもの。(約150ml)
8.酢の物・・・にごり酒をよく冷やして、カンロック・グラスで。(約100ml)
(低アルコ-ルで酸のあるものもよろしい。)
(計約750~950ml)
「語り継ぐ三河ぎっとう」