酒なくて なんのおのれが サカナかな
☆うまい酒とはどんな酒か
「うまい酒」を造り、売り、呑みそして語る。これこそ酒を取扱う者の冥利です。
ところで「うまい酒」とはどんな酒でしょうか。
良い酒が果たしてうまいでしょうか。高価な酒がうまいのか、特定名稀酒がうまいので
しょうか。
「酒のうまさは飲み手と売り手」がきめると思います。
酒を扱うプロの立場として、私たち「売り手」は、先入観にとらわれず、有名人の言に
左右されず、素直に謙虚に考えたいのです。
☆ハ-ド(酒質)とソフト(酒方)
酒のうまさを左右するのは、原料や醸造技術などによる、いわば「酒質」と共に、売り方、飲み方などの提供力が重要な役目を果たします。この提供方法に、酒質に対応して「酒方」(シュホウ)と名付けました。
漢方、蘭方、薬局方などの医薬用語にみる「方」とは手だてということです。すなわち、酒をおいしく供し飲む手だて(やり方)というわけです。
近頃のはやり言葉でいえばハ-ドとソフトです。この酒質と酒方の両方が揃って「うまい酒」が生まれます。私たち売り手の役目は重いというべきでしょう。
その酒質と酒方を簡単に対比して示したのが次の表です。
表 : 酒質と酒方
酒質(モノ)
酒を品質的に見る切口(概念),物質(ハ-ド)中心の考え方
酒の品質・・・原料、製造方法、技術水準によって違いができる。
(区分)純米酒、吟醸酒、本醸造酒、普通酒、生酒、原酒、生 一本、貴醸酒、秘蔵酒etc
酒の甘辛・・・日本酒度(ボ-メ),酸度、アミノ酸度が大きく影響する
(および有機酸の種類)
(区分)濃醇辛口、淡麗辛口、濃醇甘口、淡麗甘口
酒方(コト)
酒を提供する方法で考える。ソフト主体の切口(概念),ハ-ト(心)およ感性も含めて。
酒の温度・・・含有有機酸の種類で呑む温度が異なる。
(区分)冷酒、(低温、室温), 燗酒(温燗、熱燗)
酒のTPO・・・時と所と場所で酒と飲み方を選びたい。(酒匠の考え方)
(区分)シテの酒とワキの酒(酒が主役の場合、料理をひたてるワキ役の場合)
ハレの酒とケの酒(非日常、特別の場合と日常、普段の場合
☆酒匠の発想と命名
酒だけを茶碗で呑むのも、仲々楽しいものですが、料理と合った酒を選び、甘辛・温度・酒器を考えて飲むのも楽しいものです。
食通の国・フランスでは、昔から「ソムリエ」がいて、料理とワインの相性診断役をやってくれます。日本酒にもそんな役をつとめる、サケとサカナの媒酌人があるとうれしい、こんな考えで「酒匠」なる資格を1982年に恩師 故4代目小嶋和四郎氏が提案しました。
大関酒造さんのお陰で、酒匠および酒匠アドバイザーの認定資格ができ、現在では市民権を得ています。
うまい酒はうまいサカナを求め、うまい肴はうまいサケを求めます。
☆美酒之会の発足
業態化を進める中での「専門店」業態の1つとして、うまい酒を提供できる「美酒之会」があります。
申すまでもありませんが、酒類とその関連商品を揃えて売る従来よく見られる店は、酒の専門店ではなく「専業店」です。稀少な商品を並べその酒(銘柄、蔵元)のロイヤリティをフルに利用した店です。あげくのはては稀少ゆえに入手困難な状況を価格に転嫁し暴利をむさぼる始末です。これも商売と考えその行為を否定はしませんが、肯定もできません。
専門店は、商品の品揃えと共に提供力すなわち酒方やカウンセリング力がないと実現できません。お客様に尋ねられてうまく答えられず、逆に質問するようでは「専問店」というべきです。
「美酒之会」は、清酒に限らず、地球規模で考えて、うまい酒を提供する力をもつ専門店です。3Kではなくて10Kの店です。
(10Kの店は次回に説明します。)
☆「うまい酒」は飲み手と売り手がきめる。
酒の売り手のプロとして、それに相応しい知識と実力が必要です。飲める飲めぬは別として、唎酒技術も身につけましょう。そしてまた、酒の場の作法、エチケットも十分に心得ましょう。
「酒は燗(かん) 肴は刺身 酌は髱(たぼ)
狎(ちん)、猫、婆ア 子も居ぬがよし」
☆うまい酒とはどんな酒か
「うまい酒」を造り、売り、呑みそして語る。これこそ酒を取扱う者の冥利です。
ところで「うまい酒」とはどんな酒でしょうか。
良い酒が果たしてうまいでしょうか。高価な酒がうまいのか、特定名稀酒がうまいので
しょうか。
「酒のうまさは飲み手と売り手」がきめると思います。
酒を扱うプロの立場として、私たち「売り手」は、先入観にとらわれず、有名人の言に
左右されず、素直に謙虚に考えたいのです。
☆ハ-ド(酒質)とソフト(酒方)
酒のうまさを左右するのは、原料や醸造技術などによる、いわば「酒質」と共に、売り方、飲み方などの提供力が重要な役目を果たします。この提供方法に、酒質に対応して「酒方」(シュホウ)と名付けました。
漢方、蘭方、薬局方などの医薬用語にみる「方」とは手だてということです。すなわち、酒をおいしく供し飲む手だて(やり方)というわけです。
近頃のはやり言葉でいえばハ-ドとソフトです。この酒質と酒方の両方が揃って「うまい酒」が生まれます。私たち売り手の役目は重いというべきでしょう。
その酒質と酒方を簡単に対比して示したのが次の表です。
表 : 酒質と酒方
酒質(モノ)
酒を品質的に見る切口(概念),物質(ハ-ド)中心の考え方
酒の品質・・・原料、製造方法、技術水準によって違いができる。
(区分)純米酒、吟醸酒、本醸造酒、普通酒、生酒、原酒、生 一本、貴醸酒、秘蔵酒etc
酒の甘辛・・・日本酒度(ボ-メ),酸度、アミノ酸度が大きく影響する
(および有機酸の種類)
(区分)濃醇辛口、淡麗辛口、濃醇甘口、淡麗甘口
酒方(コト)
酒を提供する方法で考える。ソフト主体の切口(概念),ハ-ト(心)およ感性も含めて。
酒の温度・・・含有有機酸の種類で呑む温度が異なる。
(区分)冷酒、(低温、室温), 燗酒(温燗、熱燗)
酒のTPO・・・時と所と場所で酒と飲み方を選びたい。(酒匠の考え方)
(区分)シテの酒とワキの酒(酒が主役の場合、料理をひたてるワキ役の場合)
ハレの酒とケの酒(非日常、特別の場合と日常、普段の場合
☆酒匠の発想と命名
酒だけを茶碗で呑むのも、仲々楽しいものですが、料理と合った酒を選び、甘辛・温度・酒器を考えて飲むのも楽しいものです。
食通の国・フランスでは、昔から「ソムリエ」がいて、料理とワインの相性診断役をやってくれます。日本酒にもそんな役をつとめる、サケとサカナの媒酌人があるとうれしい、こんな考えで「酒匠」なる資格を1982年に恩師 故4代目小嶋和四郎氏が提案しました。
大関酒造さんのお陰で、酒匠および酒匠アドバイザーの認定資格ができ、現在では市民権を得ています。
うまい酒はうまいサカナを求め、うまい肴はうまいサケを求めます。
☆美酒之会の発足
業態化を進める中での「専門店」業態の1つとして、うまい酒を提供できる「美酒之会」があります。
申すまでもありませんが、酒類とその関連商品を揃えて売る従来よく見られる店は、酒の専門店ではなく「専業店」です。稀少な商品を並べその酒(銘柄、蔵元)のロイヤリティをフルに利用した店です。あげくのはては稀少ゆえに入手困難な状況を価格に転嫁し暴利をむさぼる始末です。これも商売と考えその行為を否定はしませんが、肯定もできません。
専門店は、商品の品揃えと共に提供力すなわち酒方やカウンセリング力がないと実現できません。お客様に尋ねられてうまく答えられず、逆に質問するようでは「専問店」というべきです。
「美酒之会」は、清酒に限らず、地球規模で考えて、うまい酒を提供する力をもつ専門店です。3Kではなくて10Kの店です。
(10Kの店は次回に説明します。)
☆「うまい酒」は飲み手と売り手がきめる。
酒の売り手のプロとして、それに相応しい知識と実力が必要です。飲める飲めぬは別として、唎酒技術も身につけましょう。そしてまた、酒の場の作法、エチケットも十分に心得ましょう。
「酒は燗(かん) 肴は刺身 酌は髱(たぼ)
狎(ちん)、猫、婆ア 子も居ぬがよし」