Xデー前日までは人に知られないように
必要な物は住居に運び、不要な物は廃棄して
最後の一日で店舗を空っぽにできる準備をしなければなりません。
普通の引っ越しとの違いは、事務所の設備・用品は閉店後、再度商売をするつもりはないため
家庭で使えるものはごく少なく、ほとんどを廃棄しなければならないことですが
パッケージはほとんどありませんので、いざやり出すと予想に反して結構、楽しくできたことを覚えています。
運び出すに面倒な応接セットや事務机、椅子、書庫などは、地主(家主)さんから
そのまま置いていってよい了解を頂けたことがより作業を楽にしてくれたのでしょう。
公言できるのであれば、知人・友人に譲ることもできるのですが、僅かばかりを勿体ながって
すんなり閉店することに支障を来たしたのでは本末転倒になってしまいますので
適当に譲る理由が思い付いた設備や道具などは少しづつ持って行ってもらいました。
ただ、20年近く続けていた会社には、保存を義務付けられている書類も多く
それ以前の廃棄してないものを含めて、全部、紙の綴りになっているのですから
量だけでも半端ではありませんし、重いときています。
直近3年間の資料は残しておくように言われていましたが、あとは廃棄です。
また、いずれ使うかも、と残してあった車用品や部品も今後は一切、不要です。
そこで、物置として使っていたテント式ガレージの中をまず空け
分別しながら廃棄できるように、ホームセンターでコンテナバックを購入して設置し
産廃も扱っている車解体業者がクレーンで吊り上げればすぐに積み込めるようにしました。
日がな一日、毎日少しずつ何回にも分けてこの中に持ち込んだ結果
紙類だけで1トン袋2つ、プラスチック類2つ、金属類2つ
その他、袋に入らない粗大物…
最終的には、4トン車の荷台がほぼ一杯になるほど廃棄物が出たのでした。
一方、店頭を空けたままはマズイので、知人から借りた車を展示しておきましたが
ネットに載せて売るなどの努力は何もしなかったのは、実際に売れても
Xデーまでに名義変更などが間に合わなかったりすると面倒なことになるからです。
例え1カ月間とは言え、開けているのに“売れなくてもよい”商売を経験したのは
後にも先にもこれが初めてのことでした。