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(実録)会社倒産&自己破産のススメ

コトの顛末と関連する法律・理論をお伝えすることで、この道をお考えの方々の心の負担が軽くなるよう願っています。

外から判らないように片付けをする

2011-12-12 | 【1カ月前】

Xデー前日までは人に知られないように
必要な物は住居に運び、不要な物は廃棄して
最後の一日で店舗を空っぽにできる準備をしなければなりません。

普通の引っ越しとの違いは、事務所の設備・用品は閉店後、再度商売をするつもりはないため
家庭で使えるものはごく少なく、ほとんどを廃棄しなければならないことですが
パッケージはほとんどありませんので、いざやり出すと予想に反して結構、楽しくできたことを覚えています。

運び出すに面倒な応接セットや事務机、椅子、書庫などは、地主(家主)さんから
そのまま置いていってよい了解を頂けたことがより作業を楽にしてくれたのでしょう。

公言できるのであれば、知人・友人に譲ることもできるのですが、僅かばかりを勿体ながって
すんなり閉店することに支障を来たしたのでは本末転倒になってしまいますので
適当に譲る理由が思い付いた設備や道具などは少しづつ持って行ってもらいました。

ただ、20年近く続けていた会社には、保存を義務付けられている書類も多く
それ以前の廃棄してないものを含めて、全部、紙の綴りになっているのですから
量だけでも半端ではありませんし、重いときています。

直近3年間の資料は残しておくように言われていましたが、あとは廃棄です。

また、いずれ使うかも、と残してあった車用品や部品も今後は一切、不要です。

そこで、物置として使っていたテント式ガレージの中をまず空け
分別しながら廃棄できるように、ホームセンターでコンテナバックを購入して設置し
産廃も扱っている車解体業者がクレーンで吊り上げればすぐに積み込めるようにしました。

日がな一日、毎日少しずつ何回にも分けてこの中に持ち込んだ結果
紙類だけで1トン袋2つ、プラスチック類2つ、金属類2つ
その他、袋に入らない粗大物…
最終的には、4トン車の荷台がほぼ一杯になるほど廃棄物が出たのでした。

一方、店頭を空けたままはマズイので、知人から借りた車を展示しておきましたが
ネットに載せて売るなどの努力は何もしなかったのは、実際に売れても
Xデーまでに名義変更などが間に合わなかったりすると面倒なことになるからです。

例え1カ月間とは言え、開けているのに“売れなくてもよい”商売を経験したのは
後にも先にもこれが初めてのことでした。

 

 


口外できない臨時決算書を細工した話

2011-12-11 | 【1カ月前】

会社は何もせず放置、連帯保証人になっている私は同時廃止&免責が認められると
実質的にすべて終わることになり、時間はかからないし経費も安く済む
会社には住民税等の然るべき請求が上がっても実体がないので数年以内には請求も止まってしまう

これがS先生の当初の予定だったはずです。

残念ながらそうは問屋が卸さず、今年6月中旬、管財事件になる通知がS先生の下に届き
最終決算月から閉店するまでの間の臨時決算書の添付が必要との連絡がありました。

前年9月の閉店前の打ち合わせの際に
「同時廃止に持ち込むつもりだが管財事件にされる可能性もゼロではなく
M先生にその依頼だけしておくように」とS先生に言われていましたので、この作成費用20万円は
閉店前に税理士事務所宛の未払金の支払いの際に合算してすでに支払済みでした。

もちろん、これは事情を知るM先生がかなり値引きしてくださった金額です。

S先生からの連絡を受け「やはり管財事件にされたので臨時決算書を作成してください」と
M先生にお願いすると、「そう、そうなっちゃったの!?」などと不安を感じる言い方をするものだから
「最悪の場合、どういった事態になるのでしょうか」と尋ねたところ
「最悪でも自宅を買った親戚にいくらかの請求が上がるだけだから大丈夫」といわれたことを覚えています。

「いくらかの請求」と言ったっていくらなの?

そもそもそんな話は親戚に一切していないし…。

「大丈夫」って、何が大丈夫なのか全然分からないし…。

後で知ったことは、詐害行為として破産管財人に否認されても
このお金を払えば親戚がこの家を失うことはない、ということのようでした。

話を戻しますが、M先生からは
「9月の記帳を最後にXデーを翌月に控えた10月はもう記帳そのものが不要」とは言われていても
気持ち的にそれができず、一応、記帳を続けていたことが功を奏したことになり
M先生に同伴され、この帳簿を持参してS先生の事務所で
提出する臨時決算書の内容について打ち合わせをしたのは今年6月下旬のことでした。

実は、その際の現金残高は2百数十万円もあって
事実、それは生計を異にする親族の口座に預かっていてもらったのです。

この数字のままですと破産財団に組み込まれるべく、取り上げられてしまうことになります。

長女夫婦から借り入れていた百数十万円はまだ返済してなかったのですが
会社の口座ではなく家内の個人口座に入金になっていたので
この時点までに公然と返済する方法はありませんでした。

このため、何とかその分と管財事件に必要な予納金20万円を見込んで
現金残金を20万円程度に減らすことになったのですが、その方法をS先生から指示されてビックリ!

10月に現金で売れた車両代の入金をなかったことにする
さらに、私個人が10月に会社に貸し出していた短期借入金をなかったことにして
現金残高は20万8千円数百円まで減額するように、というのです。

(具体的方法は、現時点では念のため記述を控えます)

こうして完成した臨時決算書により、破産管財人K先生には予納金20万円が差し引かれた
たった8千数百円を破産財団として取られるだけで済むことになり
「依頼人の利益を優先して考える」という弁護士の有り難さを痛感したことは言うまでもありません。

もっとも、こうして利益のためには現実を偽るよう指示されることもあるのですから
それに従わず真実を貫き、敢えて不利益な結果を受け入れる生き方を選択する
殊勝な方もこの広い世の中にはいるのかもしれません。

結果として自宅を奪われないようにしたり、現金を隠したり
こうした方々から非難されたとしたら、もちろん、私には返す言葉はありませんが
反省とか後悔をしているかと言えばそうではなく、それどころか
再度、同じ状況に置かれたとしても、必ず同じ行動を取るに違いないのです。

 

 


「もう帳簿を付けなくても良い」と言われていたが…

2011-12-09 | 【1カ月前】

仕訳帳、現金出納帳、預金出納帳の3種類の記帳は家内の日常的な仕事で
大きな会社では総務部などが担っている業務です。

補助簿である現金出納帳と預金出納帳を基に作成される総勘定元帳は
仕訳帳と合わせて会計帳簿の中でも主要簿と呼ばれる大切なものです。

その他にも、売掛金・買掛金元帳や売上帳、仕入帳など
会社によってさまざまな補助簿を作ります。

これらから損益計算書や貸借対照表が作られ、最終的に決算書の形になります。

このうち、現金出納帳は会社における家計簿ですから
毎日きちんと記帳しないとすぐに手許の現金と合わなくなることは
家計簿を付けている方なら誰もが経験することです。

とにかく、不思議なくらい計算上の金額と手元の現金が合わないのです。

税理士のM先生からは
「9月分までの記帳がされていれば、最後の10月は付けなくてもよい」と言われたのですが
20年近く習慣として付けていたものをなくすことは気持ち的にできず、ほとんど気休め程度に付けていました。

それが後日、同時廃止にならず管財事件にされたため、臨時決算書の提出が必要となったのですから
先生の言う通り、もし記帳を止めていたら例え内容がいい加減でよいにしても
ほぼ1カ月分を遡るという結構、時間がかかる作業をしなければならず
結果としては大いに助かることになりました。

M先生もS先生と同じく、会社の破産手続なしで
簡単で早い個人のみの同時廃止に持ち込めるものと思っていたことがこれを見ても分かります。

ところで、臨時決算書は直近年度決算書の期日以降、Xデー前日までの決算書です。

翌年、つまり今年6月に会社の破産手続を追加で申立てるように裁判所から指示され
その際に添付を求められたものですが、“内容がいい加減で良い”と知ったのは
これを作成するに当っての打ち合わせを通じてのことです。

(次回、この時のことをお話します)

 

 


誰にも知られてはならない理由

2011-12-06 | 【1カ月前】

このままでしたら倒産&自己破産へまっしぐらに突き進んでいることは間違いないのですが
この時点で、例えば万が一、数百万円の現金が手に入ったとしたら
場所を変えて、または退去の撤回ができれば同じ場所で
会社を存続させて事業を継続することに、再度、方針転換することは可能でした。

ただし、いずれ返す必要がある借金では
すでにその自信が失せているのですから、その気になることはあり得ず
宝くじに当たるような純粋な臨時収入でなければなりません。

もちろん、宝くじは買ってもいませんので当たるはずもなく
大金を道で拾ったとしても法律で決まっている6カ月14日も待つ余裕などありません。

相続による財産取得を考えられなくはありませんが、これとて
健在な両親の片方にもしものことがあったとして
配偶者に2分の1、残りを複数いる兄弟に均等に分配することを考えると
これをもって継続のための原資に足りるとはとても思えませんし
なによりも、相続問題は時間がかかると言われるのですから
数ヵ月以内に現金を手にできる可能性は限りなくゼロに近いと言わざるを得ないのです。

もちろん、実際にこんなことまで考えたり期待したわけではなく、あくまで例え話です。

10月中旬には商品も底を尽き、手許にできるだけ多くの現金を残した状態で閉店して
あわよくば、これを隠したままで免責が許可されることが最大の目標になってしまっているのですから
今さら、新たな仕入れをして最悪、売れずに残って破産財団に組み込まれる
つまり、自分の(隠し)財産を減らす可能性のある行為などするはずもなく
すでに継続のための“自助努力”は何もしていないことになります。

それどころか、設備・備品などでお金になるモノは少しずつ現金に変えているため
日に日に今まで通りの業務はできなくなって行く状態にありました。

それでも建前は「事業を継続するために必死になっている」のです。

“閉店⇒倒産⇒破産⇒免責”と進むはずのシナリオをまだ誰にも知られるわけにはいかず
見た目の店舗の体裁は損なわないように気を遣わなければなりません。

世間ではよく、倒産の危険性が知れ渡ると債権者がドッと押し寄せ
未払い分の商品を引き揚げたり、売り掛けがある時は少しでもお金にするため
商品や備品を持ち去る事態が発生すると言われています。

私の場合、先月まで未払いがないのですから、今月初めてその噂を聞いたからといって
すぐに押し寄せるとは考えられないのですが、敢えてその危険を犯すことはありませんし
他方、〇〇銀行にもし事前にコトがばれたらどのような行動を取られるのかは
誰も教えてくれませんでしたし、訊いてもいませんので知らないままですが
こちらも、つまらない事態に陥っては元も子もなくなりますので
閉店をする事実、ましてや自己破産の予定はどこにも漏らさない、かつ漏れないようにしたことはもちろんです。

厳密には、法人なのですから
役員会議を開催してそこで決定された議事録の提出を裁判所からいずれ求められますが
唯一の外部取締役は外注先社長ですのでまだ内緒にしておく必要があり
求められた時点で日付を遡って作成すれば済みます。

その時にはもう「文句の一つも言ったところでどうにもならない」と思える段階にまで
コトが進んでいるはずです。

そして地主には、廃業ではなく店舗移転の予定としていましたので
10月初めの時点でこれを知っていたのは以下の人物だけでした。

友人 I 、弁護士S、税理士M、私と家内と各々の親、口止めをした娘2人

 

 


なんとなくワクワクする気持ち

2011-12-04 | 【1カ月前】

自動振替のうち、いわゆるライフラインの水道光熱関係については
会社分はそのままにして残高不足による不払いを決め込んでいましたし
払うつもりの自宅分とパソコン関係は振込用紙を送付するように依頼しました。

クレジット系は、どれも払うつもりは一切ないのですが
うるさく請求されることを避けるため、Xデー以降の時期までの猶予を申し出た上で
一応、振込用紙を送るよう依頼しました。

銀行系カード会社のカードローンのリボ返済は
それに足る残高が口座に満たされるといつでも勝手に引き落とされるようですが
そうなることはありませんので、無視を決め込んでいました。

〇〇銀行の返済分20数万円は1カ月間の猶予を了承済みです。

自宅の売却とその後の登記もすでに完了しました。

店舗返却の申し出と退去費用の8割の〇〇万円も受領でき
代理人弁護士への債務整理に関する委任契約は、費用の支払いとともに締結が終わりました。

そして、税理士M先生の助言もあって、他銀行を含むすべての銀行口座は
ほぼカラに近い状態にし、代わりに“それなり”の現金が手許にあります。

持っていた在庫車も10月半ばにはネットで完売してしまい、これの入金も即日引き出しましたので
正直、これだけの額の自分(会社を含む)の現金を持ち歩くのは初めてのことでした。

外注先工場など、今後の生活をする上で必要と判断する所への9月分及び閉店までの
10月分の支払いをしなければなりませんので、これがそのまま残るわけではありませんが
300万円までは行かないにしても、これだけの現金を持っていながら
お金がなく支払いができないフリをすることに快感を感じるとともに
払えなくて申し訳ないと口では言いつつ、最終的には“ケツを捲くる”不義理を企んでいるのですから
抑えようとしても抑えきれないワクワク感が自然に心に湧いてきてしまうのです。

私が本物の悪人だから、なのか
はたまた、初めて人を公然と裏切れる機会に巡り合った善人だから、なのか…。

多分、前者であろうことをお詫びしつつ
債権者の方が聞いたら怒り心頭に違いない気持ちで過ごしていたことを今だから白状します。