税理士のM先生には、数年前に資金繰りが緊迫した以降2、3回
破綻を含めた今後の生き残り策を教えていただいていました。
今回の自宅売却の件も最初にご相談したのはM先生でした。
そして、3つのトラブルが続き、賃料の値上げが実行され
カードローンでの借り入れ限度額が大幅にダウンされたことにより
いよいよ立ち行かなくなる予想が現実味を帯びてきた今年のお盆休み開けの頃
もう一方では、20年来のお付き合いになる不動産屋のHさんに
具体的な自宅売買の仕方を相談し始めていました。
もちろん、彼にも窮状をすべて打ち明けた上でのことです。
過去に“賃貸”の経験はいくつもありましたが
“売買”は30年近く昔にこの自宅を購入して以来のことでしたので
何も分からないといっても過言ではなく、それでなくても不動産売買の手続きは複雑です。
誰とどんな内容を取り決め、今後日程的にはどうすればよいのか
そして、何よりも資金難でしたので税金を含めて掛かる経費はいかほどのものかなどなど。
そして、契約書の作成までしてあげるから後は
仲介料不要の個人売買の形式を採るように奨められ
Hさんにはアドバイス料だけを支払えばよいことにしていただきました。
そのなかで、建物と地上権の評価額はきちっと算出しておくから、と言われたのですが
その意味を後日、最後の重要なシーンで知ることになるのです。
結果、算出された「建物」の評価額はほぼ予想通りの金額でしたが
逆に予想外だったことは、二女夫婦が月々支払える返済額を考え
今回の売却話から外していた「地上権」の評価が意外にも高額なことでした。
さすが土地神話が壊れているとはいえ、建物はすでに200万円を切る価格なのに
土地の評価(時価)×地上権割合で算出される地上権の価格は
それの2倍をゆうに超える価格だったのです。
しかし、この安い木造住宅だけの売却話にも拘わらず
銀行からは融資が可能かそうでないかの回答さえすぐに出ないとは…。
もしかしたら、建物だけなので
それも私が新築してからすでに28年の歳月が流れていますので
融資に際して当然、設定するであろう抵当権としての価値の問題があったのかもしれません。
いずれにしろ、資金不足で日々苦しんでいて
すでに心は最悪の事態も受け入れる覚悟はできているのですから
いつ出るかもしれない回答を待つ方向に気持ちを振ることはできませんでした。
ここに至って、もし二女がダメなら、と少し前から考えていた親戚への売却に
方向転換することを決めました。
この方からは数百万円の“無金利”融資を受けています。
たまたま、地上権を含めた自宅の評価額はこの借金総額+100万円ですので
購入金額と借金総額を相殺の上で100万円をお支払いいただく内容を伝えたのです。
当然、いずれは破綻するであろう可能性と、この場合は借金が返らないこともご説明したところ
非難されものとばかり思っていたにもかかわらず
さらなる融資の申し出までしていただいたことは、感謝しても感謝し切れるものではなく
もう少し頑張ろうか、と一瞬心が揺れましたがお断りすることにしました。
数字上は、過去にお借りした分がそっくり銀行への返済に回っているのですから。
そしてその場で、口頭により自宅購入を受諾していただきました。
条件に、せっかくマイホームが手に入ると喜んだ二女夫婦の事を考え
将来、融資が問題なく可能になるまでの間は、払える範囲の安い賃貸で彼らに貸して欲しいこと
また、そうなって本人達が希望したら彼らに売却して欲しいことを付け加えることもできました。
この結果、運転資金で使えるのは“スズメの涙”の僅か100万でしたが
この親戚に迷惑を掛けずに済んだ安堵感とともに
二女夫婦がそれまでの借家の2倍以上の広さの家で、予定日間近の2番目を出産して
4人で楽しく暮らして欲しいと願う親心で心が満たされたことを覚えています。
この話をまとめた直後、何とかなるのであれば余計な心配をかけたくなかったせいもあったのですが
これまで一切の相談すら出来ずにいた年老いた両親に、自宅売却に至った経緯の説明と
この歳になってもまだ心配をかける親不孝のお詫びに出向き
最悪の事態を招く可能性があること、その場合は担保に差し入れている不動産を奪われること
今後の生活は年金でなんとかなること、義母と同居することなどを告げたのでした。
後日、父親からは内容証明付き書面でさまざまな苦言と要望が4回送付されてきましたが
苦言は受け止めるしかなく、要望は出来る範囲で実行して答えたつもりです。
これらはほぼ9月17日からS弁護士に会う21日までの4日間での出来事で
いかなる精算整理型債務処理を提言されても受け入れられるだけの準備はすべて整っていました。