goo blog サービス終了のお知らせ 

(実録)会社倒産&自己破産のススメ

コトの顛末と関連する法律・理論をお伝えすることで、この道をお考えの方々の心の負担が軽くなるよう願っています。

謹賀新年

2012-01-01 | 【免責が決定した後のこと】

今日の元旦の気持ちなど、去年は想像することすらできませんでした。

まだこの時期、自己破産・免責申立書を作成している段階でしたので
この先、どうなるのか、という不安ばかりが心に溢れていたからです。

昔から年賀状を自らは書かない主義でしたが、それでも何通かはいただいていても
去年はそのお返事さえ出す気になれませんでした。

ところが、今になって気付いたのですが
義母宅へ転居したため、郵便局へ依頼してあった転送期間が
去年の11月までで切れているはずですから
今年の年賀状は「転居先不明」で1枚も届かないことになってしまうのです。

今さら年賀もなんですので、改めて何らかのお知らせをしなければ
せっかく法律に則った処理をしておきながら
夜逃げのように行き先不明として世間から見放されてしまうかもしれません。

こんなことまで考えられる心に余裕がある正月を迎えることができ
本当にありがたいことです。

 

 


「嘘も方便」なのか? ③自宅を売ってしまったこと

2011-12-31 | 【免責が決定した後のこと】

今回の免責獲得の上で唯一の問題が、直前に行った自宅売却行為であったことは
代理人S弁護士からも言われていましたし、事実
破産管財人K弁護士が裁判所に提出した調査報告書を見ても明らかでした。

つまり、5頁綴りの全てに渡ってその経緯と
抵触しそうな法律の適応性をK先生が独自に考察した内容だったのです。

売却の経緯に関するカテゴリーで詳しくお話ししてありますように
税理士M先生や友人I さんからは漠然と聞き及んでいましたので
自らの意志で売却を決めて具体的な日程が組まれた後でS先生にお会いしたとは言え
問題になる可能性を全然知らなかったわけではありません。

また、当初は運転資金を手に入れることが目的で始めた話ですが
途中からは自宅を奪われないようにすると同時に
親戚への借り入れの返済をすることが目的へと変わったと言われればそうかもしれません。

未だに「かもしれない」としか言えないのは
私が思い付き、持ちかけた話ではあっても、相手の受諾が必要なのですから
実際に行動してみないとどうなるか分からないわけで
事実、二女への話は結果的に不調に終わって
その後に持ちかけた親戚への話がトントン拍子に進んだだけのことで
気持ちを一つの方向に決めることなど、できるはずもなかったのです。

隠匿の意志が初めからあったのであれば、何もこんな回りくどい道は採る必要もなく
最初から財産隠しの方向に持って行けば良かったのですから。

ただし、方針転換した以降は、日に日にその気持ちは固まり
むしろ、二女夫婦の話が不調で幸いした、と思えるまでなって行ったことは確かです。

ちなみに、免責が得られた今となっては心底、これが最良の道だったと思っています。

理由は、あのまま事業を続けていたら
親戚への返済(代金との相殺)はできなかったかもしれないからに他なりません。

正直、この頃の気持ちは曖昧で
殺人犯がよく言うところの「気が付いたら殺していた」感じに近いのかもしれませんが
この場合も、裁判などの証言では「事前に殺意はなかった」と明言しなければなりません。

人の気持ちなど所詮、曖昧で、こうした裁判ではその気持ちを表わす物的証拠がない限り
推測に基づく状況証拠に過ぎないのですから、場合によっては何とでも言い逃れができるというものです。

すなわち、この売却話における私の嘘は
「最後の最後まで事業資金を捻失するためであって隠匿目的ではなかった」とする
気持ち的な部分であって、形の上でこれを否定するものが何もなく
免責を不許可にする理由・証拠がなかったのだと私は解釈していますが
これで合っているかどうかは分かりません。

なにはともあれ、こうした免責不許可に該当するかもしれない危険を犯した結果
無事、守られて今は親戚名義になっている元自宅には、安い賃料で二女夫婦が住んでいますので
この賃料をもって親戚への弁済が進みますし、将来この家は相続によって家内のものになるか
または、どちらかの娘夫婦へ正式に売却されることになるのですから
現在、同居している義母の家と合わせると、二人の娘達には一軒ずつ家を残してやることができたことになり
昨年とは比べようがない安穏とした年越しを迎えようとしています。



 


「嘘も方便」なのか? ②管財人の呼び出しを断ったこと

2011-12-29 | 【免責が決定した後のこと】

破産管財人K先生から、調査のために事務所に呼び出された時
私はともかく、自宅の売却先である親戚を連れて来るように言われてちょっと慌ててしまったのは
この調査が管財事件とされたこの一件のヤマ場と踏んではいても
親戚にまで何かを訊くとは全く予想していなかったからです。

とりあえず、「当事者でないのになぜ呼び出されるのか、と言われると思いますが」と
一旦、電話を切ってS先生に対応を相談の上で
「病気による体調不良」を理由に同伴はお断りし、私一人で訪ねることで決着しました。

親戚は、事前に資金的に困窮していた事情を知っていたのですから
債権者に申し訳ないことをしたなどと、余計なことを口走らないように会わせない方が良い、と
アドバイスを受けたためなのですが、裁判所が任命した管財人に
このような“嘘を言う”などと大それたことをしてしまいました。

以前にS先生からは
「破産管財人は破産財団を債権者に按分するのが仕事なので私と違い債権者の味方だ」と
聞かされていたのですから、これはやむを得ない対応でした。

こうして一世一代の大芝居を打ったような気になっていたのに
閲覧した裁判所へ上がった調査報告書にはたった一行、こう触れられていただけでした。

「高齢であり、且つ体調不良とのことで事情聴取が出来なかった」

この嘘により、親戚を会わせなかったことがどれほど奏功したのか
今でも分かるはずがありませんが、結果として免責許可が下されたことは間違いありません。

弁護士同士の駆け引きには、当事者の若干の嘘も要求されるということなのでしょう。

ところで、「破産管財人は誰の味方か」については
その後、いろいろ調べる中でS先生とは違う説を唱える記述が見られることを知りました。

つまり、真反対の「破産者の味方」という司法書士や弁護士さえいるのですから
表面上は、裁判所が「第三者的立場」として任命するこの管財人が
本当は破産者または債権者のどちらの味方なのか、実際は判断できないのかもしれません。

とすればやはり、破産者は調査の際に管財人本人に会えるのですから
誠実性や反省の念を出来るだけ伝え、少なくても心情的には、例え同情であろうが
好意を抱いてもらえさえすれば、実質的な味方になってくれるに違いありません。

裁判所に提出される調査報告書が、私が目にした一連の書面の中で一番
法律用語が並んだ堅苦しい内容もので、これが免責可否の決定を下すこの裁判結果に
大いに影響を及ぼすことは素人目にも明らかなのですから
この報告書を作成する管財人を敵に回すことは、どう見ても得策ではないのですから。

 

 


「嘘も方便」なのか? ①売り上げを1台削除したこと

2011-12-26 | 【免責が決定した後のこと】

S先生と面談後、「自己破産やむなし」となってからは
会社と個人の口座は常にカラにし、現金で持っているように言われていましたので
知人の口座を借りてそちらに保管していたのですが
結果として、これがほぼそっくり手許に残りました。

わずか2百数十万円ではあっても、その後の年金生活において
これが有ると無いでは大違い、緊急的出費に対する蓄えがあるのですから
気持ちの上で余裕を持って生活することができています。

記帳しなくてもよい、とは言われていても、気分的に落ち着かないために
毎日付けていた帳簿のうちの現金出納帳の最終残高は、さらに多い金額にちゃんとなっていました。

予想に反して提出を求められた臨時決算書は、これのおかげで難なく作成できたのですが
その際に現金残高を50万円台に減額する偽装工作をS先生の指示で行ったことは
以前、すでにこの場で告白しています。

その方法の一つが、売り上げを1台、“なかったことにする”でした。

普通の物品販売では“脱税”のためによく採られる方法ですが
中古車販売では「古物台帳」がありますし
契約書を交わす上、単価が高いため発見され易いようです。

事実、これを実行して税務署の監査で発覚し
重加算税を含めて数百万円持って行かれた車屋の話は2件ほど聞いています。

今回、領収証の工作と注文書の廃棄はしましたが
古物台帳は警察署から購入したものを使っていましたので
「持って来い」と言われてから何とかしようと思い、とりあえずそのままにしていました。

結局、そう指示されることもなかったのですから
一台ずつ入庫と出庫を照らし合わすなどという面倒なことは一切、実施されなかったことになります。

としたら、何台も手持ちの在庫を隠し
後に換金しても発見されることはなかったのかもしれません…。

所詮、予納金の20万円以内で管財作業をするのですから
こんなことにまで、突っ込んだ調査はしないということなのでしょうか。

それはそれとして、自己破産した者は1カ月33万円の生活費3カ月分、つまり99万円の現金と
20万円を下回る価値の財産を除き、残り全てを債権者に差し出す代わりに
それまでに作ってしまった借金をチャラにして人生の再スタートを切ることを許される
つまり、免責が許可されることになります。

当然、残り全ての財産を差し出す際に、これを減らしたり隠したりする行為は
法律上禁止され、発覚すると免責を得ることはできないとされています。

もちろん、それ以外にも免責不許可になる事態(免責不許可事由)はあります。

私はS先生に会社の債務整理を依頼し、結果、会社は倒産
そして連帯保証人として私個人は自己破産の後、免責を得るに至ったのですが
その過程で、見つかれば免責が許可されない恐れがある
このような“現金隠し”も同時に指示されたわけです。

これが「弁護士は依頼人の利益を考えて行動する」ということなのでしょうが
本来の“利益”は無事に免責を得ることであって
現金がこれほど残せるとは全然、思ってもいませんでしたので
心から感謝していることは間違いないのですが
これが発覚して免責許可がNGになったらどうするつもりだったのでしょうか。

弁護士すべてがこうした危険を冒すとはとても思えませんが、S先生には初めから
この程度のコトはOKになるという勝算があってのことだったのでしょうか。

なにはともあれ、こうして手許に残していただいた現金の入った通帳を見るにつけ
お金の有り難さを痛感している今日この頃ではあります。

 

 


法律用語が並ぶ管財人が裁判所に提出した調査報告書

2011-12-25 | 【免責が決定した後のこと】

破産管財人K先生からは電話で2、3回
面談は30分程度のたった1回だけでした。

それも世間話的な会話調で行われましたので、そこから作られた報告書が
これほど堅苦しい法律用語に彩られた文章であることはとにかく驚きでした。

見出しを列挙すると次の通りです。

 

1.本件建物売買の経緯

2.本件建物売買等に関する破産法上の評価

(1)破産法161条1項該当性 〔相当価格による処分〕

(2)破産法162条2項該当性 [偏頗弁済]

(3)破産法71条1項該当性 〔相殺禁止〕

〔 〕内は私が補記

 

そして、それぞれについて

(1)…処分に当たらず、本条該当性は否定されるものと考えられる

(2)…本条による否認の対象とはならないと考えられる

(3)…本条に該当するものと断ずるだけの根拠は見出せなかった

と結論付けていて、最後はこうまとめられています。

3.まとめ

以上の次第で、破産財団形成額、及び調査方法等の制約の下で調査した通り
本件建物売買契約締結につき、否認権行使、あるいは相殺禁止の対象行為であると
根拠を以て断定することはできなかったものでありことを報告する次第である。

正直、法律的な論法は難しく、とても素人が理解できるものではありませんでしたが
結果だけは私の無罪放免を表わしていることは確かです。

あのさもない会話の中でされた質問に対する私の答えが
法律上の是非を左右するのですから、考えてみれば怖い話です。

それはそうで、自己破産における免責許可もれっきとした裁判の一つなのですから。