S先生と面談後、「自己破産やむなし」となってからは
会社と個人の口座は常にカラにし、現金で持っているように言われていましたので
知人の口座を借りてそちらに保管していたのですが
結果として、これがほぼそっくり手許に残りました。
わずか2百数十万円ではあっても、その後の年金生活において
これが有ると無いでは大違い、緊急的出費に対する蓄えがあるのですから
気持ちの上で余裕を持って生活することができています。
記帳しなくてもよい、とは言われていても、気分的に落ち着かないために
毎日付けていた帳簿のうちの現金出納帳の最終残高は、さらに多い金額にちゃんとなっていました。
予想に反して提出を求められた臨時決算書は、これのおかげで難なく作成できたのですが
その際に現金残高を50万円台に減額する偽装工作をS先生の指示で行ったことは
以前、すでにこの場で告白しています。
その方法の一つが、売り上げを1台、“なかったことにする”でした。
普通の物品販売では“脱税”のためによく採られる方法ですが
中古車販売では「古物台帳」がありますし
契約書を交わす上、単価が高いため発見され易いようです。
事実、これを実行して税務署の監査で発覚し
重加算税を含めて数百万円持って行かれた車屋の話は2件ほど聞いています。
今回、領収証の工作と注文書の廃棄はしましたが
古物台帳は警察署から購入したものを使っていましたので
「持って来い」と言われてから何とかしようと思い、とりあえずそのままにしていました。
結局、そう指示されることもなかったのですから
一台ずつ入庫と出庫を照らし合わすなどという面倒なことは一切、実施されなかったことになります。
としたら、何台も手持ちの在庫を隠し
後に換金しても発見されることはなかったのかもしれません…。
所詮、予納金の20万円以内で管財作業をするのですから
こんなことにまで、突っ込んだ調査はしないということなのでしょうか。
それはそれとして、自己破産した者は1カ月33万円の生活費3カ月分、つまり99万円の現金と
20万円を下回る価値の財産を除き、残り全てを債権者に差し出す代わりに
それまでに作ってしまった借金をチャラにして人生の再スタートを切ることを許される
つまり、免責が許可されることになります。
当然、残り全ての財産を差し出す際に、これを減らしたり隠したりする行為は
法律上禁止され、発覚すると免責を得ることはできないとされています。
もちろん、それ以外にも免責不許可になる事態(免責不許可事由)はあります。
私はS先生に会社の債務整理を依頼し、結果、会社は倒産
そして連帯保証人として私個人は自己破産の後、免責を得るに至ったのですが
その過程で、見つかれば免責が許可されない恐れがある
このような“現金隠し”も同時に指示されたわけです。
これが「弁護士は依頼人の利益を考えて行動する」ということなのでしょうが
本来の“利益”は無事に免責を得ることであって
現金がこれほど残せるとは全然、思ってもいませんでしたので
心から感謝していることは間違いないのですが
これが発覚して免責許可がNGになったらどうするつもりだったのでしょうか。
弁護士すべてがこうした危険を冒すとはとても思えませんが、S先生には初めから
この程度のコトはOKになるという勝算があってのことだったのでしょうか。
なにはともあれ、こうして手許に残していただいた現金の入った通帳を見るにつけ
お金の有り難さを痛感している今日この頃ではあります。