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先日NHKでバイオリンの名器ストラジバリウスの特集があり、
その音色の謎を解き明かす色々の分析をされていました。
しかし使われている木材については、あっさりと簡単に説明されただけでしたので、
この部分が最も大切ではないかと思っていた私は、ちょっと残念な思いをしました。
それはストラジバリウスの音の良さの大きな要因は、
木材の年月を経た乾燥ではないかと思っているからです。
昔、楽器の音色と木材の乾燥について確認したくなった時に、
私の持っていたドイツ製の木製のリコーダーを、
キッチンの電子レンジで軽くチンをして強制乾燥をさせたことがあり、
その結果、画期的に音がよくなった経験がありましたが
(でも、これは実験としてやったもので、絶対にマネをしないで下さい)、
電子レンジで急速に乾燥させた場合は、
すぐに元に戻ってしまうので、
300年かけて平均化して乾燥をさせた場合は、良い音が出るであろうと思っていました。
それで、この部分について番組でつっこんだ分析があればと思っていましたが、
そこまでの分析はされていませんでした。
以前、京都大学の先生のレポートを読んだ時に、
バイオリンに使われる表板のトウヒも裏板のカエデも、
音響性能(与えたエネルギーに対して音に変換する効率)はベストの材料ではなく、
試験の結果は、木材の中で最も音響特性の良い木はカナダのウェスタンレッドシダーであった。
と言うことが書いてありました。
同じ弦楽器でもギターのように、加える運動エネルギーが小さい楽器ではなく、
バイオリンのように弓でもって、かなりのエネルギーを与えることのできる楽器は、
トウヒやカエデのような音響性能がベストではない木材の方が良いのだろう。
と言う推測がされていました。
実際、私が若い時に当時の初任給ぐらいの価格で購入したヤマハのクラシックギターは表の板は、
ウェスタンレッドシダーで作られています。
これがヨーロッパ製のフラメンコギターになると松系統の木材(トウヒやスブルース)が使われ、
音としてはもっと硬い音になり、
ウェスタンレッドシダーのように繊細な指のタッチでも柔らかく、それでいて大きい音は出せません。
ウェスタンレッドシダーでバイオリンを作る作家がいれば、
新作でありながらストラジバリウスを超えるパワフルなものができるのではないかと思っています。
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