木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

261.木製遊具の補修見積もり

2023-06-01 14:12:21 | ウッドデッキ
お客様の造園会社様からマンションに設置されている遊具の修理見積もり依頼がきました。
かなりの年数が経過し、木部の痛みがはげしいので、木部だけを取り替えたいと言うことでしたが、
確認すると、基本躯体は金属で、木製部分は、針葉樹では一番耐久性のあるセコイアのようです。
(30年ぐらい経過しているようなので材質は推測のところがあります)。

一見するとシンプルな構造で、木製遊具の基本「簡単に取り換えることができる構造」・・・のはずでしたが、
接合方法をよく見ると、・・・アーチの部分は基礎を壊さないと金属が外れず、
金属が外れないと木部が外れないし、取り付けるがことができない構造になっていました。
さらに、壁は、工場でパネルにした後、そのパネルをリベットで取り付けているため、リベットを壊さないと木部が外れない。

・・・と言うことで本来であれば、安くメンテナンスできるものが、作業手間が本来の何倍もの費用がかかる構造になっていることが判明。


恐らく販売した施設メーカーとしては、工場でほぼ完成品にして持ち込むことで品質を安定し、
コストは安くなり、組み立ては簡単となり、このような設計にされているのだと思いますが、
施設メーカーの顧客の大多数は官公庁なので、メンテナンスは施設メーカーの管轄外となり、
将来木部を取り替えることについてはメーカーの責任はないがために、
設置した後の木部の取り替えについては、考える必要がないのだろうと思います。

実際にマンションの管理組合さんが設置した施設メーカーに問い合わせたところ、法外な取り換え費用の見積もりがきたそうです。
・・・今回については、造園業者さんを通じて管理組合さんには、いくつかの補修取り換え方法を提案し、検討して頂いていますが、
施設メーカーさんの屋外での木製施設に対する考え方を変えて頂かないと、一般のお客様は木材を使わないようになってしまうと心配します。

問題は、施設メーカーさんとしては、木材の評価が下がり、木材を使わないようになれば、
それを理由に他社を排除できる金属や樹脂に材料を変更していけるので、
かえってありがたいと言うことです。

ですから、法外な取り換え費用を見積もりすることは、
国全体でみると金銭的にもエコの観点からも間違えていても、
メーカーの立場から見ると長期的にみて正しい営業戦略になってしまうことです。
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260.40年前の木製屋外施設

2023-04-29 15:55:19 | ウッドデッキ

これは弊社の属する木材工場団地組合事務所の裏の芝生への入り口です。
40年前にここにゲートを作ってくれと依頼されました。

常時、開け閉めがあるのであれば、丁番で開くようにしますが、
(それでも市販の丁番は屋外用のものがありませんので別注で作りますが)
トラックが入る時に開け閉めするだけですので、使うのは数カ月に1回程度。

と言うことで考えたのがこれです。

単に角材を柱に斜めに切り込んだ溝に落とし込むだけですが、
簡単に取り付け取り外しができて、可動部分がないので壊れることがありません。
(実際はあちこちトラックにぶつけられて傷はついていますが)

当時の加圧注入防腐処理薬剤はCCAと言う天下無敵の高耐久性でしたので、
地面に埋めたままで40年経過しても全く問題ありません。




こちらはそのゲート前の駐車場にある停止板。
軽くて簡単に移動できるものを作ってくれとの依頼で作りました。
軽さと寸法安定性優先のためにレッドシダーで作りましたが、
ペンキを塗られたものがあちこちはがれているものの、
木材自体は何ともありません。
(屋外用のオイルスティンで塗装すれば重ね塗りができるのですが、ペンキのような塗膜性の塗料を塗られると、全部剥ぎ取らないと塗装ができません)
このレッドシダーの場合は、防腐処理はしていませんが、宙に浮いた状態で、水が滞留しませんので、木材は非常に腐りにくくなります。
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259.デッキの有効な使い方

2023-01-17 18:09:07 | ウッドデッキ
デッキをつける前はこんな感じです。


横から見るとこんな感じ


この面積を有効に使って、雰囲気も良くして、そこで遊んだり、
また、目隠しとしても機能的に使いたい
・・と言うことでこんな風に取り付けました。


下は将来何かで使えるように根がらみや筋交いは入れていませんが、
そのかわり接合金物は強度のあるものを使い、
基礎にはアンカーボルトで、束を固定しています。


上から見るとこんな感じ


フェンスは、デザインが単調にならないように大小の横板を組み合わせています。


詳しくは担当者ブログをご覧下さい
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258. 細目縦格子

2022-10-26 11:48:05 | ウッドデッキ
弊社は屋外の木製構築物を設計製造する会社です。
お客様の要望(用途・雰囲気・耐久性)をお聞きして提案をします。


今回の場合は、細目縦格子・・・和風にも洋風にも合います。
ウリン材を使っていますので30年~50年は腐りません。


風をもろに受けるところは透過率を大きく取る必要があり。
でも、目隠しにはしたい。こんな時に細目格子は手間はかかりますが、有効なフェンスです。
透過率が高くても正面以外は見えにくい特長があります。


内側から見るとこんな感じ。


詳しくは担当者ブログをご覧下さい。
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257.公園のベンチを修理する(人工木材を高耐久の木材に変更する)

2022-09-20 23:04:57 | ウッドデッキ
これは人工木材のベンチです。
ベンチの上で調理でもしたのでしょうが、焦げています。
(公園のベンチは何をされるか分からないところがあります)


この公園には、この人工木材のベンチが3基あったのですが、その内の一つが壊れてしまったので、
それを木で修理することになりました。
(人工木材は多くの場合、修理ができないケースが多いので)


桧を人工乾燥してK4と言う屋外用の加圧防腐処理を施し、
外部から金物が見えないハイテンションジョイント工法で1年前に取り付けました。
今はどうなっているか確認しましたが、全く緩んだところはなく非常に強固に取りついています。
(しかし外す時は下から簡単に外せるようになっています)。

官公庁関係で人工木材の修理は何度かしてきましたが、人工木材の欠点は、
総合的な耐久性がなく、さらに、人工木材は修理することが難しく、
結局、30年以上の耐久性のあるウリンのような高耐久のハードウッドか
20年以上の耐久性のある高耐久の加圧注入防腐処理を施した木で
修理しているのが実状です。
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