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あせらず、あわてず、あきらめず

「日本人」という病 これからを生きるためる/河合隼雄

2011-09-06 08:16:12 | 本・コミック
引き続き河合先生の著書で読み終えたのが表題の「日本人」という病(静山社文庫)

この本を読んで結論から言うと別に人生の答えが載っているという訳ではない。
しかし、心理学の観点からだったり、世界における日本人という立場を客観的に
見るには非常に有用なものであろうと思いました。

また、様々な観点による考察、自分にとって各章に書かれているものを考えて
みる良い手助けになる事は間違いないだろうし、何より本当に面白かった。

私自身海外へ行った事も無く、留学経験のある友人から話を聞くだけなので
実感として日本人て外から見るとこうだよねというのが自身の中からの言葉で
言えなかったりするんですが、これを読んでいるとなるほど友人が言っていた
事が書かれていたりする。

というのは、これはその中の一部分にしか過ぎませんが日本人は宗教というものを
それぞれが自身の中に持っているか?と問われれば答えられないのが殆どではない
だろうか?一応、日本人だから仏教ですと言いつつも何宗だとかそういう事も自分
の家の宗派すらろくに知らない人が多いのではなかろうか?

そのなかで信仰するものの無い中でどうやって道徳観を身に付けるのか?という
話になるのですが、これが面白いもので西洋ではキリスト教を子供のころから
学校教育の中に取り入れているのに対して、日本では宗教的な授業を待ってもって
行っていない。これはそれぞれの考えがあるからという理由らしいが、ここで面白い
のが、外国から見ると日本はとても宗教性が高く見えるらしい。

観光だといいつつも仏像を拝んだり、そういう姿を見ると外国の方たちにとっては
そういう風に宗教性が高くみえるのだという。

そういう風に見ていくと自分の中にもそういった宗教性というものは少なからず
あるのだなと、無意識の内に身についていたんだなと。
それは仏事だったり、祖父母の死だったりを経験して生きる事について考えたり
人生について悩んだりした時に、やはり日本人であるが故になのか仏教に救いを
求めて明恵などを読んだりもしたのもそのせいなのだろうと思う。

さて、この本の内容を一口に感想を述べようとすると、それこそ何文字になるのか
分からなくなってしまいそうなので、各章毎に書かれている表題を列記しようと思う。

第一章 日本人を生きる
     「日本人という病を生きる私」
      心的「震災後の復興体験」←(阪神淡路大震災についてです)

第二章 性を生きる
      友情とエロス―人のつながり
      恋愛、結婚、内なる異性との出会い

第三章 自分を生きる
      自分の中の「もう一人の自分」
      自我と無我―「個」を支えるもの

第四章 死を生きる
      日本字が持つ宗教性
      神話の知―生と死を深める

この本は一読しただけではなかなか自分の中に取り込めるものではないというか
染み付けさせて、様々な事を考える上での自分の血肉としておきたい本であろう
事は私としては大変貴重なものだと思いました。

こころの声を聴く/河合隼雄

2011-09-04 21:54:23 | 本・コミック
ここのところ河合隼雄先生の買ったと言っていましたが、2冊程読み終えまして
何故に河合隼雄なのか?と言うとこの人は元々は数学の教師をしていた人ですが
教師時代に「教師は同じ事ばかり教えているから成長がない、それは生徒には
バレるんだ」と言われ、生徒の為には何がいいんだろう?と考えた時に心理学
だろうと。27歳から英語を勉強して日本では心理学が遅れていたので外国へと
心理学を勉強しに行き、日本人でユング派の第一人者となった人です。

そんな河合先生の著書で何を選んで4冊も購入したかと言えば、生きる上で何か
ヒントになるものはないか?というのを思って買ったのが「こころの声を聴く」
という新潮文庫から出ている対話集です。

この本で対話されている方達本当に様々な職業だったり、作家や詩人など本当に
十人十色の対話をされています。

対話については、お互いどちらかが書いた著書について語っているのですが
途中から会話は本の内容から、人の心理的な部分や日本人独特の文化的な
もの、本人は意図しないで書いているのに河合先生からしたら臨床心理学の
観点からみると、その症状がよく描かれていますよと言わしめたり。

作家の視点と、心理学者との視点の違いだったりの見解の違いやそこからの
新たな発見であったりと、ものの見方が多角的であって直接自分が見えるもの
だけでなく、こういう部分もあるであろうと。またこうではなかろうか?
という読んでいてなるほどと思う所や、非常に興味深いものもありました。

さすがに読み終えて直ぐに感想を書いていない所か、もう1冊読み終えてから
感想を書いているので本当に印象に残っている部分だけを書いているので
どこまで購入の際の参考になるのかは分かりませんが(笑)

しかし、対話をされている方の中で、多田富雄の「免疫の無意味論」と
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」この2冊には非常に興味を持ったので
そのうち読んでみようと思います。

いずれにしても、作家や学者というのは普段はなかなか本当の姿が見えて
こないもので、最近人気の作家がどうのと言うつもりはないが(読んでも
いないし)文学にしろ何にしろ面白くなければという意見には同意しますね。

そうそう、河合先生曰く児童文学っていうのもばかには出来なくて面白い
ものが多いそうですよ。その本自体が学校にあるのに実は先生が読んで
いないっていう話もある意味皮肉ではないですが面白いものですね。

「明恵」夢を生きる/河合隼雄

2010-12-30 23:50:25 | 本・コミック
お坊さんが書いた本を読み終わったと思ったら、今度はお坊さんの事を
書いた本も読んでいたりしました(笑)

なんでまたそんな本を読んだのか?というと、日本て仏教国だけれども
今の今まで宗教ってなんだか胡散臭いなぁというイメージで、実際自分が
そういったものをあてにしないと言うか興味すら無かったんですよね。

だけど、絶望に効く薬という対談マンガで河合隼雄さんが出ていた時に
「明恵」という鎌倉時代前後のお坊さんの事が書かれていたんです。
それで、今年は色々あり過ぎて何か救いの一つもないだろうか?と思って
いた所で「そうだ、河合隼雄さんが書いた明恵を読んでみようと」そんな
感じで読んでみる事にしました。

その前にはネットで仏教や明恵の事を調べてみたりもしてました。

あとは友達から聞いた話なんですけど、日本て多宗教国家でもあるじゃない?
だけどたいていの人は無宗教で、中には信心深い方もいらっしゃるでしょうけど
多くの人は困った時の神頼み位なものですよね?だからそうすると外国の人達
からすると、無宗教でどうやって道徳心を身につけるのか疑問に思われるそうで
結構聞かれるという話を聞きました。まぁ、宗教=企業という風になってしまって
いるのが現状ですから。で、結局学校の授業なの?あるいは親?祖父母?
これも私の世代だからの意見で、やはり普遍的なものは宗教から学ぶ所という
のは、よくよく考えると分かる話ですね。

話がそれてしまいましたが、この明恵というお坊さん今から800年位前の人ですけど
この人ほど自分自身を客観的に見て、かつ合理的で、しかもちゃんとした夢分析を
した人がいたというのも驚きですが、生涯戒を破らなかった唯一のお坊さんだと
思います。(他のお坊さんの事を調べた訳ではないですけど…)

読んで見ると、当時のお坊さん達はの現状は腐敗し切っていて現在においても
ですが、おそらく全部でしょうね破戒僧という事になると思います。
こう言うと語弊があるので言っておきますが、ここで言う破戒僧というのは
現代のお坊さんは世襲制が殆どですから、お嫁さんをとりますよね?
となると子供をもうけるとおもうのですが、そうすると淫戒を破っているという
事になるんですよね、なので破戒僧という事になる訳です。

まぁ、当時のその腐敗というのも煌びやかな袈裟を身に付ける事に気を使って
修行をして云々という事ではなかったみたいです。

それにしてもこの明恵という人はものすごく純粋な人であると思うと共に現代に
おいても稀有な人なんじゃないかと思いますね。

著者の河合さんは心理学者な訳ですけど、その河合さんをして現代の心理学の
観点から見ても主観的にならず合理的に夢を分析していて、しかしその夢において
宗教的なものも当然見ているのにもかかわらず、それをお告げのように教義に使う
事がなかったという点においても素晴らしいと思いました。

あくまで冷静に、そして真摯に修行をして晩年は衆生の為につくしたりもするん
ですけど、結局読んでみてなにか救いになったのか?というと、この人の生き方を
通して夢を分析するという事が多いに役立つというという事は分かったんですけど
(無論それだけじゃないですけど)この分析ってのは、いわゆる夢占いとかそういう
ものとは違っているので素人がたやすく出来るものではないって所なんですよね。

見た夢をそのまま捉えてしまってはいけないし、こうなってくると心理学の分野に
なってくるのでおいそれと言えるものじゃないんですけどね。
私自身、心理学者でも何でもないので(笑)

内容も文章も難しいですけど、読んでみて仏教国にいながら仏教の事はまったく
知らない私でしたけど、僧という人達の中にこんな素晴らしい人がいたんだと
思うと共に、本当の教義というものを知らずにいるのももったいないのかな?と
書いていて思いました。

アミターバ~無量光明~/玄侑宗久

2010-12-30 22:37:46 | 本・コミック
初めて現役のお坊さんが書いた小説を読みました。

人は死ぬとどうなるのか?そういうものを小説にして書かれた本です。

実際、自分自身が死んでみた事がある訳ではないので、またそのような人の
話を実際に聞ける訳もないので本当の所は分かりませんが(笑)

本の主人公となるのは末期のガン患者の女性のお話です。

お坊さんが書いたからという訳ではありませんが、普通の小説と違う所と言えば
主人公の視点というか感覚というか、場面が急に変わったりするので普通に読み
進めていくと「あれ?話が飛んだ?」と思ってしまう所がありますが、それは
主人公自身の見ている記憶なのか、夢なのかそういう所で場面の変換があります。

私自身読んでいて、あぁそう言う意味なのかとある程度その変な感覚のまま読み
進めていって気づきました。

しかし、この小説お坊さんだから宗教だのの話が出てくるのか?というと
そうではなく、人が死んだ時数グラムですが体重が減るそうでそを実際の
エネルギー量に換算すると、25mプール数百杯分を一瞬にして沸騰させる
事が出来るほどの熱量だそうで、そんな科学的な話をお坊さんが書いている
という点でも面白いです。

そして死んだその時、肉体から魂が離れ虚空に浮かび自分自身を眺めている
といった話は臨死体験をした人からも聞きます。

また、死んだ人は会いたい人の所へ一瞬にして会いに行けるという話も
書かれていて、しかしそれには案内人のような人がいて、そのエネルギーを
使ってそうしてはいけないと咎められるような事も書かれていました。

最後に、死ぬとエネルギー体になり体から光を発し天へ昇るという感じで
確か三輪明宏さんや江原啓之さんが話されていた事と同じ様な話が書かれて
いたのでそれも興味深かったですね。

死ぬと意識が残るのか、そして本当に自分の体験した事、経験した事のみが
記憶として残って魂の故郷へ還って行くのか。
まったくもってその時になってみないと分かりませんが、実際どうなるのか
天命をまっとうしたその時、本当にそうなんだ!?と思うのか興味深い所です。

だからと言って、早くにそうなりたいとも思いませんがね。
娑婆の修行はまだまだこれからでしょうから(笑)

大人の保険体育

2009-07-05 22:00:10 | 本・コミック
久し振りに本1冊読み終えました。

タイトルからしてツッコミたい気持はそらもうひしひしと感じますけど(笑)
でもですね、内容はタイトルや表紙というかカバーの絵からの印象とは違って
実にしっかりした内容で面白かったです。

表紙からしたらちょっとヲタなイメージというか、未体験な人が読む本じゃ
ないの?って思うかもしれないんですけど、そんな事はまったくなくて
むしろ既婚者だろうと、彼氏彼女がいるいないに関わらず読んで知って
おいた方が良い知識ばかりです。むしろ学生が性について正しい知識を
身に付けるのに非常に役立つと思います。

世間では性についての正しい知識はなかなか教えてもらえないのにコンビニ
では雑誌がホイホイ売られている訳ですから、人に聞きづらい知らない事の
方がよっぽど多いと思うんですよね。
つまり正しい事は教えてもらえないのに、情報だけが氾濫していて未成年は
いけませんなんて言ってる状態じゃないんです。

内容としては、男性の体についてや、女性の体についてどのような仕組みに
なっていて、どうしてそうなるのか何故そうなるのか、何故そのように進化
してきたのかというのが様々な著書から集められて分かりやすくかかれて
いますので、興味を持って読めると思います。

正直読んでいてマジで!?と思ってしまったのですが、高校生でも私が
思うよりも多くの割合で経験済みな人が多いという所ですね。
それと世代的にないのかと思っていたら今の高校生達が「やらはた」を
知っていて、私が高校生の時と同じかと思いきやそれが女の子の方だと
いうから驚きです。

ちなみに「やらはた」っていうのは未経験のまま20歳になってしまう事の意。
ネットじゃ魔法使いなんてのもあるみたいで、これは30歳らしいです。

しかし、この本は男性は女性の体について、女性は男性の体について色々
知る事ができると思いますので、タイトルの通り教科書として若い人ほど
読んでみてほしいと思いました。

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あった場合には容赦なく対応させて頂きますので悪しからず。