ポコ・ア・ポコ~考古学・地質学の部

近年の興味関心のある考古学・地質学に関する内容のMy記憶の記録です。

富沢地区で見つけた先住民の落とし物!? (3/7)~局部磨製石器か!

2018年09月25日 | 考古学に関すること

磨製石器は、新石器時代の指標とされていましたが、ヨー
ロッパや西アジアで旧石器時代の中石器時代に当たる紀元
前9000年(
約1.1万年前)に局部 磨製石器(刃先だけ磨い
た石斧)が発見されています。
日本でも発見済です。

石斧以外の遺物の発見
何度も現地に行っているうちに、石斧以外に新たなものがあることがー。

(1) 研磨された「石包丁」のようなもの

当初、⑧、⑨、⑩は、私なりに石斧の仲間に入れていましたが、それ
以外のものがあることに気付きました。それは、狩猟・採集生活の折、肉
を切ったり、穀物や植物を小さくするような道具に使えそうなものです。
特に①は、手の握るところがあり、形も包丁のようで、刃になる部分が、
研磨されていて日常生活に使用されていたのではないかと想像しました。
また、⑤、⑥、⑦は小さいですが、持つところが細くなり刃の部分も結
構研磨されています。これらは、自然の偶然だけではできないことです。



 研磨された石包丁のようなもの
 


  厚さcm、幅×長さcm/重さg
  ① 厚1.5cm、2.9×10.0cm/67.3g
  ② 厚1.7cm、2.9×10.1cm/74.8g
③ 厚1.4cm、2.4×9.6cm/74.8g
④ 厚1.2cm、3.8×9.6cm/94.8g
    ⑤ 厚2.3cm、4.2×10.4cm/163.4g 
    ⑥ 厚1.9cm、3.8×12.2cm/144.7g
    ⑦ 厚1.9cm、4.4×12.7cm/151.2g  
    ⑧ 厚1.8cm、5.5×19.7cm/382.0g
    ⑨ 厚2.3cm、6.5×16.5cm/401.0g
    ⑩ 厚2.0cm、5.4×15.5cm/297.5g

(2) ポイント(尖頭器)のようなもの
特に、➂は、実にヤリの形をしたイイ形をしています。
恐らく時代的には、弓はなかったと考えられるので、棒の先にこれらを縛
り付け、狩りや戦いに使うポイントだったのかな?と思われるものです。
②は、何らかの破片がポイントのような形になったのかも知れませんが、
意図的に先や両角が鋭くなっているところが捨てがたいものがあります。
④も、偶然にできた三角柱の岩石片を利用して、少し加工した感じです。


 ポイント(尖頭器)のようなもの

  厚さcm、幅×長さcm/重さg
  ① 厚2.0cm、13.6×7.2cm/256.0g
  ② 厚1.2cm、5.1×12.0cm/123.5g
 ③ 厚3.9cm、3.9×10.9cm/97.0g
 ④ 厚2.4cm、2.8×12.7cm/95.5g
 ⑤ 厚1.5cm、4.9×9.6cm/109.5g 
  ⑥ 厚19.5cm、3.4×13.3cm/140.5g

 以上が、私なりに厳選!した遺物36点です。「らしいものー」と
現地で収集したものは100点以上ですが、もう少し吟味してから
分類しようと思います。また、今後も新たな発見もありますので、
サンプルはだんだん増えてきます。北海道は、これから冬の季節に
なりますので、河原での収集や付近の探索は不可能です。しかし、
春向かって楽しみなことは、雪が融け大量の雪解け水の作用で、今
まで地表に表れていない遺物が発見できる可能性があるからです。

さて、私が手にしているものは、局部練磨石器なので
しょうか!?練磨した箇所が顕著に見られないので、まだ
遺物と断定できないでいます。他で発掘された局部磨
製石器を調べ、比較検討する必要もでてきました。
 



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