想うこと、願うこと

人生のひと時、その時に想ったこと、こうありたいと願うことを書き残したい。

対ロシア外交交渉の真実を知りたい

2006-08-31 23:09:41 | 社会との繋がり
 日本経済新聞に掲載されている「私の履歴書」は小生にとっても大変興味深く読ませて戴いている。
 そして、今日迄掲載された、茶道「遠州茶道宗家」小堀宗慶氏のそれも同様である。
 しかし、同氏のそれは記載の多くを「終戦直後同氏が旧ソ連国により、シベリアへ抑留された4年間の過酷な体験」を綴っており、極めて異色のものであった。

 実は終戦直後のドサクサにまぎれて、ソ連が中国に進攻し、そこで終戦を迎えた多くの日本兵を不法にソ連領内、それも「不毛の地シベリア」ヘ連れて行き、強制労働に従事させた。
 その結果、沢山の日本人の命を奪ったと言うことについては、「元伊藤忠商事の副社長、そして、中曽根内閣のブレーンとして活躍された、瀬島龍三氏」をモデルに書かれた、山崎艶子氏の小説、「不毛地帯」を読んで知ってはいた。

 しかし、それはあくまでも小説として読んだもので、瀬島氏本人の話や書いたものを読んだものでは無かった。
 その為、それ程多くの感銘、否、怒りは感じなかった。しかし、今度は違った。
 小堀氏は氏の70数年の人生の履歴を書くべき限られた紙面の大部分を、僅か4年間のシベリア抑留の時の想いを書く為に、費やされたのである。
 それを読ませて頂いた時の気持は・・・・「何故その様に理不尽な目に遭わなければならないのか?」、「沢山の亡くなられた方々を含めて、それらの人達への謝罪や償いは誰が、どのようにしたのか?」。

 極めて、不勉強な小生の知識では、終戦の僅か数か月前に、一方的に日露不可侵条約を廃棄し、既に昭和20年8月15日の降伏受諾した日より後に、中国の在留日本軍に武器放棄を迫り、そして、北方領土に侵入し、更に北海道にまで触手を延ばそうとしたという事実しかわからない。
 そして、その理不尽な旧ソ連の行動に激しい「イキドオリ」を感じざるを得ない。

 そんな折も折、根室の漁船が「国境侵犯と密漁」の罪を押し付けられ、狙撃を受けて殺されたり、拘留される事件が起こった。

 一体、このソ連との終戦時の話し合いはどのように実施されたのか。
 誰が、どの様な条件の下に、話し合い、上記シベリア抑留を許し、北方四島の占有を今の様に認めたのか。
 戦後の対ソ連交渉の経過は政府発表やマスコミ報道で知らされている。
それを見る限りは全く進捗せず、そして、ソ連による実効支配という名の権力支配を許している。
 
 余りに、弱腰の日本外交姿勢はどこから来ているのであろうか。
 そして、日本政府や関係者、更にはマスコミは何故この理不尽な行動に対して堂々と主張し,相手と議論出来ないのだろうか。
 何故、全世界に向かってソ連国の理不尽な行為について明らかにし、その世論を喚起しようとしないのか。
 既に、もう、決定されたことがあり、そのため、その決定を再度変更して貰う為の交渉なのだろうか。
 
 日本政府の外交能力の弱さを暴露しているとはいえ、本当のところでは、裏取引の様なもの既にしており、国民を騙しているのではなかろうか。

 とにかく、真実を明らかにして欲しいと切に望むものである。