新八往来

季節が移ろい、日々に変わり行く様は、どの一瞬も美しいが、私は、風景の中に一際の力強さを湛えて見せる晩秋の紅葉が好きだ。

定率減税

2004-11-28 23:29:09 | 備え無き定年
現役時代の私は永年の経理屋なので、総務の担当実務には不案内であった。第2ステージの診療所では事務課長というタイトルを与えられた(と言っても名刺肩書きはそうなっているのだが、部下はいない)。したがって守備範囲は拡がったのである。昨年末までの私は、年末調整に関して内容は解らないが、毎年幾ばくかの税金の還付があるもの、という認識くらいしか持っていなかった。
今年は、その年末調整を自分の業務として実施することになったのだ。先週末に所管の税務署の説明会があったが、そこで初めて年末調整がどういう実務なのか知ることになった。半可な速成知識を得た中で、給与所得者を取り巻く諸税は右肩上がりの負担増の流れだという現実を認識させられたのである。スタートを切ったばかりの新米事務課長は日々税制改正の影響を被っている。先ず10月から厚生年金保険料の料率がわずかだが上がった。そして、年調講習会では優遇税制のいわば改悪を知らされた。配偶者特別控除の範囲縮小、老年者の優遇廃止、定率減税の見直しなどである。年調とは関係ないが消費税の上げは必至の状況である。もう一つ年調とは関係ないが、ゴミ、廃棄物の有料化は当たり前の状況になりつつあるが、これも地方自治体の財政難に由来するわけだから増税のようなものだ。庶民の台所は貧しくなる一方なのだ。

しかしである。私の無知を曝け出すようだが定率減税なるものを知らなかった。私が知らなかったと言うことは、私以外にもそんな税制の恩恵を受けていたことを知らない人たちが多いのではなかろうか。恩恵を受けていることは知らないが、我が家の財政が緊迫している認識は強いのである。年末調整後の税額の20%が控除されるという制度であるが、恩恵を受けているという認識の低い制度など、廃止されるからといって騒ぐことはないのではないか。恩恵を与えても経済効果は上がらず、廃止となれば不安の種になる…税制はもっと先を見据えて制定してほしいものである。