新八往来

季節が移ろい、日々に変わり行く様は、どの一瞬も美しいが、私は、風景の中に一際の力強さを湛えて見せる晩秋の紅葉が好きだ。

次の機会は・・・?

2005-06-23 16:42:58 | 病の記
余命半年という期限内のうちは、妙な達成意識があったが、達成してしまうと、あとどの程度の時間をどのように生きられるのか曖昧な感覚に晒され、死の苦痛への恐怖心が意識を持ち上げ始める。
2月に、十二指腸からの大量出血があって、あの時は医師から近親者に連絡するようにとの指示が家内にあった。カテーテルによる止血処置が施されている間、終始意識があって、医師の呼びかけにも応えていた。自分の血圧低下のカウントダウンが看護師の緊張した声で耳に入って来た時、自分は今、危険な状態にあるのだと自覚できた。止血処置の経過中の苦痛感が鈍かった所為で、処置が成功裡に終わって覚醒した時、ひょっとすると自分は、安楽な死の機会を逃してしまったのではなかろうかという一抹の後悔の念のようなものに襲われたのだった。きわどい状況を脱して、平均余命を達成した今、次の死の機会はどのような状況の下で訪れるのだろうか。

1 コメント

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考えさせられます (ロゴス)
2005-07-01 06:12:49
余命の宣告を受けての闘病生活を拝見し、いろいろ考えさせられます。考えてみれば、自分自身、今は健康ですけど、死は必ず迎えなければならない時があるわけです。そういうことからすれば、余命後○年と宣告されているようなものです。そう思うと、毎日をいかに過ごすかを考えながら、生きねばと思います。生きるヒントをいただき、有難うございます。
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