中高年、実年、熟年、シニア。私達の年代に向ける呼称もこのあたりまでは素直に受け止められるのだが、老年、シルバー、高年齢者となると抵抗感が強い。しかし、法的な対象世代としては、こういう呼称に不愉快ではあるが甘んじなければならないのである。私が第2ステージで担っている業務は職員10数人の零細診療所の総務・経理である。長年やってきた経理はともかくとして総務業務は初体験である。総務業務の最初は、私自身の採用に係わる仕事であった。自分のことを自分でする羽目になった。結論を先述すると、自分のことを自分でするのは、自分に係わる社会保険制度を知る上で非常に有意義であったということである。
「高年齢者雇用継続給付金」の存在を知った。これは、60歳を超えた人がいわゆる失業保険のお世話にならずに継続就業した場合で、前職の75%以下の収入の場合にその収入の最高15%まで失業保険に変えて受給できるというものであり、受給期間は5年間なのである。私の場合で1月3万円ほどの受給額になるのである。なんだ、それっぽっちかと思われるかも知れないが年間36万円は決しておろそかにできない金額である。まして40年近い年月の雇用保険料を支払っているのである。
だが、もう一つ知ったことは、こういった制度も知らなければ受給の機会を失うと言うことである。受給すべき手続きを講じた者にのみ受給され、役所も事業主も知らない者には何の対応もしないということである。多少の調整はあるが、この給付金は厚生年金の給付と重複して実施されるのだ。従って、私のように厚生年金の満額受給が62歳の者にとっては貴重なのである。私の受給はいよいよ12月から始まる。