3658.~思考回路に沿って~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「わかった!出来る気がする!」(1月11日)
おはようございます。八王子教室の石塚です。
中学1年生のKくんと、正負の数のたし算ひき算を勉強しています。
Kくんの希望で、かっこ付きの式から始めました。
たし算は説明せずともスラスラと解けたので、ひき算に進むと、「?」(クエスチョンマーク)が顔に浮かびました。
「ここをプラスに変えるの?」
「そう!ここをプラスに変えて、たし算にする。」
「それでここもプラス?」「そうだね。符号を変えるね。」
「じゃあ、ここもプラスにする?」
「ここはたし算に変えたことには関係ないから、そのままにしておく!」
10問あるプリントの6問目まで、たたみかけてくる質問に一つずつ答えながら、Kくんが少しずつ理解していく過程を目の当たりにしました。
講師までワクワクしてきました。
「わかった!出来る気がする!」と言いながら、残りの4問は一人で正解することができました。
念のため、同じプリントをもう一度やってみると、楽しそうに符号を書き換えながら全問正解しました。
「わかった」という言葉を聞くと、本当に嬉しく思います。
次はかっこを外した式にチャレンジです。
◇ワンポイント・メッセージ
「たたみみかけて質問」とは、Kくん、がんばっていますね。生徒さんがこのように質問を発することはすばらしいことです。自らの思考に沿って、質問を発することができているからです。逆に講師の方が、たたみかけるように質問をしたり、説明をしたりしてしまうことは、避けましょう。生徒の思考回路ではなく、講師の思考回路での解答は生徒にとってはほとんど無意味だからです。生徒は、その時は分かったような気になるかもしれませんが、実は分かっていない。その証拠に、いざ一人で解答しようとするとそれこそ「?」顔になってしまいます。またその場では「はい、はい」と返事をしていても「さっぱりわからなかった」ということすらあり得ます。生徒の思考回路に沿って、本当に理解できているか確認しながら授業を進めてこそテストでの得点へと結びつくものです。当然のことではありますが、私たち講師はそこを重々理解しておくことが肝要です。