自らを信ずる人は四摂法を実践している。
「日の出を拝む人あれど、入りを見送る人はいねぇ。
それが世間だが、俺たちはそれじゃ済まねぇんだ」
は、私の好きな浪曲で、ばくち打ちが切る啖呵。
日の出は、勢いがある人と言う意味です。
お金持ちや有名人、権力者の周りには人が集まります。
そばにいると分け前をもらえ、威光に浴せるなど、多くの恩恵、利益があるからです。
しかし、力がなくなれば、集まっていた人はクモの子が散るようにいなくなってしまいます。
これが、「入り日を見送る人はいない」です。
勢いがあるときはチヤホヤされても、力がなくなると見向きもされなくなるのは、人として情けない話ですが、もともとそれだけの人徳がなかったという証しでもあります。
仏教ではお金や権力がなくても、自信にあふれ、周囲に人が集まる人の「徳」が分析され、四摂法という教えとして伝わっています。
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【布施…見返りを求めない】
何かにつけて見返りを求め、恩を着せる人に近づきたいと思う人はいません。
「前回はお前の頼みを聞いたのだから、今度はお前が聞く番だ」と言う人には、怖くて何も頼めません。
「あいつを推薦してやったのは俺だ」と恩を着せるように吹聴する人とも距離を置きたくなります。
格言に「恩は着るもの、着せぬもの」がありますが、見返りを求めず、条件付けをせずに何かすることを、仏教では「布施」といいます。
これが四摂法の第一です。
「気にしないでいいですよ。私は自分でやりたいからやっただけですから」
と自分で納得している、さわやかな布施の達人は、人の心をつかむことが出来ます。
元結不動密蔵院住職 名取芳彦氏
ヒントは仏教にありから
難しいけど日々、布施の意識を持って行動できたらいいね(^^)