なくもの哲学と歴史ブログ

哲学と歴史のブログです。
フォロバはします。気軽にフォローしてください。
西洋、東洋哲学
世界史、日本史
西洋神話

オリンポス12神の「アレス」

2023-10-28 19:24:00 | 西洋の神話

【アレス】

 アレスは、神々の王ゼウスと、正妻ヘラの子です。通常、槍と盾を持つ美青年として描かれます。♂「オスマーク」は、槍と盾を持つアレスの姿を図案化したものです。アレスのシンボルカラーは赤で、赤い宝石であるルビーが「マルスの石」だとされています。ルビーには、アレスが宿るとされ「勝利の石」として、戦場に向かう兵士たちは、よく身につけていました。それ以外にも、アレスをシンボルとするものは、たくさんあります。例えば、トランプのハートのジャックは、アレスがモデルで、3月がアレスの月です。アレスは「鶏」「ホトトギス」「キツツキ」「ハゲタカ」などを聖鳥としています。また「トネリコ」が聖木で「スミレ」が聖花です。

 【軍神アレス】 

 アレスは、戦争の神として最も勇敢な者です。闘争心に溢れ「盾を貫通する者」や「城壁の破壊者」と言う異名を持ちます。アレスは、戦争の「狂乱」や「破壊」の象徴です。主に戦争の実戦を担当する荒ぶる神として、戦争をけしかけ、煽りました。アレスは、戦いの神として槍の名手です。通常、手には、鉄製の槍と盾を持っています。その鉄は、アレスのシンボルでした。または、血潮に染った短剣を持つことがあります。この短剣は、人殺し「戦争」の象徴でした。 アレスは、青銅製の無敵の鎧を付け、羽飾りのついた黄金製の戦士の兜をかぶっています。戦場では、火を吐く馬車を乗り回していました。その馬たちの名は「恐怖」「火」「炎」「災難」です。馬は、戦争の象徴とされています。また、闘争と破壊の象徴として、イノシシが聖獣でした。

 【神々の嫌われ者】 

 野蛮で血を好むアレスは、恐怖の父と呼ばれ、人々に恐れられていました。凶暴で、残忍な性格のアレスは、神々の中でも嫌われ者だったとされています。しかし、その中でハデスだけは友人でした。戦争が冥府の住人を増やしてくれるからです。血を好み、憎しみを吹き込むとされる争いの女王エリスも仲良しでした。エリスは、アレスの双子の妹です。アレスと並んで戦車に乗り、戦場を金切り声を上げて駆け回りました。トロイア戦争の原因を作ったのは、エリスです。ある時、不和のリンゴを三人の女神の前に投げ入れました。それが戦争のきっかけとなったとされています。

 【アフロディーテの恋人】 

 アレスの恋人は、美の女神アフロディーテです。アレスとアフロディーテは、相思相愛でした。アフロディーテは、アレスの野獣のような激しさに魅了されていたとされています。ただし、アフロディーテの夫は、鍛冶屋の神ヘパイストスでした。そのためアレスは、不倫をしていたことになります。ヘパイストスは、アフロディーテとの密会の現場を抑え、罠で捉えて見せ物にしました。一説では、エロスが、アレスとアフロディーテの息子だとされています。 また、二人の娘には、ハルモニアがいました。ハルモニアの夫は、テーバイを建設したカドモスです。カドモスは、アレスの泉に住む大蛇を殺しました。その歯を埋めたら、テーバイ人の祖が出てきたとされています。カドモスは、アレスの大蛇を殺した罪滅ぼしのために、8年間下僕として働きました。

 【蛮族の父】 

 アレスは、ギリシャ人にとっては、蛮族の地であるトラキアで崇拝されていました。そのため、ギリシャではあまり人気がなかったのかもしれません。アレスは、女性の騎馬軍団アマゾン族の祖だとされています。アマゾン族の女王ペンテシレイアは、アレスの娘でした。ペンテシレイアは、大変美しい姿をしかったとされています。彼女は、トロイア戦争に参戦し、アキレウスと一騎討ちを演じました。 

 【ローマ時代】 

 アレスは、ギリシャ神話では、その残忍で凶暴な性格から、神々の嫌われ者でした。その上、人間の英雄であるヘラクレスやデオメデスにも一騎討ちで敗北しています。アレスは、ギリシャ神話の中では、何かと不遇な扱いでした。しかし、ローマ時代には、ゼウスに次いで崇拝されました。なぜならアレスは、ローマを建国したロムルスの父だったからです。ロムルスは、雌のオオカミに育てられました。そのため、アレスの聖獸もオオカミだとされています。また、ローマ時代には、農耕の神ともされるようになりました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿