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ネットリンチについて

2023-12-07 21:12:00 | インターネット関連

【私刑】 

 私刑「リンチ」とは、国家の刑罰ではなく、私人や私的団体が自力で行う制裁のことです。日本では、たとえ誰であれ、法律の定める手続きによらなければ、刑罰は科せられません。海外では、私刑行為が許される国もありますが、日本では、私的な制裁は禁止されています。日本は、法治国家です。そのため、法で定められた手続きによらなければ、例え相手が犯罪者でも、私人が制裁を加えることは出来ません。もしそれが許されるなら、裁判所は不要になってしまいます。また、犯罪者かどうかを判断するのも裁判所です。犯人に対して暴力をふるうと、暴行罪「刑法208条」、脅すと、恐喝罪「刑法249条」に問われる可能性があります。 

 【プライバシーの問題】 

 何か事件があると「ワイドショー」「週刊誌」「ニュース」などのメディアで取り上げられ、被害者や加害者のプライバシーが、一方的に流されることがあります。そうした報道が「プライバシー侵害」や「名誉毀損」になったりするのは、メディアが犯人の増悪を煽るような見せ方をするからです。それを正義感からか、それをネットで拡散しようとする人たちがいます。しかし、犯罪者にも基本的人権があることを忘れてはいけません。例え相手が悪くても、自分自身がペナルティをうけることもあります。

 ネット上で行われるリンチが、ネットリンチです。道徳に反した悪者を懲らしめるため、個人をターゲットにして、つい怒りの感情のままに書き込みをしてしまうこともあります。そこには、犯罪行為を行ったのだから仕方がないという気持ちがあるのかもしれません。しかし、過剰な正義感から、行き過ぎた誹謗中傷した場合、名誉毀損になることもあります。そのため、批判をする場合でも、誹謗中傷にならないような書き方にしなければなりません。 

 【特定班】 

 特定の人物の個人情報を調べ上げ、ネット上に晒すネットユーザーを「特定班」と言います。個人情報とは「顔写真」「家族写真」「住所」「職業」などです。特定班は、わずかな個人情報の断片を組み合わせ、ある特定の人物を推測します。ただし、その特定された人物は、特定班がターゲットにしてた人間とは限りません。間違えている場合もあるからです。また特定班と、ネットリンチ加害者は、同一人物だとは限りません。特定班の中には、誰かに頼まれたり、趣味でやっている人もいるからです。加害者は、特定された人物に対して、さまざまな手段で攻撃をしかけます。攻撃手段は、自宅への「リア凸」「ストーカー行為」「いたずら電話」「迷惑メール」「虚偽通報」「吊し上げ」「なりすまし」などです。 

 【リンチの構造】

 加害者は、ネットの匿名性を過信しており、自分は安全な立場にいると思い込んでいます。また、顔が見えないインターネットでは、相手の気持ちが分かりにくいものです。そのため、罪悪感が低いのかもしれません。ネットリンチには、誰かと一緒になって盛り上がるという一体感があるとされています。それが、リンチがエスカレートする一つの要因です。加害者たちは、群れることを好む傾向にあり、集団内で特定の対象者へネットリンチをすることによって、その連携が強くなるとされています。

 【理由】 


許せなかったという正義感は、建前かもしれません。加害者は、リアルでは認められないので、承認欲求のためにネットリンチを繰り返している可能性があるからです。または、面白半分で攻撃している愉快犯なのかもしれません。ネットリンチを無視し、放置しておくと、個人情報を好き放題に悪用される可能性があります。そのため、サイト管理者などへの削除請求の対応が必要です。サイト管理者には、法的責任があり、被害者の削除請求を無視すると「名誉毀損幇助」とみなされる場合があります。



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